格闘家とタレント夫婦の訴訟報道をきっかけに、いわゆる「代理出産」への認知が広がっている。いや、私自身も最高裁判決の前にはほとんど関心を持っていなかった。だが、彼女たちがまるで悲劇の主人公のように自己陶酔した表情で話しているのを見て「これはおかしいぞ」と思い、いろいろと調べていくうちに「代理出産」には到底見逃すことのできない重大な問題が山積してことに気付かされた。
「産む機械」を肯定する世論
「代理母」報道の偽善、あるいは認知の歪み
グロテスクな未来
だが、なぜかマスコミは「代理出産」の暗い面を伝えようとせず、(認める方向で)「法律を整備せよ」という声ばかり聞こえてくる。それに影響されたのか、あるいは逆にマスコミが遠慮したのか、世間の反応もおおむね「代理出産」に好意的なようだ。(代理出産(代理母)による法律関係~NHK世論調査「「認めるべきだ」が56%)
これはおかしい。
政治家が人口統計を説明するときの比喩として「産む機械」という言葉を使い、ほとんど世論の総がかりで「女性蔑視だ!」と叩かれたのはほんの2ヶ月前のことである。まさか忘れたわけではあるまい。それなのに、女性の肉体をまさに産む機械として使用する「代理出産」の問題点をほとんど誰も指摘しない。なぜだ。
これはおかしい、変だ、あまりにも異常だ!
「代理出産」という言葉そのものが行われる行為に比べてあまりにも軽すぎるように思う。
日常生活で使われる「代理」という言葉は重さよりも軽さを感じさせることが多い。学校で先生が出席をとるとき代理答弁(代弁)したり、車を買うとき必要な書類をディーラーに代理申請してもらったり。どちらかというと「簡単、便利、あとくされなし」というイメージだ。
だが「代理出産」は全く違う。出産前の準備や出産後のケアを含めれば、一年以上のあいだ一人の女性に重い肉体的・精神的負担を強いることになる。順調に出産できても母親(妊婦)の骨や歯が弱くなる、体力が落ちるという話はよく聞く。
もし妊娠中に、あるいは出産時に事故があれば妊婦が重い障害を負ったり死亡することもある。間違っても簡単なことではない。
うまい例えではないが、一般的な「代理」を「誰かの借金の保証人になる」ことだとすれば、「代理出産」は「連帯保証人になる」ようなものだ。ただの保証人なら重い責任を負わされることはないが、うかつに「連帯保証人」になれば財産のすべてを失うことになりかねない。
[豆知識] 単なる「保証人」と「連帯保証人」とはどう違う? - 法、納得!どっとこむ
もし「連帯保証人と保証人は大して違いありませんよ」とごまかして連帯保証人になることを勧める奴がいたらそいつは詐欺師だ。そして、現在のマスコミが「代理出産」について行っている報道はそれと大差ない。
私が「代理出産」の現実の重み、異常さ、非倫理性とグロテスクさにふさわしいと思うのは「寄生出産」だ。
GoogleでもYahoo!でもgooでも検索にヒットしないのでたぶん新造語になるが構いはしない。
代理出産とは「自分たちの受精卵を第三者の体内で成育させること」だ。このようなやりかたが他の生物で見られたときは「寄生」と呼ばれる。
3-3. 寄生バチのくらし方(膜翅目細腰亜目の生活1)
人間の代理出産の場合は自分と同じ種の間で行われるけれど、「受精卵を第三者の体内で育てる」という本質において違いはない。寄生する側は自分たちの肉体への危険を冒すことなく子孫を手に入れ、宿主は体力を(健康を、命を)削って自分と遺伝子のつながりのない子供を産む。あるいは、いろいろな事情でやむを得ず産まされる。
これを「寄生」と呼ばずして何と呼べばいいのか。
私はいわゆる「代理出産」の問題点、非倫理性が周知されるまで「寄生出産」という言葉を使うつもりだ。
同様に、
「代理出産」の依頼者たちは「寄生親」
「代理出産」を行う医師・コーディネーターは「寄生幇助者」
「代理母」は「宿主」と呼ぶことにする。
マスコミのインタビューや世論調査で気軽に「代理出産を認めてもいい」「代理出産をやってみたい」と答える人たちは、「代理出産」とは女性の肉体を「産む機械」として利用することであり、人間への寄生によって生殖を行うことだと理解し、覚悟しているのだろうか。
私にはわからない。
そうでないことを心から願っている。
「産む機械」を肯定する世論
「代理母」報道の偽善、あるいは認知の歪み
グロテスクな未来
だが、なぜかマスコミは「代理出産」の暗い面を伝えようとせず、(認める方向で)「法律を整備せよ」という声ばかり聞こえてくる。それに影響されたのか、あるいは逆にマスコミが遠慮したのか、世間の反応もおおむね「代理出産」に好意的なようだ。(代理出産(代理母)による法律関係~NHK世論調査「「認めるべきだ」が56%)
これはおかしい。
政治家が人口統計を説明するときの比喩として「産む機械」という言葉を使い、ほとんど世論の総がかりで「女性蔑視だ!」と叩かれたのはほんの2ヶ月前のことである。まさか忘れたわけではあるまい。それなのに、女性の肉体をまさに産む機械として使用する「代理出産」の問題点をほとんど誰も指摘しない。なぜだ。
これはおかしい、変だ、あまりにも異常だ!
