ルイスと映画泥棒

中国・韓国映画を中心に毎日観た映画の感想を記録。おすすめ度を☆で採点、☆四つ以上は必見の映画。

新・上海グランド

2008年11月29日 | 中国ドラマ
今、嵌まっている中国ドラマがこれ。DVDレンタルで観ている。

 原作「上海グランド」は1980年(全25話)に放送され、香港で異例の高視聴率を獲得した。『男たちの挽歌』『グリーン・デスティニー』のチョウ・ユンファが主演、彼の若々しく力強い演技が注目を浴びた。そしてメイド・イン・ホンコンの怪物テレビドラマ「上海グランド」をリメイクしたのが本作である。

 主人公の許文強を演じるのは中国の人気俳優黄暁明(ファン・シャオミン)。「新上海グランド」は2007年1月から中国全土で放送され、全ての放送局で記録的視聴率を達成する大ヒット作となった。
「悪い奴だけしか生き残れない」弱肉強食時代の上海を、巧みに描いたハードボイルドでスリリングなストーリー。主人公は、次々と残酷な運命の仕打ちに襲われ、悲痛な人生へと追いこまれてゆく。国を愛し知性や才能に恵まれていながらも、愛する者と敵対し孤独な戦士にならざるを得なかった主人公の哀しい生き様。そして主人公と愛や憎しみで繋がれた人たち。抗うことのできない運命を生きる人々の“魂と魂が摩れ合う痛み”を、見事に描ききったドラマである。

 1920年代の上海、内憂外患で愛国ナショナリズムに溢れるこの時代、ここに足を踏み入れた許文強(シュー・ウェンチャン)は、貧民区に育ち成功を夢見る梨売り丁力(ディン・リー)と知り合い、偶然にも共に上海で最も勢力を誇るマフィア馮敬堯(フォン・ジンヤオ)の娘馮程程(フォン・チェンチェン)を危機から救う。その後火事から丁力の母親を救い出した許文強は、丁力と義兄弟の契りを結ぶ。元恋人で今は馮敬尭の愛人の方艶雲(ファン・イェンユン)の紹介で劇場のマネージャーとなった許文強はみるみる頭角を現し、馮敬堯にその存在を意識されるようになる…。

 馮程程(フォン・チェンチェン)役が、大好きなスン・リーが演じている。スン・リーが好きになったのは、中国ドラマ「1メートルの光」だ。スピリット(2006)にも出ている。

 オールド上海を舞台に繰り広げられるストーリーは見応え満点である。

おすすめ度  ★★★★★

スターシップ・トゥルーパーズ3

2008年11月26日 | 洋画
 昆虫型生命体“バグズ”と人類の戦争をポール・ヴァーホーヴェンが描いた『スターシップ・トゥルーパーズ』第3弾。第1作を継承する本作では、全作の脚本を書いたエド・ニューマイヤーが監督デビュー。第1作の主人公ジョニー・リコを復活させ原点回帰する一方、新種バグズを多数登場させて壮大なスケールの宇宙戦争を再び展開する。シリーズ初登場の究極兵器“パワード・スーツ”や最強バグズが繰り広げる攻撃シーンなど見どころ満載。

 スターシップ・トゥルーパーズ2は、バグスとの戦闘シーンが凄まじかった記憶がある。今回も期待していたが、新種の「スコーピオン」なんて面白いのに、出番が少ない。「パワード・スーツ」の出番もラストにあっという間だったのがちょっと不満。
 
おすすめ度  ★★★★☆

原題: STARSHIP TROOPERS 3: MARAUDER
製作年度: 2008年
監督: エド・ニューマイヤー
上映時間: 105分
キャスト:キャスパー・ヴァン・ディーン、ジョリーン・ブラロック、ボリス・コジョー



日本はチェンジの時期だ

2008年11月25日 | 日記
 最近、麻生批判をすることが、馬鹿馬鹿しくなってきた。

何故か?
 今、日本に期待されていることは、国民の目線からの政治だと思うのだが、その弊害は、自民党の長すぎる政権であり、族議員に代表される利権主義と金属疲労を起こしている縦割り官僚制度ではないかと思う。
 そこに風穴を開けなくては、いけない。その一番の処方箋が二大政党制であり、次の総選挙で自民党には下野して頂く。
 私たち(民主支持派)は、利権にしがらみの少ない民主の方が、その仕事がし易いだろうと考えている。
 一度、政権を交代し、民主党の政策で政治を行ってもらいたい。高速道路を無料化し、子ども一人26,000円の手当を実行してもらいたい。年金も一元化してほしい。
 小泉は「自民党をぶっ壊す」と言ったが、実は「経世会をぶっ壊しはしたが、自民党を壊せなかった。民主党には「自民党と霞が関をぶっ壊してほしい」と思う。
 そして、いずれ、自民の若手と小沢後の民主の若手が手を握り、政界再編をするのが理想だと考える。

