写真は、放線菌症に罹っている牛である。
なかなかの難病である。
口内や消化管内に常在する放線菌によるとされている。
一般的には、歯ぐきなどに傷が出来て、そこから同菌が侵入して化膿を伴うために、頬やその周辺が腫れあがる。
頬骨辺りに発症するために、治りにくい。
発症直後であれば、切開して膿を取り出し、薬剤処置することで治癒する場合もある。
素人考えでは、反応する抗生剤を投与すれば、治癒するはずと思われるが、同症の治療は、そう容易くはないのである。
根気強く処置することで進行を止められることもあるが、最終的には歯肉炎如き症状になる。
治りやすいのと治りにくいのでは、そのタイプが違う様である。
同症の発症の原因については、何故傷が付くのかなどが、必ずしも確定していない。
傷が付くほどの荒目の粗飼料、トゲの多い粗飼料、細かい金属片、大鋸屑などが疑われているようであるが、定かではない。
大鋸屑については、磁石で調べたら、極微量の鋸の研ぎ片らしきものが付着していたことがある。
導入後2~3ヵ月以内に多発すれば、生産地にその原因があるかも知れない。
ところが、導入後10ヵ月以上経ってから発症するものもいる。
肥育牛だけではなく、経産牛が発症する例もままあるという。
放線菌は、普段は何ら問題はないそうだが、ルーメン壁などの疾患がもとで、肝臓や肺などに膿瘍を誘引することもある。
…と、
こちらの獣医さんは呼んでいました。
過去にも何度かブログで書かれていますが、頻繁に見られるのでしょうか?
うちの牧場では一頭だけ治療した事があります。
患部が噴火口の様になり、そこから膿が出てくれたおかげか数日の注射と薬でほぼ完治しました。
治り易い方の放線菌症だったのかもしれませんね。
ところで、
あのような光景は見た事がなく、驚いています。
子牛がぶら下がっているチェーンをしゃぶったり、鉄パイプを舐めたりするのはよく見かけますが、
写真の様にガシガシかじるとは…。
f^_^;
牛の疾患には、写真のように掲載するにはどうしようかと思案してきましたが、事実を載せるべきと判断して貼り付けました。
もっとひどいものもあります。
けれども、写真のような状態でも、食欲はある場合が多いのです。
私も、獣医さんよりアクチノマイセスと聞いています。