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ホームレスたちが打ち上げ花火を撃ち込まれる被害が相次ぐ

2010-09-14 | 気になったニュース


ホームレスたちが
打ち上げ花火を撃ち込まれる被害が相次ぐ


名古屋市昭和区の鶴舞公園で7月、野宿生活を送るホームレスたちが打ち上げ花火を
撃ち込まれる被害が相次ぎ、男性1人が首に1週間のやけどを負った。少年グループに
よる襲撃とみられる。ホームレスを狙った襲撃事件が各地で後を絶たない中、被害者の
男性は「放置すれば、どうエスカレートするか分からない」と、刑事処分を求めて愛知
県警に傷害の容疑などで告訴した。

 最初の事件が起きたのは7月12日午後10時すぎ。公園内の市公会堂の軒先で休んで
いた6人のホームレスの男性に、いきなり花火が撃ち込まれた。

 被害に遭った44歳の男性は、携帯電話ですぐ110番通報。さらに支援団体の知人に
連絡している間に、花火に右の首筋を直撃され、やけどした。男性は「飛んできたのはま
るで火の玉。目に入っていたら失明していたかもしれない」と憤る。59歳の男性もタオ
ルケットが焦げた。

 花火は20~30メートル先の暗がりから男性らに向けられた。確認できたのは、
自転車に乗った数人の人影だけ。連発の打ち上げ花火を手に持ったまま、10分間ほど
無言で水平に撃ち込んできた。

 2日後の14日午後9時すぎ、再び、襲われた。遠くで花火遊びをしていたグループの
うち3、4人の若い男が近づいてきた。花火を向けられた男性らが逃げまどうと、若い男
らは笑い声を上げながら追いかけてきた。

 たまりかねた男性たちが、逆に若い男の1人を取り押さえ、通報で駆けつけた警察官に
引き渡した。昭和署によると、中学生のグループで、取り押さえられた少年の親が現場に
来て謝罪したため事件化をいったん見送ったが、被害者の男性が今月になって提出した
告訴状を受理し、「粛々と捜査を進める」と話す。

 支援団体によると、現場周辺では7月以降、鉄パイプで脅されたり、石を投げつけ
られたりしたという情報も寄せられているという。

ホームレスを狙った事件は全国で頻発する。愛知県岡崎市の河川敷では2006年、
69歳の女性が殴り殺され、強盗殺人罪などで有罪判決を受けた主犯格の男とともに、
中学生3人が強盗致死の非行事実で初等少年院に送致された。東京都内で起きた連続襲撃
事件では昨年、30代の男が殺人などの疑いで逮捕され、江戸川区で昨年あった別の襲撃
事件では中学生が傷害などの疑いで逮捕された。神戸市ではホームレスに花火を発射して
やけどを負わせたとして高校生3人が傷害容疑で今月、逮捕された。

 ホームレス支援団体「笹島診療所」の藤井克彦さんは「背景には、野宿者は怠け者、
存在価値がないなどといった根強い社会的偏見がある」と指摘する。

 やけどを負った44歳の男性は「一体、どんな気持ちでやったのか、直接聞けない以上、
警察にきちんと捜査してもらうしかない。いたずら心でやったとしても、高じれば危険だ。
このままでは弱い人が狙われ続ける」と話す。
                             (朝日新聞)


学校で、家庭で、
暴力について語るべきだと思うんです。
誰かにふるっていい暴力なんてものが、存在するはずがない。
そのことをおさえていれば、
こんな事件が起こるはずがないじゃないですか。

個人的なうらみや悔しさが理由としてあるのなら、
ふるってはいけない暴力ではあっても、
まだ合点が行くけれど、
まったく接点のない人間に、
暴力をふるってもいいと誰が教えたんでしょう?
ホームレスが怠け者だと、
アナクロもいいところの認識を、
なんで生まれて十数年の少年少女が持つのでしょう?
ちょっと想像力を駆使して、
大人が未熟な少年少女に教えてやったならば、
われわれは路上に追い立てられるような、
誰もがぎりぎりの生活をしているんだと、
運が悪いだけのひともたくさんいるんだと、
路上で生活をせざるを得ないひとびとが
我々の社会の仲間なんだとわかるはずじゃないですか?

