北海道に流氷が到来するそうですが、川から来るのですか?
流氷はオホーツク海の水が凍ったものです。海流や風によって南下し、網走や紋別などの沿岸までやって来ます。海上を流れ漂う氷なので流氷というのです。
日本海や太平洋だって寒いけど、何でオホーツク海だけ凍るのですか?
オホーツク海は凍りやすい条件が整っているのです。流氷が生まれるロシア沿岸は、真冬に大陸から北西風が絶えず吹きつけ、氷点下40度以下になる極寒の地なのです。さらに、オホーツク海にはアムール川という大河から大量の真水が流れ込み、海面から深さ50メートルまで塩分の薄い層ができるのです。濃度が高い下の層とは混ざりにくいため対流が50メートル以内にとどまり、数百~数千メートルの深さまで対流が起きるほかの海に比べて冷えやすいのです。
流氷で船が出せないから漁業には不利でしょうね。
実はそうでもないのです。流氷には植物プランクトンがくっついていて、氷とともに日本にやって来るのです。春になると増殖し、氷がとけて海中に広がると、それを餌にする動物プランクトンが増え、小魚なども集まるのです。流氷が海の生き物を支え、一帯が好漁場になるのです。
流氷の多さは年ごとに違うのですか?
冬の寒さや風などの気象条件によって年ごとに変動しています。でも長期的に見ると、流氷がピークに達したときの面積はどんどん小さくなっています。
地球温暖化の影響ですか?
それも一因と言われ、北極でも同じような傾向が目立ちます。北極の場合は真夏でも広い海域で海氷がとけずに残るのです。1980年夏の氷の面積は約790万平方キロメートルだったのが、2012年は約340万平方キロメートルと半分以下で、観測史上最小になってしまいました。
参考文献:読売新聞