読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

隕石誘拐<宮沢賢治の迷宮> 鯨統一郎 光文社文庫

2007-09-09 21:46:30 | 読んだ
本書は、鯨統一郎のデビュー作である「邪馬台国はどこですか?」に続く第2作だということで、解説を読むと、相当『力』を入れて書かれた作品だそうである。

ここ数年、鯨統一郎はマイブームであって、何か読むものに困ったら鯨統一郎を探すことにしている。
ということで、ずいぶん読んできたと思っていたのだが、光文社文庫系が未踏破だったりしている。

本書は光文社文庫の第1弾である。
今後は光文社文庫の棚にもよく目を凝らすことにしよう。
とはいえ、わが町の本屋さんでは光文社文庫が充実しているとはあまりいいがたい状況なのである。

さて、この「隕石誘拐」であるが、サブタイトルにもあるように『宮沢賢治』が事件の<核>となっている。

申し訳ないのだが私は隣の県に住みながら『宮沢賢治』と『石川啄木」はあまり興味がない。
どちらも「暗い」というイメージと「わがまま」という印象があるからである。

ゆえに、この小説を読んでも宮沢賢治のことがよくわからないので面白くないのではないか?といわば懐疑的であった。

しかし、それは杞憂だった。
なかなかに面白い。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」にダイヤモンド隠し場所が示されている。
というのが物語の核であり。

そのことによって「誘拐」事件が起きるのだが・・・

鯨統一郎のいわば「軽いタッチ」のものを中心に読んできた私には、ちょっと意外な「重い」というか「残酷」(肉体的ではなく心情的に)とも思える場面があり、戸惑ったのであるが、後半は一気に読んでしまった。

また困ったときには鯨統一郎を読もうと思ったのである。

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