いや、身近にはこんな愚かな少年少女、いないかもしれませんね。
どこで、誰に訴えたらいいんだろうと思います。
学校では路上生活者のひとのことを論じたりしないのかな。
路上生活者にむけられた暴力は、
やがて、無力な役に立たない(と彼らの言う)存在から、
動物へ、子どもへ、老人へ、
そして女性へ・・・エスカレートするに決まっているのに・・・。






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4 コメント

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Unknown (momoco)
2010-09-14 01:04:25
こんばんは。

人として最低なこと、と犯人達に言いたいですが、
そんな言葉では納得しないのでしょうね。
上に刃向かう根性があるならまだしも
なんて情けない…。

ホームレスへの連続襲撃事件は近所で起きたことがあるのですが、
やはり近所中が、他人事ではない!というぴりぴりした雰囲気でした。

世の中は甘くない、と思い知り心から悔い改めてほしいですが、
被害者の方の心の傷はそんなことでは癒されないでしょうね。
他人から向けられる敵意って(無邪気を装っているかもしれませんが)本当にショックなもの。
支援者の方がいらしてくれて本当によかった。
そして、こんな時こそ頼りになる警察でいてほしいです。
Unknown (まろうさぎ)
2010-09-14 08:45:05
言葉が出てきません。被害者の方々にどんな不運があって、今ホームレスという状態でいるのか、知りもしないで、バカにしてイタズラ(というレベルじゃないですね。間違いなく傷害罪です)するなんて!!

世の中の不寛容をまざまざと見る思いです。世の中の歪みは子供たちに影響します。この子たち、自分たちがどんなにヒドいことをしたのか、ちゃんと心の底から理解してくれるといいんですが……。
momocoさんへ ()
2010-09-15 10:52:41
こんにちは、momocoさん。

自分から世の中の枠外と思しきところへ身を置かれた路上生活者も
いらっしゃるでしょうけれど、
それはごくわずか。
大部分のかたは追いやられた、あるいは追い詰められた方なのであって、
社会性を断ち切ろうなんて思われていないとおもうのです。
なのに、役立たずとか、なまけものという目を子供が持つ、というのは
社会の縮図なんだろうか、と悲しくなります。

>支援者の方がいらしてくれて本当によかった。

ビッグイシューの支援も、単なる自立支援だけでなく、
市民との交流、芸術・スポーツの取り組みなどと次のステップに
突入しているようです。
中学校高校でも交流の取り組みがなされつつあるといいます。
先見的な、そして他者との共生の教育を、学校で家庭で取り組んでほしいですね。
まろうさぎさんへ ()
2010-09-15 10:59:12
こんにちは、まろうさぎさん。

ホームレスだからやってもいい、動物だからやってもいい、
などという、身勝手な理屈で襲撃する子供たちは
いつから現れたのかと思います。
教育現場でも警察でもいろいろ議論や調査を重ねてこられたでしょうけれど、
対応が甘いのではないかと思います。
その病巣は深刻ととらえるべきでしょう。
神戸の事件で、「なぜひとを殺してはいけないのか」などと高校生がテレビで
聞いていたり、
○美里さんという小説家は高校生といっしょになって、
灰谷健次郎さんにかみついていました、
唖然としました。
こういうことは家庭で、学校で、何よりも重要なこととして、
話し合うべきですよね。
話し合うと想像力も駆使されますよね。
痛みを感じるひとたちのこと。
自分だけがかわいいと思っている身勝手な姿勢とか。

>自分たちがどんなにヒドいことをしたのか、ちゃんと心の底から理解してくれるといいんですが……。

本当にそうです。
誰が目を覚まさせてやれるのか、と思いますが。

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