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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

見守ってくだされ

2006-09-11 16:04:39 | 好きな絵本
 図書館で見つけて借りてきたときには、「アイデア勝負」の本だと思っていました。

 ひしゃげた野菜のおしりや、ヘタの部分を利用して、顔に見立ててあるんです。
目は、(うちの方のお赤飯にはかかせない)「ささげ豆」を使っているそうです。


どんなきぶん?
 
 『どんなきぶん?』
  サクストン・フライマン&ユースト・エルファーズ作
  アーサー・ビナード訳

 ストーリーはなくって、「顔」の出来た順に野菜や果物を並べて、次々と写真を撮って、
あとからそれにふさわしい言葉をつけていったんじゃないかなと、思います。
 でも、何回か見ているうちに、お話ではないけれど、ゆるやかな「波」みたいなものを、
本全体から感じることができるような気がしてきます。英語も日本語もわかる訳者の
力でしょうか。

 真っ赤なトマトとそれに寄り添うミニトマト。その脇には、そのふたりをうらめしそうに
眺めるミニトマトが居て‥。

  すきな こを とられてしまったから
  くやしくて かおが まっかっか?


 おおっきなたまねぎと、らっきょう型のたまねぎ。情けない顔の二人のページには、

  だめなとき
  だめを どうなぐさめてもらえるか
  それがだいじ。


 
いくら言葉で説明しても、百聞は‥ですので、ぜひ一度本のページを繰ってみて
ください。すごーくよくできている「顔」に驚くと思います。
 

 表情の決めては、やっぱり「目」なのでしょうか。にやっと笑った口元や、口の中までも
上手に作ってあるのもありますが、それでも、目が入るのと、入らないのでは全然違うはず。

 普段の自分の表情をちょっと考えてしまいました。両方向から。
 何も言葉に出来ない時でも、目だけで、笑ってあげたり、安心させてあげることもできる
よね、ちゃんとやってる?というのと。
 いくら楽しそうなふりをしていても、目にはきちんと気持ちが表われてしまうんだよ、というのと。

 

 この本から思ったことが、もしかしたら「下敷き」になっていたのかもしれませんが。
お見舞いの品は、今回は本をやめて、俣野温子さん作「タオルぬいぐるみ・クマ」にしました。
(それと、クマのベージュ色に合う、緑のタオル)

 ちょっとしたかわいいものを、その先輩からもらったことがあるのを思い出したのと、
ベッドサイドのテーブルの上に、ティッシュの箱や薬だけでなく、かわいいクマがちょこんと
座っていたら、それだけでも和むかなあ、と思って‥。そして、本は自分で開かなければ
ならないけれど、クマちゃんは、2つの目で、いつまでも見守ってくれているかなあという
気持ちから‥。

 

 

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素敵ですね。 (miyukichi)
2006-09-11 20:44:48
 前の記事も読ませていただきました。

 皆さんがコメントされているのと、

 私もまったく同じことを思いました。

 rucaさんがそこまで一生懸命その先輩のことを

 考えたお見舞いの品なら、

 その気持ちはきっと伝わるはず、って。

 自分がもしもらう立場なら、って想像してみて、

 ほんとにそう思いました。



 結局本はやめたとのことですが、

 選ばれた品物、とても素敵ですね。

 私はほとんどrucaさんのことは存じないですが、

 それでも、

 「ああ、すごくrucaさんらしい

  優しい気持ちのこもった品なんだなぁ」

 って思いましたし、

 先輩の方もきっとそう思ってくださると思います。



 クマを見て、先輩の方が少しでも

 なごんだ気持ちになってくださるとよいですね◎



 どうぞおだいじに。
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思いやり (珊瑚)
2006-09-12 09:59:42
rucaさん、とても素敵なお見舞いだと思います!

肌触りのやさしいタオル地のぬいぐるみは、目からも、感触からも癒されそうです。



rucaさんの思いやりを感じます。



前回のコメントで、暗い話題になってしまい申し訳、ありませんでした。

お見舞いのお話なのに、ふさわしくないコメントを書き込んでしまい後悔し反省しています。

本当に、ごめんなさいね。

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ご無沙汰しておりました (新歌)
2006-09-12 14:48:49
お見舞いに行かれるのは、今日ですね。

rucaさんのお気持ち、きっと通じることでしょうね。

rucaさんと過ごすつかの間の時間が、その先輩の方にとって

安らぎと、楽しさが得られる時間でありますようお祈りしています。



こちらの絵本、好きです^^子ども達もはまっていました。

こんな発想、あるんだねぇ~って感心しちゃいました。

どなたかのブログで、ご自分でも作成されていて楽しかったですよ♪
返信する
rucaさんらしくて (percy)
2006-09-13 09:34:54
こんにちは。

お見舞いの記事のコメントを残してから、実はあれは適切だったのか?

