玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

中川三成、関が原に立てず

2009年07月17日 | 政治・外交
自民党の内紛はとりあえず収まる方向のようで、まずはよかった。

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ここ数日の騒ぎは「政権政党のゴタゴタ」と思うと腹立たしくて情けないが、他人事として見ればなかなか面白い人間ドラマである。まるで「関が原」の前日譚のようだ。この場合、反麻生派が西軍、執行部側は東軍という見立てになる。反麻生派の中心人物である中川秀直氏はもちろん石田三成の役どころ。


太閤(小泉総理)のもとで辣腕を振るった石田三成(中川秀直)だが、太閤が没して(小泉が退陣・引退宣言して)からは要職から遠ざけられた。太閤の遺志(新自由主義・構造改革路線)をないがしろにした家康(麻生総裁)の専横に三成は怒りを募らせる。

家康が上杉討伐のため大坂を去った(都議選で敗北して責任を問われた)のを好機と見た三成は、家康打倒の旗を掲げる。
手当たり次第に大名(議員)をかき集めて数の上では一大勢力を作るが、それぞれの考えはバラバラでまとまりがない。「家康許すまじ」(麻生総裁を引きずりおろせ)と思っているものばかりではなく、「三成にだまされた」と不信感を抱く大名が少なくない。

自民の両院総会署名簿「した、してない」で混乱も : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 署名した議員の中には、総会で総裁公選規程を改正し、総裁選前倒しを実現して麻生首相の交代を狙う議員もいる。一方で、首相が地方選の総括と反省、次期衆院選に向けた決意を述べればよしとする議員もいて、「目的や意図はバラバラ」との見方が出ている。

 実際、中川氏らが名簿を提出した後になって、「自分は『麻生降ろし』には賛同しない」「自分は直接、署名していない」などとして、署名名簿から外すよう求める議員も複数出た。逆に、新たに名簿に加わった議員もいる。各派閥は、署名名簿に掲載された所属議員に、署名の真偽や目的をただすなど、確認に追われた。


何よりも問題なのは西軍(反麻生派)に家康(麻生)に対抗できる旗頭(人気のある次期総裁候補)がいないことだ。
首謀者の三成(中川秀直)には人望がなく、なんとか西軍総指揮官に据えた毛利輝元(与謝野)は家康(麻生)打倒の気魄が足りない。

与謝野財務相、解散署名に応じる考え示唆 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 与謝野財務相は17日の閣議後の記者会見で、衆院解散の閣議書に署名するかどうかについて、「日本の経済財政、国際金融、金融システムに一閣僚として責任を持っている。選挙の直後には国際会議も開かれる。そういうことも万端考慮しながら自分の行動を決めたい」と述べた。与謝野氏は、これまで解散に反対して署名を拒否することに含みを持たせていたが、17日は署名に応じる考えを示唆したものと見られる。

こんなことで家康(麻生)を討てるのか。三成(中川秀直)の苦悩は深まるばかりである。


…などと空想してみたが、実際の関が原と比べると自民党の役者はよっぽど小粒だ。
麻生氏を「東海一の弓取り」家康にたとえるのは麻生ファンの私にもちょっと厳しい。そして、史実の三成はなんとか西軍をまとめて関が原で大決戦を戦ったのに、中川秀直氏の反麻生運動は両院議員総会も開けずに鎮圧されそうである。


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