高潮の起こる仕組み
台風などでフィリピンなどで大きな被害が出たそうですね。
とくに高潮で多くの人が亡くなりました。
高潮って何ですか?
台風や発達した低気圧の影響で、海面が異常に高くなる現象のことです。
海面が高くなるだけで、大きな被害になるのですか?
じわじわと海面が上がって浸水被害を引き起こす様子を想像するするでしょうが、そういうケースのほか津波のように一気に押し寄せて、家屋を流してしまうこともあります。フィリピンの場合も、そういう被害だったと考えられています。
高潮はどのようにして起きるのですか?
主な原因は二つです。ひとつは低気圧による「吸い上げ効果」で、気圧が下がると大気が海面を押す力が弱くなるから、海面が上がるのです。気圧が1ヘクト・パスカル低くなると海面が1センチ高くなります。フィリピンを襲った台風の中心気圧は、普段より100ヘクト・パスカル以上も低かったのです。吸い上げ効果だけで海面が1メートル以上も上がったと考えられています。
もう一つの原因は?
強い風が海岸に向かって吹くと、海水が海岸に集まります。これは「吹き寄せ効果」といい、湾の奥に風が向かうと、海水の逃げ場がなくなって特に高くなりやすいので注意が必要です。
日本でも高潮の被害はあるのですか?
1959年の伊勢湾台風では5000人以上が亡くなりました。約7割は高潮が原因といわれています。
潮の満ち干きは影響するのですか?
高潮が満潮と重なると被害が大きくなりやすく、特に満月や新月の頃は「大潮」と呼ばれて、潮の干満の差が最大になります。この時期は特に警戒した方がいいですね。
参考文献:読売新聞