これって慢性疲労症候群?

無意識に有意義な生活を営んでいた頃に戻りたい願望から、色々な情報や励まし、出会いを期待して、私の今の不満や葛藤を綴る。

本当に鬱病?

2007-09-18 | Weblog
 2005年に通い始めた精神科医は、以前はハウスドクターとして働いていたようだが、年齢から、今は一人で自宅で患者と話しをする、いわゆるセラピスト。でも医師でもあるので、彼が処方箋を出す。
 私の語学が少しは上達したからか、彼はそれなりに、私の身体の不調を聞き入れてくれ、色々なビタミン剤を処方したり、彼の疑う部分の診断を受けるよう、内科や、婦人科、甲状腺の専門医等に紹介状を出してくれた。甲状腺の事で再検査に至ったりもしたが、やはりとりあえず「問題ない」とのことだった。

 でも実際、身体の不調、胃の不快感はなかなか消えず、救われない気も高まった。そんな気持ちも勿論話したからか、いつしか「強い鬱がある」と言われるように。この言葉にはものすごく抵抗があったが、日本の雑誌で読んだことのあった言葉「仮面うつ病」と言うものに当てはまるのかと、うつ病についての本を買って読んだりした。
 当時、家にはパソコンはあったがアナログ回線の為、気軽にインターネットを覗ける環境になく、仕方なくまたドイツ語の書物を読解しなければいけなかった。
 確かに、パニック障害についての本にも、長期にわたるパニック障害患者の約半数は、うつ病の併発があると読んだ事があり、認めざるを得ないのかなと更に落ち込んだ。

 「こんな事は、誰にも言えない」 「私って社会の一員として生きる価値がない?」・・・そんな思いが更に強まり、家族や友人に近況報告するのが益々億劫になった。「お元気ですか?こちらはとりあえず元気です」の2文の先が本当に見つからず、書き始めた手紙やEメールを結局消して、どんどん友人との交流も薄くなった。
 でも、「笑顔をなくしたらおしまい」と思い、なるべく普通に振舞うようにしたつもりなので、私の事をうつ病患者と気付いた人はいないのではないかと思う。

 そんな中、やはり相変わらずか弱な体質改善が私の一番の課題であった。
食欲向上には、自分が食べたいものを作る(=ほとんど外食できない)、無理しすぎないよう休息をとる工夫を考え、睡眠時間を増やすことに。夫のお弁当も作らないどころか、朝食の仕度もせず、悪いなと自分を責める反面、10時間ぐらい寝て、その分、午後の調子がだいぶ良くなるリズムを覚えた。
 勿論だからこそ、出来る時は身体を動かす精神を忘れず実行し、波がありながらも、また元気に振舞える事も増えた。

 そうして、少し自信が付き、また薬をやめる相談をセラピストとするのだが、結局、減薬するとまた不調が続き、元の量に増やすと落ち着く、という事を何度か繰り返し、このままずっと飲み続けるべき、と言うのが彼の考えだった。SSRI系の薬の中でも、更にまた新しく、副作用等の危険性も少ないと注目されているもの(Cipralex/有効成分Escitalopramoxalat →日本ではレクサプロにあたるかな)を選りすぐんではくれたが、「一生飲んでも構わないではないか」には納得いかず、うつ病診断の不満等からも、3年経ってセラピストを替える事にした。
 自分に合うセラピストを見つけるのは、結構みな難しいようで、私も、決して好運があるとは言えない。
次回は、その点の苦労話を書いてみます。

断薬、食欲減退、・・・そして再発?

2007-09-02 | Weblog
 断薬して約半年後、時々食欲が無い事に気になることがあった。季節柄、暑い日が増えた事も多いかと思うが、買い物で食料品を探す時に、お肉とかを見るだけで調子が悪いのがよくわかる。体力維持のために、買い物は滅多な事が無い限り自転車で行くようにしていたが、それが本当に辛く感じる事が増えた。
気にしないようにしていたが、なにか精神的な疲れが関与していたような気もする。
 夫が出張へ出掛けた日、珍しく一人で夕飯を食べ始めた途端、食事が喉を通りづらくて、自分でもなんだか驚き、訳のわからない不安に襲われた。空腹で、あわてて炊事して、さあ、と食べ始めたのに、飲み込むのを身体が拒否してる感じ。気になるけど気にしないようにテレビを見ながら食べ続けたが、少量しか無理だった。数日して夫が帰宅したら、安心したようで元に戻り、私って依存症?と思った。

