この間、19世紀ヨーロッパの歴史を書いた本を読んだ。
当時の労働者の悲惨な暮らしに戦慄した。
長い年月をかけて獲得した労働者の権利は労働者自身によって守られなければならない。
赤の女王の言うように「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない」のである。
中日新聞 「茶髪は解雇」覆す フリーター泣き寝入りしない:社会
しっかりした自分の考えを持ち、不当な脅しに屈しない彼女は実に立派だ。
はっきり言って新しい店長が無能すぎる。
マニュアルを守ろうとすること自体は悪くないが、説得能力が低いのは問題だ。やる気のある従業員と不必要なトラブルを起こし、解雇をちらつかせてパワーハラスメントし、会社とユニオンの交渉では「(店長の言葉などに)解雇の意味はなかった」と自分の言葉を否定され、まったく何をやってるのかわからない。
そもそも今どきファミレスのウェイトレスに黒髪を要求すること自体くだらない。
高級レストランならともかく客単価1000円程度の店で何を気取っているのか。馬鹿馬鹿しい。
ファミレスでウェイトレスの髪の色をじろじろ観察する客なんているのか。メイド喫茶と間違えてるのか、それとも小姑根性の持ち主か。まあ世の中は広いからそんな客がいないこともないだろうが、まったくどうかしている。
私にとってはウェイトレスが茶髪かどうかなんて些細なことだ。「料理の味・値段」「皿の上げ下げがモタモタしてないか」「コップが汚れてないか」「不快でない敬語が使えるか」といったことのほうがずっと気になる。愛想良くテキパキ働いてくれたら茶髪でも金髪でも大歓迎だし、まともなサービスができなければ黒髪の美少女でも困る。
このあいだ行ったファミレスでウェイトレスの髪が何色だったかいくら考えても思い出せない。まったく意識していないのだろう。キャバクラに行ったわけじゃなし、ウェイトレスが茶髪だろうと黒髪だろうとどうでもいい。
ところが、なぜか多くの2ちゃんねらーが福家さんを批判している。
痛いニュース(ノ∀`):「髪の色で否定、納得できない」 16歳“茶髪”少女、バイト先でクビ通告→個人で労組に入り、クビ撤回させる
茶髪嫌いは個人の好みで勝手だが、いや正直言って私も黒髪のほうが好きだが、「茶髪の是非」と「労働者が恣意的に解雇されない権利」とは比べ物にならない。もちろん後者のほうがずっと重い。
会社が従業員の茶髪を許しがたい非とするのなら、これまで一年間それを黙認してきた前店長(会社)の責任も認めなければならない。すべてを従業員個人のせいにするのは卑怯だ。
現実にはなかなかそうは行かないが、本来会社と従業員(アルバイト)の間は契約を結んだものとして対等である。従業員が契約違反すればペナルティを受けるし、会社が理不尽な命令を下せば従業員が抵抗するのは当然の権利だ。
今回の場合、店長が「黒髪にしないと解雇する」と脅し、福家さんが「それでは納得できない」と反論し、会社が「解雇する理由はない」と認めた。フェアな交渉であり、両者とも遺恨を残す必要はない(なかなか難しいかもしれないが)。問題の大部分は従業員規則を適切に制定・運用してこなかった会社と説得能力が低くマニュアルに固執した新店長にある。福家さんだけをわがままだとか身勝手とか批判するのは筋違いだ。
「上司の言うことにはとにかく従え」という輩もいるが、なんという俗論かと呆れる。労働者としての誇りを失うな。理不尽には抵抗しろ。それをあざ笑うのは自らを「労働者」ではなく「奴隷」に貶めることだ。
* 追 記 *
関連リンク
NC-15 - これぐらいの茶髪だったら許容範囲じゃね?
がぶり寄り: メーデーの夜
アンカテ(Uncategorizable Blog) - この国で政権が取れない左翼政党って何?
