「貧すれば鈍す」などというけれど、惨敗した自民党は矜持とか常識的な判断力をどんどん失っているようだ。
首相指名「白票で統一」…自民内に広がる : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
自民執行部、首相指名は「白紙投票」で調整 - asahi.com(朝日新聞社)
バカじゃなかろうか、とか小学生じゃあるまいし、という感想しか出てこない。
ひたすら見苦しくて情けない。本当にいい加減にしてほしい。
そもそも、「首相指名選挙で麻生総裁の名を書きたくない」という感覚がわからない。
いや、「なんか嫌だな」「ちょっと恥ずかしい」と感じること自体はわからなくもないのだが、保守政党の国会議員とあろうものがそれを公言したり、あまつさえ党執行部が白紙投票で統一しようとするなんてあまりにも非常識で考えられないことだ。
8月30日の選挙であなたたち自民党の候補者は「麻生内閣の存続」を訴えて選挙戦を戦ったのではないのか。
それを信じた多くの有権者が投票した。獲得議席数で惨敗したとはいえ自民党の得票率は小選挙区で38・6%(2730万票)、比例区では26・7%だ。当選した議員が「麻生と書きたくない」とゴネるのは投票してくれた有権者への裏切りではないか。
さらに言えば、自民党は保守政党をもって自らを任じているはずではないのか。
保守的というのは、既成の秩序を尊重する、伝統的倫理を守るということだろう。「空気」やらその時の感情に流されて好き勝手を言うことではない。秩序の軽視とか伝統的倫理の変革をよしとするラジカルな個人主義の党であればともかく、保守政党の議員が子供のようなわがままを叫んで恥じないというのはまったくどうかしている。保守的な政治家が「日本人なら皇室や国旗を敬うのが当然」と宣うのであれば、自分の党の代表(自民党総裁)をちゃんと尊重して範を示すべきだ。
仮に麻生総裁が「選挙で惨敗したのは自分の責任ではない、自民党総裁は辞任しない」などと開き直っていれば「ふざけるな、お前なんかに投票できるかよ」と議員が反発するのもわかる。だが実際は潔く自分の責任を認め、辞任の意向を明らかにしている。「総裁選の日程が遅すぎる、特別国会前に新総裁を選ぶべきだ」という意見には一理あるが、首相指名選挙造反の脅しでゴネるのは筋違いである。
自民党所属議員は「お疲れ様でした」と気持よく見送るのが麻生総裁と麻生内閣を支持してくれた国民に対する礼儀だろう。雪斎先生は「自民党全体で麻生総裁の切腹を「介錯」するのだと思えば済むことである」とまことにうまい言い方をしている。首相指名選挙で麻生総裁に投票して負けるのは選挙で惨敗した総決算にふさわしいけれど、白票とか総裁以外の誰かに投票という姑息なやり方はただの恥さらしだ。
首相指名「白票で統一」…自民内に広がる : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
16日の衆参両院での首相指名選挙に関し、自民党内では白票を投じるよう対応を統一すべきだとの意見が広がっている。
3日の山崎派会合では武部勤・元幹事長らが「白票を投じる。『麻生』とは書けない」と、執行部を批判した。地方組織では福島県連が4日の全国幹事長会議で、白票投票に変更するよう申し入れる予定だ。首相指名選挙で造反が続出すれば党再建の出はながくじかれる。2日の谷垣禎一・元財務相、高村正彦・前外相らベテランの会合では「党内をまとめるには白票しかない」との意見が相次いだ。
一方、石破農相は3日の津島派の会合後、記者団に「白票はあり得ない。首相指名は議員が国民から負託された仕事だ」と訴えた。「18日告示・28日投開票」の日程を首相指名選挙前に前倒しし、新総裁に投票できるようにすることを念頭に置いた発言と見られる。町村派会長の町村信孝・前官房長官も記者団に「できればその方が良い」と前倒し論に理解を示した。
自民執行部、首相指名は「白紙投票」で調整 - asahi.com(朝日新聞社)
自民党執行部は、16日召集の特別国会の首相指名選挙で「白票」を投じる方向で党内調整に入った。総選挙惨敗の責任を取って党総裁辞任の意向を表明した麻生首相の名前を書くことに対する強い反発に配慮した。ただ、「白票」への抵抗感も根強く、党内調整に手間取る可能性もある。
(中略)
首相周辺は4日朝、「白紙しかない。総理も白紙だろうが何だろうがまとまればいい(との考えだ)。白紙から出直すという意思表示でいいのではないか」と語った。首相と細田博之幹事長ら党幹部の調整でも、白紙投票もやむを得ないという方向になっているという。