 そういう意味では、小泉も安倍も福田も麻生も一緒だ。麻生が首相になったのは、福田では選挙に勝てないから、元気のいい(?)麻生を選挙の顔にしただけではなかったのか?
 それが、解散もせず、居座っていて、今一番困っているのは、自民党ではないだろうか?
 任期満了までずるずるといきそうな昨今だが、1日も早い解散・総選挙を望まずにいられない。

 民主批判・小沢批判をし、自民党を擁護する人達は多い。小数派だと思うが麻生を指示する人までいる。自民の牙城だった農村部や医師会まで自民党政治はもうたくさんだと変わってきているというのに、不思議でならない。

JUNO/ジュノ

2008年11月22日 | 洋画
 16歳の少女が予想外の妊娠を経験し、現実を受け止めながら成長していくさまを描いたヒューマンコメディー。『サンキュー・スモーキング』のジェイソン・ライトマン監督が、『ハード キャンディ』で衝撃を与えた成長著しいエレン・ペイジの魅力をいかんなく引き出した。共演にはカナダの子役出身マイケル・セラ、『キングダム/見えざる敵』のジェニファー・ガーナー。周りを振り回すほど自意識過剰な少女を取り囲む家族や女友だちや、ボーイフレンドの視線がほほ笑ましい。

 最近観た映画で「4ケ月、3週と2日」が、同じように若い少女の妊娠の話だが、両者は全く違っていた。「4ケ月・・・」は「中絶」だが、「ジュノ」は「代理おや」なんである。もう一つの大きな違いは、前者は暗いが、こちらは明るいことだ。悲愴感は全く無い。
 主人公のジュノ役のアラン・ペイジが魅力的だし、有名なTVドラマ「エイリアス/二重スパイの女」のジェニファー・ガーナーが代理おや役で、楽しい。

 新しいジャンルの映画の香りがする。

おすすめ度  ★★★★★


原題: JUNO
製作年度: 2007年
監督: ジェイソン・ライトマン
上映時間: 96分
キャスト:エレン・ペイジ、マイケル・セラ、ジェニファー・ガーナー

DOA/デッド・オア・アライブ

2008年11月21日 | 洋画
 東シナ海の島を舞台に、世界最強のファイターたちが格闘トーナメントで激突するアクションムービー。監督は『トランスポーター』のコーリー・ユン。トーナメントに出場する美しい女性ファイターたちを、『シン・シティ』のデヴォン青木、『トルク』のジェイミー・プレスリーらが演じている。クールなヒロインたちの激しいアクションとセクシーなボディ、さらには戦いの裏に隠された陰謀にまつわるサスペンスなど、見どころ満載。

 う~ん。これは、中国映画なのか、洋画なのか、判別しづらい映画だ。台詞は英語だし、出演者もアメリカ人、中国人、日本人(ショー・コスギ)と雑多。アクションを中心にやたら色っぽい映画なのである。B級映画だが、すかっとするかもしれない。

おすすめ度  ★★☆☆☆

原題: DOA: DEAD OR ALIVE
製作年度: 2006年
監督: コリー・ユン
上映時間: 86分
キャスト:ジェイミー・プレスリー、ホリー・ヴァランス、サラ・カーター

靖国 YASUKINI

2008年11月20日 | 邦画
 日本人の誰もが知っているようで実は知らない「靖国神社」の現実と精神構造に、『味』の李纓(リ・イン)監督が挑んだドキュメンタリー。軍服を着て参拝する集団や合祀(ごうし)に反対する遺族たちなど、さまざまな思いが行き交う終戦記念日の様子を活写。神社のご神体である日本刀「靖国刀」を作る刀匠にも取材し、靖国刀がもたらした意味を解き明かしてゆく。戦後60年以上をへてもなお、国内外で物議を醸す靖国問題の根深さを考えさせられる。

 靖国問題は賛否両論あるが、靖国神社を知らない人は多い。このドキュメンタリー映画は、賛否どちらでんもなく、淡々と靖国神社を紹介しているところに強いメッセージを感じる。

 そして、この映画の監督が中国人であること。なんで?