当時の労働者の悲惨な暮らしに戦慄した。
長い年月をかけて獲得した労働者の権利は労働者自身によって守られなければならない。
赤の女王の言うように「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない」のである。
中日新聞 「茶髪は解雇」覆す フリーター泣き寝入りしない:社会
「茶髪」を理由にアルバイト先から解雇されそうになった16歳の少女が立ち上がった。東京都内に住む福家(ふくや)菜津美さん。フリーターらの労働組合「首都圏青年ユニオン」に加わって団体交渉に臨み、会社側の姿勢をただした結果、雇用継続を勝ち取った。「自分と同じような目に遭った人のためにも言わなくちゃって、がんばった」。少女の笑顔は、不当解雇にも泣き寝入りしてきた非正規雇用者たちに、希望をもたらしそうだ。 (佐藤直子)
「まじめに働いてきたのに、なぜ辞めなくてはならないのですか」
4月下旬、団体交渉が行われた豊島区内の会議室。机の向こう側の会社幹部や解雇を言い渡した店長、顧問弁護士に向かって福家さんは一息に言った。弁護士が答えた。「髪の色が、店の規則に合っていないからです」
地元のファミリーレストランでアルバイトを始めたのは中学卒業後の昨年4月。時給820円で週3日、夕方6時から深夜10時までフロアで働く。週5日は早朝から隣町の牛丼店でも働き、バイトの掛け持ちで毎月の収入は14万円ほど。体はきついが、将来の進学や家計の援助のために頑張ってきた。
そんな生活が今年3月に変わった。ファミリーレストランの新任の店長が従業員の身だしなみを細かく注意し、福家さんには、従業員マニュアルの色見本に沿って、髪の染め直しを求めてきた。
福家さんは、突然の指示に戸惑った。仕事中は清潔感を保つため長い髪を小さくまとめ、装飾品は一切、外した。客から苦情が出たことは一度もなかったという。
「前の店長には注意されなかった。すぐに髪を黒く染めろと言われても納得できません」。反論する福家さんに、店長は「一緒に働けない。辞めてもらう」と解雇をほのめかした。半年ごとに更新されるバイトの契約期限は7月末だったが、その期限すら守られない“通告”だった。
福家さんは4月、知人の紹介で首都圏青年ユニオンのドアをたたく。フリーターの若者たちが、個人で加入している労働組合。組合員になれば団体交渉権が行使でき、会社側と渡り合えることを知った。
「前の店長は仕事ぶりを認めてくれて時給も20円上げてくれた」。交渉の席上、涙ぐんで声を上げた福家さんの横で、同ユニオンの河添誠書記長は「有期雇用を繰り返してきた福家さんを雇い止めにするには正当事由が必要」と主張した。これに対し「(店長の言葉などに)解雇の意味はなかった」とする会社側は、約1時間の交渉の末、雇用の継続を約束した。
同ユニオンによると、非正規雇用者の増加を受け、労働者の組合組織率は2割を切っており、残り8割は不当解雇にも泣き寝入りしているのが実情という。
同ユニオンなどは20日正午から、東京・千駄ケ谷の明治公園で集会を開催。福家さんも体験を報告する。参加無料。問い合わせは集会実行委員会=電03(3468)5301=へ。
しっかりした自分の考えを持ち、不当な脅しに屈しない彼女は実に立派だ。
はっきり言って新しい店長が無能すぎる。
マニュアルを守ろうとすること自体は悪くないが、説得能力が低いのは問題だ。やる気のある従業員と不必要なトラブルを起こし、解雇をちらつかせてパワーハラスメントし、会社とユニオンの交渉では「(店長の言葉などに)解雇の意味はなかった」と自分の言葉を否定され、まったく何をやってるのかわからない。
そもそも今どきファミレスのウェイトレスに黒髪を要求すること自体くだらない。
高級レストランならともかく客単価1000円程度の店で何を気取っているのか。馬鹿馬鹿しい。
ファミレスでウェイトレスの髪の色をじろじろ観察する客なんているのか。メイド喫茶と間違えてるのか、それとも小姑根性の持ち主か。まあ世の中は広いからそんな客がいないこともないだろうが、まったくどうかしている。
私にとってはウェイトレスが茶髪かどうかなんて些細なことだ。「料理の味・値段」「皿の上げ下げがモタモタしてないか」「コップが汚れてないか」「不快でない敬語が使えるか」といったことのほうがずっと気になる。愛想良くテキパキ働いてくれたら茶髪でも金髪でも大歓迎だし、まともなサービスができなければ黒髪の美少女でも困る。
このあいだ行ったファミレスでウェイトレスの髪が何色だったかいくら考えても思い出せない。まったく意識していないのだろう。キャバクラに行ったわけじゃなし、ウェイトレスが茶髪だろうと黒髪だろうとどうでもいい。
ところが、なぜか多くの2ちゃんねらーが福家さんを批判している。
痛いニュース(ノ∀`):「髪の色で否定、納得できない」 16歳“茶髪”少女、バイト先でクビ通告→個人で労組に入り、クビ撤回させる
茶髪嫌いは個人の好みで勝手だが、いや正直言って私も黒髪のほうが好きだが、「茶髪の是非」と「労働者が恣意的に解雇されない権利」とは比べ物にならない。もちろん後者のほうがずっと重い。
会社が従業員の茶髪を許しがたい非とするのなら、これまで一年間それを黙認してきた前店長(会社)の責任も認めなければならない。すべてを従業員個人のせいにするのは卑怯だ。
現実にはなかなかそうは行かないが、本来会社と従業員(アルバイト)の間は契約を結んだものとして対等である。従業員が契約違反すればペナルティを受けるし、会社が理不尽な命令を下せば従業員が抵抗するのは当然の権利だ。
今回の場合、店長が「黒髪にしないと解雇する」と脅し、福家さんが「それでは納得できない」と反論し、会社が「解雇する理由はない」と認めた。フェアな交渉であり、両者とも遺恨を残す必要はない(なかなか難しいかもしれないが)。問題の大部分は従業員規則を適切に制定・運用してこなかった会社と説得能力が低くマニュアルに固執した新店長にある。福家さんだけをわがままだとか身勝手とか批判するのは筋違いだ。
「上司の言うことにはとにかく従え」という輩もいるが、なんという俗論かと呆れる。労働者としての誇りを失うな。理不尽には抵抗しろ。それをあざ笑うのは自らを「労働者」ではなく「奴隷」に貶めることだ。
* 追 記 *
関連リンク
NC-15 - これぐらいの茶髪だったら許容範囲じゃね?