お悩みになっていたrucaさんの気持ちを少しもわかっていないのではないか。と、気にかかっていました。



 2つの目でいつまでも見守ってくれているかなあという・・・

そのお気持ちがすごくrucaさんらしくて、素敵だなぁと、思いました。きっと、先輩も喜んでくださることと思います。
返信する
お見舞いのこと (くっちゃ寝)
2006-09-13 13:15:17
私もお見舞いの記事を読んだあと、いろいろ考えてはいたのですが、みなさんがいろいろ心のこもったコメントをされていたのと、私自身がばたばたしていたので何も書けませんでした。

本はその方の好みもあるし、難しいですね。

殺風景な病室を思うと、クマちゃんがいるだけでほっこりされると思いますよ。



そういう私も今義父が入院中で、退屈して早く帰りたがっている義父に、何かいいものはないかなあ、と思案中。

高齢だし、これといった趣味のない人なので、なかなか思いうかびません。

まあ身内なので、顔を出して話し相手になるのが一番かもしれませんね。



ところで。

先日京都へ行く機会があったので、恵文社一乗寺店へ行ってきました!

とても素敵なお店で、すっかり気に入ってしまいました。

教えてくださったrucaさんに感謝です。

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miyukichiさんへ (ruca)
2006-09-13 17:48:44
こんばんは。



続けての、心温かいコメントほんとうにありがとうございます。

ひとりで考えているよりは、文章にしたほうが気持ちが整理できるし、皆さんの考えも拝聴できると思い、手帳のこともお見舞いのことも、同じ次元で、「日々のこと」として記してしまいました。私の繰言を、読んで、自分のことのように考えてくださっている方が居るということが、ほんとうに嬉しくて、ほんとうに勇気づけられました。

何度言っても足りないくらい‥ありがとうございます。



昨日、お見舞いに行ってきましたが、本はやめにして正解だったかなと感じました。薬による副作用が強く、ぼっーとしてしまうと、おっしゃっていたから。



クマちゃんは、先輩よりも、毎日来ていらっしゃる妹さんのほうが喜んでくれてたかな‥?フラワーアレンジメントのカゴの間に座っている姿は、ほんとにかわいかったです。
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珊瑚さんへ (ruca)
2006-09-13 17:55:19
こんばんは。



「暗い話題」なんて、「ごめんなさい」だなんて、とんでもないです。大体、お見舞いの話題にコメントしてくれたのに、それとはちっとも関係ない「手あれの話」を持ち出したのは、私のほうなんですから。

それに、珊瑚さんのお父様の話を聞けたことで、より、珊瑚さんに「近づくこと」ができたような気がしています。本題とは、まるで関係なくっても、その折々感じたことを話していただけるのも、それはそれでとっても嬉しいことです。また、よかったら、寄ってみてくださいね。



タオル地のクマちゃんは、ほんとにかわいいんです。

自画自賛みたいだけど、色といい、大きさといい、ほんとにぴったりでした。「クマちゃんがいつも見ているからね」と、会話の途中でなにげにそう伝えることもできて、気持ちがすこし軽くなりました。
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新歌さんへ (ruca)
2006-09-14 15:06:01
こんにちは。



具合の方はいかがですか、もうすっかりよくなりましたか? お見舞いのコメントも出来ずにいたのに、新歌さんのほうから、訪ねてきてくださるなんて、嬉しいやら、申し訳ないやら‥です。ありがとう。



お見舞いに行った先輩は、私が思っていたよりも元気に見えました。でも、『どんなきぶん?』の絵本を見て、一緒に笑い合うような、そんな感じではなかったかな‥。



共通の知人の思い出話をしたり、かわいがっていた姪っ子さんの成長ぶりを伺ったりと、それでも時折笑みのもれる時間を過しました。思い切って、いってみてよかったです。
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percyさんへ (ruca)
2006-09-14 15:14:27
こんにちは。



percyさんが、一番最初にコメントしてくれたこと、

ほんとにほんとに感謝しているし、ほんとうに

嬉しかったんです。



いろんな方が、私のいったりきたりの悩みにつきあって

くれて‥いろんな本も考えてくれて‥

なのに、結局、本そのものをやめて別の品物を選んだ

しまったので、一緒になって考えてくれた方に申し訳

ない気持ちでいっぱいだったのです。

でもでも、みなさん、さらに「いいものを選んだ」と

おっしゃってくれて‥この1週間、このブログのコメント

にどれほど力づけられたわかりません。

それというのも、percyさんが、最初に心温かい言葉を

投げかけてくれたおかげだと思っています。

ほんとうにありがとう。



‥クマちゃんに気持ちを託しましたが、今日もしっかり

見守ってくれているかな。
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くっちゃ寝さんへ (ruca)
2006-09-14 15:21:03
こんにちは。



クマちゃんは、思った以上に、病室に溶け込み、

いい感じで、和みの空気を醸し出してくれました。

色々迷ったし、子どもっぽいかなと渡す直前まで

思っていましたが。



お義父さまの入院、大変ですね。

身内のお見舞いは、帰るときのタイミングを計るのが

難しくないですか? すぐに帰ってしまうのも寂しい

ような気もするし、週に何回もいくお見舞いなら、

一度の時間をそんなに長くはとれないだろうし。



出産の時しか、入院経験がない私ですが、

家と、病室では、なにもかもがちがいますよね‥。
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