 日本人の問題のはずなのに、ちょっと恥ずかしい。

李纓(リ・イン)監督プロフィール
 
1963年中国・広東省生まれ。
中国中央電視台のディレクターとしてドキュメンタリーを制作後、文化庁の海外招聘芸術家研究員として日本に留学、日本映画の研究の傍らプロダクション龍影を設立。
『2H』(1999年ベルリン映画祭NETPAC賞受賞)がデビュー作となる。第二作となる『飛呀飛(フェイ ヤ フェイ)』は、2001年度ベルリン映画祭へ出品され、高い評価を得ている。

おすすめ度  ★★★☆☆

製作年度: 2007年
監督: 李纓
上映時間: 123分

ミルコのひかり

2008年11月19日 | 洋画
 イタリア映画界で活躍する実在の盲目のサウンド・デザイナー、ミルコ・メンカッチの体験を基に作られた感動作。不慮の事故により目が見えなくなった少年が、“聴く”ことにより新しい世界を築いていくまでを描く。1500人もの中から主役に抜てきされたルカ・カプリオッティは、映画初主演にも関わらずこの難役を見事に演じ切った。己の進むべき道を開拓する主人公の反骨精神に勇気づけられる。

 盲目の子供達が寄宿する学校が主な舞台だが、展開がスピーディで好感が持てる。予想以上の傑作だ。

おすすめ度  ★★★★★

原題: ROSSO COME IL CIELO
製作年度: 2005年
監督: クリスティアーノ・ボルトーネ
上映時間: 100分
キャスト:ルカ・カプリオッティ、シモーネ・グッリー、アンドレア・グッソーニ

マリと子犬の物語

2008年11月18日 | 邦画
 “新潟県中越地震”の実話を基に描かれベストセラーとなった絵本、「山古志村のマリと三匹の子犬」を映画化した感動作。大地震で無人になった村に取り残されながらも、必死でわが子を守り抜く母犬の強さと優しさを圧倒的な力強さでみせる。出演も『おばちゃんチップス』の船越英一郎を筆頭に松本明子、高嶋政伸、宇津井健ら実力派がずらりと並ぶ。健気に生きる犬と人間の魂の交流が生んだ、真実の家族と奇跡の物語が観る者の胸を震わせる。

 ストーリーは、ありきたりだが、実際にあった新潟県中越地震の実話というところがすごい。絶えまのない余震など、地震の恐怖が伝わる。

おすすめ度  ★★★☆☆

製作年度: 2007年
監督: 猪股隆一 上映時間: 124分
キャスト:船越英一郎、松本明子、広田亮平

世紀の愚策オンパレード

2008年11月13日 | 日記
■みぞうゆう?ふしゅう??…麻生さんは漢字苦手?


これだけ多く読み間違える首相はめずらしいんでないの?
これからは、ルビをふった原稿にするんだろうな。

矢継ぎ早の経済対策を打って、起死回生を狙っても、どうもちぐはぐのようですね。

定額給付金:2兆円使っても、二転三転で最後は市町村に丸投げ。一人12,000円あげるから自民党を応援しろっていう魂胆がみえみえ。お金は貰っても(もとは自分の税金だから貰うのではないが・・・)指示はしないでしょ。普通。例えば、子供(18歳以下)と65歳以上の高齢者全員に50,000円ってのはどうよ。

住宅減税600万円:実際の減税効果は低く、アドバルーンだと露呈した。

高速道路値下げ:トラックを除外したことで、失望感が。みじかのレジャーで済ませているので、高速でドライブをする人は少ないでしょ。逆にすればいいのに、馬鹿じゃないの。平日半額・トラック無料とか・・・

センスなさすぎ。

愚策

2008年11月12日 | 日記
 すっきりしない定額給付金、基本的になぜ、税金を国民に配らなくてはならないの?ってのが素直な気持ちだ。

 家族4人がレストランで食事をし、お父さんが合計10000円を支払ったら、思いがけず、一人一人にどこでも使える500円の商品券をくれた。こんなところですか。

 予想外の出来事で一瞬は儲けたような気になるが、要は自分の財布から出ているお金が一部戻ってくるだけなのだ。味とサービスで勝負すべきレストランが、払い戻しのマジックで印象づける作戦と同じ事だ。

 減税でも同じことを、現金を配る方がありがたみを大きいという品のない制度がこの給付金なんである。

 このようなめくらましの愚策を思いつくのも情けないが、その配布方法で混乱しているニュースを観るたびに、失望感でいっぱいになる。

ハーブ

2008年11月11日 | 韓国映画
 韓国映画の傑作「トンマッコルへようこそ」でブレイクした不思議な女の子「カン・ヘギョン」主演。知的発達障害者の恋を描くコミカルな映画だが、内容はやや重いかも。