がぶり寄り: メーデーの夜
アンカテ(Uncategorizable Blog) - この国で政権が取れない左翼政党って何?
知らないし、興味もない
だけどこの小娘がやらかした事で、
ファミレスの店長とその上司、或いは彼らの家族の人生が大幅に狂ったことは間違いない
この店長首になってないだろうか、
居づらくなって辞めてないだろうかって心配。
下手すりゃ自殺するぜ、サラリーマンなんだから
家族がバラバラになったりしなきゃ良いが・・・・
たかが茶髪にしたいが為に、
ユニオン動員して
これは酷いんじゃないか
それを自慢げに演説するなんて神経疑う
それを報道する朝日はやっぱり朝日だな
こういうのが普通になると米国みたいに就職する時の契約でがっちり決めるようになってバイトの側も結局は不自由になってしまいます。
ただ、店長の「思わせぶりな発言」というのが良くなかったんだろうなと思います。本来なら茶髪は認められない、これからもここで働きたいならきちんとした身なりをして欲しい、ということを正面きっていうべきだったのでしょう。そう言う意味ではこの店長はこの少女を見くびっていたということになるんだろうと思います。
茶髪を止めさせる為に解雇をちらつかせるってのは、パワーハラスメントに当たると取られかねないやり方と思われます。
だから訴えた側も、茶髪がどうのではなくて不当解雇を訴えたんでしょう。
アルバイト一人に、穏便に辞めてもらう事も出来ないようでは、管理職としては失格では?
あなたが言うような事態が店長氏に起こっていたとしても、酷な言い方なのかもしれませんが、自業自得でしょう。
そこまで店長氏を心配するのであれば、
訴えた側がその後職場でいじめられたりしないかも心配してあげて下さい。
私ならこんなトラブルメーカー絶対に雇いませんしね。
泣きつかれたユニオンが軽々しく騒いだのも悪いね。
このぐらいは店の方針にしたがってがんばってみたら、と諭したらこの少女が就職に一生ハンデを背負うこともなかったでしょう。
「たかが髪の色くらい戻せばいいじゃないか」という意見は多いが、この少女が「戸惑った」のは茶髪を黒髪に戻すことではない。これまでの勤務実績を無視して、茶髪を理由に解雇を持ち出されたことに「戸惑った」のであり、だからこそ「まじめに働いてきたのに、なぜ辞めなくてはならないのですか」と言っているのだ。つまり彼女は自分の労働がまったく評価されていないことに怒ったのである。
ところが少女を批判する人には、この怒りがわからない。いや、薄々はわかっているのだけれど、それを認めようとしない。なぜなら彼らは少女が「生意気」に思えるからだ。自分たちは仕事で我慢しているのに、たかが16歳の娘が偉そうに上司に楯を突きやがった。それも茶髪が原因だと?仕事は遊びじゃないんだ、世の中をナメるな!という感情だ。加えて茶髪がマニュアルに違反していることで、「規則を守っていない奴が悪いのだ」という、まるで子供のように単純な正義を振りかざして自分の感情を正当化しようとする。なんともまぁみっともない話だ。
週1回で曜日不定期の2時間半のアルバイトなんですよ。
月あたり1万円強の収入w
記事にある週2~3回は間違いですから…
突っ込むと「週」と「月」間違いって言い訳するかな…
そこらへんも踏まえてほしいですねw
それを前の店長が注意しなかったんだからとかいうのはおかしいでしょう。
別に本人がマニュアル通りにしていれば新しい店長に注意されることはなかったんですから、「注意されなかったんだから違反してもいいじゃないの」的な考えをしているこの人に問題があるのは明白。
これから彼女が調子に乗らないことを願います。
アルバイトが勝手に逆ギレした。
発端はそれだけの事。
16歳女のガキ並みのワガママをさも当然の「権利」のように扱う事が、果たして労働組合のやるべき事なのだろうか?
第三者にも「それでは納得できない」と反論する権利はある。