読書おぶろぐ

読んだ本の感想を書いてます

ゲバラ 世界を語る

2010年10月09日 13時34分29秒 | 政治関連・評論・歴史・外交
ゲバラの演説、論文、インタビューから厳選した名言集。
「グローバル・ジャスティス」「我らのアメリカ、彼のアメリカ」の二作品を収録。

本書の演説等は1961年から1965年の間に行なはれたもので、その当時の時勢・世界状況がよくわかる。

現在でもゲバラが無くさうとしてゐた「人間による人間の搾取」は続いてゐる。 

この不平等をなくすべく、戦つてゐたのであるが(その相手は北米合衆国であるが)、合衆国がお得意の「メディアによる情報操作(現在日本のマスゴミがひたすら純粋に見習つてゐるが)」、ラテンアメリカ地域への根回しなど、いかにして自分たちの手から離れたキューバに嫌がらせをするかの限りがよくわかる。

同時に、北米合衆国と言ふ国がどのやうな国なのかもよくわかる。(現在も、正義の味方や世界の警察を気取り中東に侵出してゐるが、裏にはキューバとラテンアメリカに対して行なつたことと同ぢことをしてゐるのであらう)

そんな国に「同盟」とか言ふ「欺瞞」のもとに金を出してゐる(国民の税金)日本の姿勢は見直されるべきものである、と思ふ。

ゲバラが「平等な世界を作りたい」として、カストロや同志とともにキューバに革命を起こし、革命政府として国民の生活を向上させるために行なつたことは、「主義」の見解から見れば社会主義とか共産主義に分類されるものであることに異論はない。

キューバの産物である、砂糖を合衆国の会社が経営・資本・機械等を握りキューバの「人民(労働力)」を使ひ得たものを、「利益」の形で合衆国に還元する。そこには、労働力の搾取は残るが、利益はキューバには残らない。

これを失くすべく、外国資本を法的に禁じほとんどの土地や施設を国有化した。そして、外国資本への利益の流出を止め、自国民に利益が還元できるやうにしたのである。
利益だけでなく、施設を国有化して国民に開放したため学校ができたり、労働者の社交の場が出来た。
学校ができたおかげで教育が出来るやうになつた。(識字率もボランティアが各地で活躍し、100%となつた)

なので
「社会主義」「共産主義」とか定義をする前に、入り込んでゐた「資本主義の企業による搾取」をなくすための手段としては、「国有化して国を守る」と言ふ手段しかなかつたのではないか
と思ふ。

当然、資本主義の企業とそこから利益を得てゐた国は面白くない。が、「自由と平等」等を掲げてゐるのであれば、大人しく撤退するとかすればよいのに、合衆国は「共産主義」等の馬鹿な言葉による枠組みを利用することにより、あらゆる手でキューバを潰しにかかるのである・・・・・ 

しかし、キューバ(ゲバラ)の凄いところは小国でありながらこの汚い大国(北の大国と表現してゐるが)に対し、主張を一歩も引かないところである。(合衆国の人間が出席してゐるところで)
かういふ姿勢は、日本の政治家に200%以上欠けてゐるものである。しかし、国民の税金で給金を得てゐるのなら、国のためにゲバラのやうに行動するのは当然のことである。

この「自然」なキューバの革命、そしてこの革命を他の国でも起こすべく他国へ立ったゲバラの行動は、単に「**主義」として片付けられるものではない。やたらと「**主義」とか「右翼」「左翼」などと定義付けする奴がゐるが、物事の真髄を見られない気の毒な人たちである。(定義付けすることで、はぐらかし「嘘」を続けやうとしてゐるのであらう)

現在の政党は嘘つき民族だから、どうせ本書を読んでも意味が理解できないだらう。しかし今後「正直に真剣に」国の仕事をしやうと考へる人は一読すべき書である。





最新の画像もっと見る