 知的障害者の「カン・ヘギョン」は、ある日警察官の若い男と出逢う。男は、知的障害者と知らず猛アタックして、つきあうことになるのだが・・・

 一方、苦労して彼女を育てる母は、検査で癌が見つかり、余命いくばくもないことが知り、母の葛藤がはじまる。

 どぉ、泣けそうでしょ。

おすすめ度  ★★★★☆

原題: HERB
製作年度: 2007年
監督: ホ・インム
上映時間: 113分
キャスト:カン・ヘジョン、ペ・ジョンオク、チョン・ギョンホ

ポストマン

2008年11月10日 | 邦画
 “手紙”が運ぶ人と人の温かい交流を描いた心温まる感動作。実直な郵便局員が起こす小さな奇跡を、風光明美な港町の自然の美しさとともに描写する。本作で製作総指揮も兼ねる長嶋一茂が『ミスター・ルーキー』以来久々に主演を果たし、不器用な父親役を熱演。共演者には『幸福な食卓』の北乃きいをはじめ大塚寧々、竹中直人ら豪華キャストが集結し、ドラマを盛り上げる。味気ない現代の暮らしにもたらされる“郵便”の温もりが心に火をともす。

 正直、長嶋一茂主演ということでバカにしていたが、不覚にも泣いてしまった。ちょっと見直した映画だ。

おすすめ度  ★★★★☆

製作年度: 2007年
監督: 今井和久
上映時間: 111分
キャスト:長嶋一茂、北乃きい、原沙知絵


ジョン・ウー

2008年11月10日 | 監督
1946年5月1日生まれ 中国/広州出身

幼い頃に香港に移るが、貧民街ですさんだ幼少期を送る。しかし唯一の娯楽であった映画館に入り浸り映画製作を志すように。71年にショウ・ブラザースに入社、73年の「カラテ愚連隊」で監督デビュー。その後しばらく作品が低迷するが、83年にツイ・ハークと会ったことで転機が訪れる。86年にこれまでの香港アクションの常識を覆すテイストの作品「男たちの挽歌」を発表し香港で記録的ヒットとなる。その後も独自の感覚を駆使してアクションファンを魅了。93年にはハリウッドに招かれて「ハード・ターゲット」を閑静。その後は活躍の場をアメリカに移し、「ブロークン・アロー」、「フェイス/オフ」そして「M:I-2 ミッション:インポッシブル2」といったアクション大作を次々と世に送り出している。ハトと二丁拳銃、そして舞い踊るようなアクション・シーンをスローモーション撮影するのがトレード・マークだ。



レッドクリフ

2008年11月10日 | 中国映画
 レッドクリフ・パート1がついに11月1日公開された。後編は来年の4月の公開の予定。今年一番のおすすめ中国映画だ。三国志の赤壁(せきへき)の戦いを描いた歴史スペクタルとならば、見逃すわけにはいかない。1週遅れで昨日観ることができた。

 『M:I-2』などの巨匠、ジョン・ウー監督が100億円を投じて作り上げた歴史アクション大作。中国の英雄伝「三国志」を基に、国を賭けて戦う男たちの壮大なロマンと、彼らを陰で支える女性たちの姿も浮き彫りにする。才気あふれる軍師を演じるのは『LOVERS』の金城武。彼とともに戦う知将役に『インファナル・アフェア』シリーズのトニー・レオンがあたる。2人の偉大な英雄ぶりに目を見張り、華麗で鮮やかなアクションが見物だ。

 ジョン・ウー監督が追加撮影の不足分10億円の私財を投じるほど、入れ混んだ本作は、まず、スケールに圧倒される。1,000人のエキストラを使った戦争のシーンは迫力満点だった。中国人民政府が協力し、人民軍がエキストラになった。

 今年、一番のおすすめ中国映画である。
 
おすすめ度  ★★★★★

原題: RED CLIFF/赤壁
製作年度: 2008年
監督: ジョン・ウー
上映時間: -
キャスト:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー

「レッド クリフ」明日観賞

2008年11月08日 | 中国映画
 予想以上の人気だ。今までたくさんの映画を観てきたが、興行成績は良く知らない。このニュースを読むと、興行成績でも、すごいことになるようだ。
 考えてみれば、三国志の「赤壁(せきへき)の戦い」という中国史のなかでも最もシンボリックな史実を再現していることも人気のもとだろう。CG技術の発達で可能になったスケールの大きさと迫力も見逃せない。

 ジョン・ウー監督が私財10億円までもつぎ込んでいるエピソードなどを耳にすると、彼はこの映画を撮るために、今までのキャリアを積んできたとさえ思える。

 どちらかと言えばマイナーだった中国映画が、この映画によって、ハリウッド映画と遜色がないことを示してくれている。しかし、このような大作ばかりでなく、中国には多数の傑作が埋もれている。

 これを契機に、日の当たらなかった中国映画を見直す機会になれば嬉しい。