神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

文人墨客の愛した茶の世界

2016-08-30 | 麗香茶課
鎌倉時代に中国・宋から伝来した「抹茶」は為政者たちに受け入れられ、
武士のたしなみとして「茶の湯」へと発展しました。

一方「煎茶」は江戸時代の17世紀後半に来日した隠元禅師ら黄檗僧らによって伝えられ、
新しいスタイルの茶として地位を確立していきます。
時の権力者と結びついた「茶の湯」に対し、
「煎茶」はまず風雅清貧の茶として文人たちの間に広まります。
煎茶の祖とされる売茶翁の精神は文人趣味と呼応し、「煎茶道」へと進化しました。

中国では文化大革命により精神的な茶の世界が一度否定され、停滞しました。
現代の中国の茶人たちはそれを再構築するために
日本に受け継がれてきた「茶の湯」と「煎茶道」に注目し
積極的に学ぶ機会を作っています。

日本で中国茶を学ぶ私たちにとっても身近にある「茶の湯」「煎茶道」を知ることは大切ではないか、ということで
「麗香茶課」の8月の講座は「煎茶道」講習会を企画しました。

講師は日本礼道小笠原流の吉田草風先生にお願いし、
午前中は「文人墨客の愛した茶の世界」をテーマにご講義いただき、
午後は「おいしい煎茶と美しい所作」と題して嬉野茶の冷茶を立礼式のお点前で頂戴いたしました。

東京聴風琴社の高欲生さんとお弟子さんによる古琴の演奏もあり、風雅な空間での学びの一日でした。
最後は一日がかりの講座の緊張をほぐすという意味で
小笠原礼法による立ち方、座り方、お辞儀の仕方をご指導いただきました。
盛りだくさんの講座で参加者の皆様にも満足いただけたことと思います。

草風先生、社中の皆さまにこの場をお借りして御礼申し上げます。



※草風会茶会のご案内
 草風先生の喜寿祝いを兼ねた煎茶会が催されます。
 この機会に煎茶の茶会の雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。
 2016年10月9日(日)10:30~13:30
 東京国立博物館 応挙館にて
 お茶券 7,000円(おしのぎ付き)
 お問い合わせは中国茶倶楽部「春風秋月」の高欲生先生まで→http://www.e-moon.co.jp/ 

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« セブンカルチャークラブ亀有... | トップ | 千家十職の軌跡展 »

コメントを投稿

麗香茶課」カテゴリの最新記事