 当時、家から約5時間でパリに直通する新幹線の格安券を買った。ちょうどパリにいる、夫の知り合いに会う約束をしたのもあり、既に一度行った私も是非また行きたかったので、出発した。
 体調を崩して以来、朝早いのは苦手で、この日も、気合を入れて起きることは出来ても、身体が明かに辛かった。出発10分後くらいに、既にバスで酔った感じ。新幹線に乗り込んでからは、とにかく寝る体制に入った。
 朝食をとらずに、サンドウィッチを作って出発したので、途中、落ち着いてから食べてみたが、この時もまた喉を通らなかった。もう乗り物酔いの感じは無かったのに。とりあえず何もしないで座ってれば良いのだからと、気にせず、深くは無いがうとうと眠り続け、パリに到着して、逆に、立ち上がって電車を降りるのが少し憂鬱なほどだった。
 食べないから体力が無い、体力が無いから食べる元気が無い、という悪循環に襲われ、結局3泊4日の旅行中、殆どまともに食事が出来なかった。時々、おにぎりや中華系の馴染みのあるもので食がすすむ事もあったが、ジュースの酸味でさえ、胃が受け付けてない感じで、とにかくこんな経験は初めてだった。
 その上、結局夫の知り合い達と顔を会わせながらという機会が多かったのも、どことなく精神的にストレスはあったとは思う。日本人同士で言葉の問題もなく、楽しく会話させてもらったけれど。

 帰宅して胃薬を飲んだりしても、殆ど状況が変らず、あまり気にしたくないと思う反面、自分が精神的に何かおかしいのだろうと不安に思い、とにかく医者に行く決心をした。まず近くのハウスドクターに行きたかったが、ちょうどその医者の休み期間で、代理医は、バスに乗っていかないといけない所になっていたので、体調の悪い私には、それは避けたく、電話帳で、すぐ近くの精神科医を見つけて行ってみた。

 そして状況を話して、結局、不安神経症の再発みたいな疑いから、薬を飲むようになった。以前の薬より新しく開発されたSSRI系の薬。有効成分Paroxetinの物で、日本ではパキシルに相当するのだろう。
 1週間くらいかかったが、少し食欲が出るようになり、こうしてとりあえず悪循環を脱出する方向に向かった感じになった。

 自分が精神的に問題を持っているなんて、認めたくないが、やはり薬が効いていると実感すると、認めざるを得ない。でも、まさに今、冷静に考えると、体力的に無理があるとまず休息が必要で、個人的レベルがあっても無理が続けば、精神的にマイるのは当然のことではないかと思う。
もともと、些細な事でも緊張しやすいタイプなので、体力が無い事を感じながら、笑顔を振りまくのは無理をしてないつもりでも、ストレスになっているよう。気にせず、のんびりボケッとしてれば良かっただけなのかも。それが難しい真面目な性格が関与しているのも自分で認められる。
 実際、人前でフルート演奏する機会がそれなりにあるが、当日は、朝からあまり食欲がないこともある。
空腹感はあっても、緊張があると食べられない経験は、多かれ少なかれ、ある人は多いと思う。
気にしないように努めてる事実が、すでにどこか緊張感を持っている証拠ですね。

 話がそれた。悪循環から抜けて、また少しづつ、生活を活発にするよう努力する。
そして勿論、また減薬への工程があるのだが、それは、次回に書くことにする。

 しかしこの「断薬(減薬)」、「再発」、「悪循環」、身をもって体験した私には、短い言葉でも、ものすごい体験記が蘇る。きっと他の体験者もそうだと思う。だけどその中で、この「悪循環」と言う言葉は、ドイツ語ではTeufelskreis、直訳すると「悪魔の輪」。テレビの歯磨き粉の宣伝等で見る、虫歯を作る「バイ菌君」達がわっかを作って回っている姿を想像してしまう。そうやって少しは笑顔を取り戻すようにしている。

 体験者や専門家に読んでもらえる事を願って書いているので、専門用語を詳しく書くのを省略しているが、いつかわかり易くまとめられればと思う。