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「片想い」東野圭吾 感想

2017-07-16 | 小説・漫画他

2001年の作品。「白夜行」の後に発表されていたらしいのですが、今まで意識した事が何故か無くて、読んでいませんでした。
今回WOWWOWでドラマ化するという広告を見かけていて、最近東野さんの本を読んでいなかったし、たまたま図書館にあったので、読んでみようかな?と思いました。

さて、本作は「性同一性障害」についての内容でした。
面白かったのですが、ちょっと色々詰め込み過ぎだったかなあ・・・という気も・・・。3つ★
でも、さすが東野さん、ぐいぐい引き込まれて先が気になり一気読みさせられたし、難しい言葉を使わず、読みやすい文章でした。

内容はというと、大学時代アメリカンフットボールの仲間だったメンバー、今それぞれ色々な職業に就き、家庭を持ったり・・。一年に一回飲み会をして昔話をしたりしていました。
当時2人の女子がマネージャーでした。理沙子は主人公哲郎(QB)の妻になっており、もう一人の美月は、なんと男になっていた!!
美月は幼い頃から頭の中は男の事が多く、違和感を感じていて、大学卒業後、男として生きており、バーで働いていた。
そこで一緒に働いていた綺麗な女性カオリがストーカーで悩んでいるのを助けようとしていたのだけれど、そのストーカーの戸倉をすったもんだの末に殺してしまった、と言うのだった。

学生時代、美月と哲郎は一度だけ関係を持った事がある。美月の憧れの存在(こんな風な男性に生まれたかった)が哲郎だった。
しかし、美月が好きだったのは、理沙子だった。ややこやしい。

★以下ネタバレ★
美月と大学時代に交際していた中尾、実は彼の母親は男だった、という衝撃の過去を持っていたのだった。母が、実は頭の中は男であることを隠していた事への衝撃、その事がきっかけで、中尾はぱっと見解らないような性変換?した人をも見抜く力を備えるようになった。
彼は玉の輿に乗って、それなりに幸せに暮らしていたのだが、最近離婚した。その理由というのも、今回の事件がきっかけになっていて、また、彼は末期がんだった。彼はストーカー男に強姦されそうになっていた美月を助け、もみあっているうちに、ストーカー男を殺してしまったのだった。彼は、戸籍入れ替わりにもかかわっていました。
そして、被害者(ストーカー男)の家族は、殺したであろう人間の予測がついたが、警察には話さず、中尾をゆすっていた。
また、重要なキーになるのが、入れ替わり(交換して双方が助かる組み合わせの、男が女に、女が男に)。
ラストは、もう先が無い中尾が自殺(中尾ではなく、違う人間になりすましたまま。判別できないように顔などに損傷を与えて)
以上

途中に出てくる、ランナーの末永睦美の「男とか女とか、そういうジャンル分けをせずに生きる」ということ、については、良いな、そういう風に考えられるようになるのがベストかもしれないな、って思いました。

あと、美月が結婚していた相手の男性が、男子校出身で女性が苦手だったが、美月とは何故か一緒にいて気が楽で・・・と言うんですよね。
美月は書置きを残して、出てってしまったけれど、息子が一人いるのですよ・・・。この後の事を考えると、気の毒だな・・・。

あとね、哲郎夫婦が、結構お互い冷めているものの、なんとかギリギリ離婚せずにいる状態なのよね・・・。
むしろ離婚しないでいるのは、なぜだろう?って思っちゃうのだけれど・・。
妻が妊娠してしまえばいい・・・と思って、避妊をわざとせず、期待通りに妊娠したものの、妻は勝手に一人で子供をおろしてきた・・・って展開には、絶句。 この夫の身勝手な行動には呆れちゃったな。勝手に一人で決断した妻も妻だけど・・・。

ドラマでは美月を中谷美紀さんが、哲郎を桐谷健太。合ってる! 理沙子は国仲涼子、その他、大谷亮平、鈴木浩介が出演するそうです。
中谷さんといえば、むかーし、ドラマ「永遠の仔」で、難しい役を演じていたのをふと思い出しました。

「片想い」東野圭吾(2001年)
内容 旧友美月と再会した哲郎は、彼女が性同一障害で現在は男として暮らしていると告白される。美月は他にも大きな秘密を抱えていた


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