読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

駆けこみ交番 乃南アサ 新潮文庫

2007-09-19 22:24:21 | 読んだ
小説新潮で掲載された4つの連作である。

主人公は、アノ「高木聖大」巡査である。デビューは「ボクの町」(新潮文庫)である。

乃南アサの小説は、この高木聖大のシリーズと、あの女刑事・音道貴子シリーズが中心の私である。いずれも警察小説というところがおもしろい。

さて、今回の高木巡査は、等々力警察署の不動前交番に勤務し、殺人事件などにはかかわらないものの、人の哀しさや寂しさあるいはやさしさ醜さや美しさが絡んだ事件のような事件でないようなものに遭遇し、いやいやながらもいざとなれば真面目にそして真剣にまっすぐ取組んでいる。

この、いかにもちゃらんぽらんな物事を深く考えない青年が、社会というか人に対してまっすぐにぶつかっていくところに好感を持ってしまう。

好感を持ってしまうのは、我々読者でだけではなく、不動前交番を訪れる神谷文恵さんという70を越えた品のよい女性とその仲間の「とどろきセブン」の人たちもである。

聖大は、この「とどろきセブン」の力を借りたり、後押しをされたりして、事件に向かっていく。そして徐々に警官らしくなり、なんといっても大人になっていく、それもいい大人になっていくのである。

嫌だなあ、と思っても、人と触れ合うときには素直になっているところが聖大のよいところであり、いい大人になっていけるゆえんである。

連作であるので、前編を通じたナゾみたいになっているものも最終話で一応解決をしている。

さて、解説にもあったように高木聖大は、小説新潮で連作された「いつか陽のあたる場所で」という前科を持つ女二人が主人公の小説にも登場した。
その後、何の音沙汰もないのだが、今度はこの二人との絡みあるのか期待大であり、どのように成長していくのか見守りたいのである。ぜひ、続きを早々に開始してもらいたいなどと思っている。
プラスして、音道貴子ともすれ違ってみてほしい。

などと、読者側の妄想は尽きないのである。

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