玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

小泉さんと岡田さん

2005年09月01日 | 政治・外交
圏外からのひとこと経由で知ったこちらのコラムが面白い。

■ 太田述正コラム:岡田民主党破れたり
結論から先に言えば、岡田さんは参謀としてしか使い物にならない人物であるのに対し、小泉さんは指揮官としてしか使い物にならない人物であるところ、そんな岡田さんが民主党の指揮官になったことが、必然的に民主党の敗北をもたらしたのです。

小泉さんが「指揮官としてしか使い者にならない人物」というのは言いえて妙。
とはいえ、森内閣時代は兄貴分である森氏の用心棒として孤高の剣客ぶり(「加藤の乱」潰し)を見せていたわけで、小泉さんを使いこなす器量のあるリーダーであればしっかりと働く人だろうと思う。橋本氏は政策面で必ずしも一致しない小泉を使おうとしてうまく使えなかったような印象がある。奔馬を乗りこなせる名騎手はそうそういるものではない。
この選挙でもし小泉自民党が大勝するようなら、小泉さんは単に将才があるというよりも「将に将たる大器量」を見せ付けることになるだろう。誰もが勝ち目がないと思った解散を強行し、執行部をほぼ完全に統制し(八代公認騒ぎなどもあったが結局自分の意志を通した)、党内実力者たちにも勝手な動きをさせていない。どうしても言う事を聞かない連中は巧みに追い出してさらに対立候補を立てる。
かつての派閥連立政権的な自民党をよしとする人たちからすれば悪夢のような状況だろうが、無党派有権者の多くは「古い自民党を変えた(あるいはぶっ壊した)」小泉の手法を好感しているようだ。大きな改革は「政策うやむや、みんな仲良し自民党」では不可能だと多くの国民は理解している。
念のために付言しておくが、以上の文章は「小泉の政策は正しい」ということを主張しているわけではない。「自軍を統制し戦い方を知っている将軍は強い」というだけのことである。

岡田さんは「参謀としてしか使い物にならない人物」と言われてしまっている。
私としては参謀よりも兵站業務を任せたい。実家は流通大手のイオン(ジャスコ)だし。それは半分冗談としても、決められた仕事をきっちりこなす能力は小泉さんよりも高いだろう。トップが「こういう政策を準備するように」と命じればちゃんとそれに応えてくれそうだ。
それにしても、ここ数日のあいだTVに映る岡田さんの姿は、すでに彼自身の能力の限界を見せてしまっているように思える。野党党首という総理と比べて責任の軽い立場にありながらまるで余力のなさそうな必死の姿。岡田氏が「政権交代」を訴えれば訴えるほどかえって小泉を利しているようにさえ思える。「一生懸命」なのはいいが「いっぱいいっぱい」の姿を見てしまうと有権者は安心して政権を任せられない。首相になれば渡り合うことになるブッシュや胡錦涛、金正日にプーチンといった面々は小泉よりもさらに容赦なく攻めてくるのだから。かろうじて岡田氏と同レベルなのは盧武鉉くらいか。
岡田氏、あるいは民主党のイメージ戦略担当者は残念ながらそのあたりの見極めが甘いようだ。彼らのセンスの悪さはテレビCMやポスターにも如実に現れている。

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