バカじゃなかろうか、とか小学生じゃあるまいし、という感想しか出てこない。
ひたすら見苦しくて情けない。本当にいい加減にしてほしい。
そもそも、「首相指名選挙で麻生総裁の名を書きたくない」という感覚がわからない。
いや、「なんか嫌だな」「ちょっと恥ずかしい」と感じること自体はわからなくもないのだが、保守政党の国会議員とあろうものがそれを公言したり、あまつさえ党執行部が白紙投票で統一しようとするなんてあまりにも非常識で考えられないことだ。
8月30日の選挙であなたたち自民党の候補者は「麻生内閣の存続」を訴えて選挙戦を戦ったのではないのか。
それを信じた多くの有権者が投票した。獲得議席数で惨敗したとはいえ自民党の得票率は小選挙区で38・6%(2730万票)、比例区では26・7%だ。当選した議員が「麻生と書きたくない」とゴネるのは投票してくれた有権者への裏切りではないか。
さらに言えば、自民党は保守政党をもって自らを任じているはずではないのか。
保守的というのは、既成の秩序を尊重する、伝統的倫理を守るということだろう。「空気」やらその時の感情に流されて好き勝手を言うことではない。秩序の軽視とか伝統的倫理の変革をよしとするラジカルな個人主義の党であればともかく、保守政党の議員が子供のようなわがままを叫んで恥じないというのはまったくどうかしている。保守的な政治家が「日本人なら皇室や国旗を敬うのが当然」と宣うのであれば、自分の党の代表(自民党総裁)をちゃんと尊重して範を示すべきだ。
仮に麻生総裁が「選挙で惨敗したのは自分の責任ではない、自民党総裁は辞任しない」などと開き直っていれば「ふざけるな、お前なんかに投票できるかよ」と議員が反発するのもわかる。だが実際は潔く自分の責任を認め、辞任の意向を明らかにしている。「総裁選の日程が遅すぎる、特別国会前に新総裁を選ぶべきだ」という意見には一理あるが、首相指名選挙造反の脅しでゴネるのは筋違いである。
自民党所属議員は「お疲れ様でした」と気持よく見送るのが麻生総裁と麻生内閣を支持してくれた国民に対する礼儀だろう。雪斎先生は「自民党全体で麻生総裁の切腹を「介錯」するのだと思えば済むことである」とまことにうまい言い方をしている。首相指名選挙で麻生総裁に投票して負けるのは選挙で惨敗した総決算にふさわしいけれど、白票とか総裁以外の誰かに投票という姑息なやり方はただの恥さらしだ。
あくまでね、こういうことは方便として言ってるわけでね。本気で皇室や国旗を敬っているのがどれだけいるかな?敬ってるふりしてだけだったりして。
そもそも政治なんて建前を表に出して本音はできるだけ隠すもの。本音を出すのは建前を優先していたら自分が危うくなる時や建前を優先する必要性がなくなった時。自民党の議員の多くは今がまさにそういう時だと感じているんだろう。本音では麻生を嫌い、馬鹿とも思ってるのは大勢いる。それが今このタイミングでワーッと出てきただけのこと。
麻生に限らず、ある人物が勢いのある時には本音を隠してでもおとなしくその人物に従うが、衰えれば「もはや支える価値なし」と本音をむき出しに一気につぶしにかかる。これは政治業界では当たり前のように行われ、繰り返されてきたこと。政治屋はピュアじゃダメ。それを理解できないようなのは政治首を突っ込むべきではなかろう。
党内に次々と裏切る者や逃亡する者、果ては下剋上を目論む者が出てきていることに麻生は立腹していよう。麻生の不貞腐れた態度で容易に分かる。だが、そんなことで立腹しているような麻生は、そもそも政治業界に入るべき人間ではなかったと言える。
そもそも、麻生を本当に慕ってる奴なんて少数。一時マスコミにちやほやされた結果、トップになったものだから仕方なく従ってただけ。麻生じゃダメだとはっきりした今、そういう連中が麻生をつぶしにかかるのは当然のこと。それを卑怯だと感じるようなのは政治センスゼロ。
あえて、そういう連中を卑怯だと言うとすれば、野党転落が決まった状況で、誰も自分が先頭に立って党を再建して行こうという意思を持っていないこと。「どうせ党のトップ立っても総理になれない」ということで、口だけで達者なのばかりで痛いわなw
「その時歴史が動いた」なんて番組ありましたけどね、ほんとに麻生を切るタイミングを誤りました。時局は正しく判断する能力がなかったってことですな。自民党も政治センスのないのが意外に多かったんですなぁ。