「代理出産」という言葉そのものが行われる行為に比べてあまりにも軽すぎるように思う。
日常生活で使われる「代理」という言葉は重さよりも軽さを感じさせることが多い。学校で先生が出席をとるとき代理答弁(代弁)したり、車を買うとき必要な書類をディーラーに代理申請してもらったり。どちらかというと「簡単、便利、あとくされなし」というイメージだ。
だが「代理出産」は全く違う。出産前の準備や出産後のケアを含めれば、一年以上のあいだ一人の女性に重い肉体的・精神的負担を強いることになる。順調に出産できても母親(妊婦)の骨や歯が弱くなる、体力が落ちるという話はよく聞く。
もし妊娠中に、あるいは出産時に事故があれば妊婦が重い障害を負ったり死亡することもある。間違っても簡単なことではない。
うまい例えではないが、一般的な「代理」を「誰かの借金の保証人になる」ことだとすれば、「代理出産」は「連帯保証人になる」ようなものだ。ただの保証人なら重い責任を負わされることはないが、うかつに「連帯保証人」になれば財産のすべてを失うことになりかねない。
[豆知識] 単なる「保証人」と「連帯保証人」とはどう違う? - 法、納得!どっとこむ
もし「連帯保証人と保証人は大して違いありませんよ」とごまかして連帯保証人になることを勧める奴がいたらそいつは詐欺師だ。そして、現在のマスコミが「代理出産」について行っている報道はそれと大差ない。
私が「代理出産」の現実の重み、異常さ、非倫理性とグロテスクさにふさわしいと思うのは「寄生出産」だ。
GoogleでもYahoo!でもgooでも検索にヒットしないのでたぶん新造語になるが構いはしない。
代理出産とは「自分たちの受精卵を第三者の体内で成育させること」だ。このようなやりかたが他の生物で見られたときは「寄生」と呼ばれる。
3-3. 寄生バチのくらし方(膜翅目細腰亜目の生活1)
人間の代理出産の場合は自分と同じ種の間で行われるけれど、「受精卵を第三者の体内で育てる」という本質において違いはない。寄生する側は自分たちの肉体への危険を冒すことなく子孫を手に入れ、宿主は体力を(健康を、命を)削って自分と遺伝子のつながりのない子供を産む。あるいは、いろいろな事情でやむを得ず産まされる。
これを「寄生」と呼ばずして何と呼べばいいのか。
私はいわゆる「代理出産」の問題点、非倫理性が周知されるまで「寄生出産」という言葉を使うつもりだ。
同様に、
「代理出産」の依頼者たちは「寄生親」
「代理出産」を行う医師・コーディネーターは「寄生幇助者」
「代理母」は「宿主」と呼ぶことにする。
マスコミのインタビューや世論調査で気軽に「代理出産を認めてもいい」「代理出産をやってみたい」と答える人たちは、「代理出産」とは女性の肉体を「産む機械」として利用することであり、人間への寄生によって生殖を行うことだと理解し、覚悟しているのだろうか。
私にはわからない。
そうでないことを心から願っている。
これに関連して、赤ちゃんポストは託卵ですので「コウノトリの巣」ではなくて、「ウグイスの巣」にするべきですよね。子捨てをする親はカッコーあるいはホトトギスと呼んでやりましょう。
本当に子供が尊重されているのかどうかもわからない。
ついでに、親が、何でそんなに遺伝子にこだわるのかもわからない。
賛成とか反対とか言えるような情報って、どこに転がってるんでしょうかね。
赤ちゃんポストは子供中心に考えているからこそ誕生した制度ではないですかね?
>安部奈亮さん
数年前まで家の周りでカッコウがよく鳴いてましたが、このごろは聞きません。
住宅地が開発されたからかな。
>nanaさん
カッコウやホトトギスが本能で託卵するのは自然の営みですが、人間が真似していいのかどうか。
>toshikiさん
マルチポストは感心しません。
同じ一言コメントをいくつものブログにばらまく意味がわかりません。
無価値と判断して削除しました。
>bywordethさん
「夫(と自分)の遺伝子」に執着する姿を見て、優生学とかナチズムとかカルト宗教を連想しました。
なのに世間では「母性本能」と感じる人が多いようです。よくわかりません。
詳細は拙ブログに全文を掲載しましたが、これでもなお代理出産したいという人間がいるとしたら異常と言う他ありません。
補償は考えているが、具体的には何も補償策を出さず、代理出産する側が脳内で補完しろということでした。
爺婆が死んでたり、代理出産に家族も文句を言わず、経済的にも豊かであり、出産にまつわるトラブルを家族はサポートしてくれて、挙げ句代理出産して死んだら家族は納得する。
こんな前提なのですが、もはや狂っているとしか思えませんでした。困難な出産を経験した母親として言わせてもらえば、女性を産む機械扱いしているのはまさに代理出産をさせる子宮のない女性、向井亜紀、そして根津医師らの代理出産を推進する人間すべてです。吐き気がします。
せっかくなので新しく記事にさせてもらいました。
これからもよろしくおねがいします。