魔女っ子くろちゃんの映画鑑賞記録

映画大好き!わがまま管理人の私的な映画鑑賞記録です。名作・凡作関係なく、好き好き度★★★★★が最高。

リンダリンダリンダ

2006年07月22日 | その他の日本映画
★★★★☆
監督:山下敦宏
主演:ペ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇
2005年 日本

 芝崎高校文化祭前夜。響子は必死で恵を探していた。高校三年最後の文化祭に、恵・響子・望・萌・凛子でバンドをやるはずだったのに、ギターの萌が骨折し、恵と凛子が仲違いをし、バンドは空中分解寸前だった。
 やけになってやる気をなくしていた恵だったが、なんとか気を取り直して、3人で曲目を部室で選んでいた。部室にあったテープのストックから、ブルー・ハーツの「リンダ・リンダ・リンダ」を見つけた3人は異様に盛り上がる。
 演目はきまったものの、ギターの萌の代わりを恵が引き受けることに。しかし最大のネックはヴォーカルがいないことだった。恵と凛子は意地を張り通し、仲直りできない。そんな時白羽の矢があたったのは、偶然そこに居合わせた韓国人留学生のソン。そして無謀にもソンはヴォーカルを引き受け、なんとも不安だらけの中、4人は本番まで短い時間で練習に励む。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 比べてはなんですが、同じ高校の音楽系ということで比較されがちな「スイング・ガールズ」よりもこちらの方が好きだ。「スイング~」の方が大衆受けしそうな作風だが、「リンダ~」の乾いた一見そっけなさが心地良い。

 あまりなじみのない俳優陣かと思いきや、美人の恵こと香椎由宇は「ローレライ」に出ているし、とっぽいソンことペ・ドゥナも「チューブ」に主演している韓国女優。彼女らが演じる少ししらけて辛辣で、それでいて情熱的で、男には分からない話題で盛り上がって・・・そんな女子高生な時代が私にもあった。子供でもなく大人でもない唯一無二の3年間。小さな世界で精一杯悩み、どんなわがままも許される特別な時期だ。
 「スイング~」はひたすら明るいが、いかにもドラマだった。「リンダ~」には女子高生時代の空気が流れていた。その差は大きい。

 決してうまいとは言えないソンのボーカルが、ヘタなりにパワーを持ってラスト花開く。直前の、癒し系な萌の歌声が対照的である。
 孤独だったソンが、劇的ではないが徐々にかけがえのないメンバーとして人間関係を築いていく姿が、男子生徒からの告白シーンで伺える。好奇心もあるだろうが、メンバーの一大事をみんな見守っていた。その告白をひょうひょうと、しかし正直に「嫌いではないけど、好きじゃない」と返すソンがとてもいい。

4 コメント

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そうそう (ヤン)
2006-08-17 14:24:58
私も、どちらかといえば、僅差で「リンダ~」の方が好きです。「スイング~」も好きなんですけどね。

 「スイング~」は、起承転結がはっきりとした、障害が発生すると努力(と、なりゆきで)解決する映画って感じでしたね。ただ、あくまでスポコンのノリじゃなく、みんな楽しそうにしているところが今風なんでしょうか。

 それに比べると、「リンダ~」は、文化祭や女子高生の雰囲気を丁寧に描いている映画ですね。なんかいきあたりばったりで写しているように見えて、ちゃんと考えて創ってるようにも思えます。最後までケンカした二人が再びメンバーに戻ってくるとか、片思いの彼に告白できたとか、そんな、なにかが解決したような場面は見れませんでしたが、なんかそれがとてもよかったです。



それじゃ、また。
ブルーハーツの (くりりん)
2006-08-18 20:50:25
「リンダリンダリンダ」は初めて見ると本当にびっくりしますよ~。少なくても当時は・・強烈でした。



 そうですね、恋愛は映画では成就しないし、仲直りもすんなりはいかないし、そんなところが好感が持てますね。現実は映画のようにはいかないものです。



 ペ・ドゥナは20代中盤だったんですか。高校生役、全く問題なかったです。
好き! (まめ)
2006-10-30 23:05:41
何もかもがかわいくて懐かしくて!

すっごく好きな映画です(^○^)

ソンちゃんの返しや、間がなんともいいですね~

スウィングガールズは、狙っての笑いだけど

リンダリンダリンダは、狙ってなさそだけど笑えちゃう

って感じかな~

好きな空気です♪

「嫌いじゃないけど・・・好きじゃない」

絶妙な間も含めて、ナイス台詞!(笑)
ソンちゃんは (くりりん)
2006-10-31 17:55:48
韓国では結構有名な女優さんのようです。
この間公開された「グエムル/漢江の怪物」にも出てました。
やはりちょっとコミカルでしたが、なかなかの美人さんです。

そうそう、今にして思うと「スウィング~」は狙っての笑い、プロっぽい。こちらは一件アマチュアっぽい作り。好きずきなんでしょうが、私はこっちの方が断然好きです!