法音カウンセラー 釋 真聴 《日乗》

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主宰者の《日乗》

「コロナ禍での仏教」

2021年09月18日 22時37分02秒 | 日乗

区立図書館から借りてきて読んでいます。

高村薫著
『作家的覚書』
岩波新書 2017年4月20日 第1刷発行

本書は、2014年から16年までの一生活者の視点からの、
高村さんのもの言い、日々の雑感を綴った一冊。

「日本人であること」の章で、
高村さんは、亡父母のことを【大正教養主義の申し子だった」と記し、
ご自身もその影響にあったと。
そして、阪神・淡路大震災後のご自身の仏教への関心を次のように述べている。

「大多数の日本人が心身で知っていることを、
いまごろ書物でまなんでいることになるが、

私はけっして日本人のあるべき姿やルーツを求めているのではない。
そうではなく、根底にあるのは信心のかたちをめぐる問いであり、
自分にはなぜ信心がないのかという素朴な疑問である。
阪神・淡路大震災を経験した後、ふいに仏教に心を惹かれたときも、
修行や学道よりも発心や信心という跳躍こそ
信仰にとって最大の難問題であることを発見して立ちすくんだものだが、
懲りずになおもこうして信仰のことを考えている自分がいる」

阪神・淡路大震災、東日本大震災&原発事故、そしてもうすぐ2年なるコロナ禍。
多くの人が立ち止まって、人間・人間の存在について問うているのでしょう。
仏教に向かう人、キリスト教に向かう人、他に向かう人・・・
また、一口に仏教といっても、その間口は広すぎます。

ありがたいことに、私は、カウンセリングの学びの過程で、
友田不二男先生から『正法眼蔵』を、
関口和夫先生から『歎異抄』を教えてもらえました。
そして、先師・五十嵐正美先生のもとでは、
具合的に『正法眼蔵』『正法眼蔵随聞記』『顕浄土真実教行証文類』『歎異抄』を学びました。
先師は、学者の真似事のような学びは嫌われました。
勧められたのは(原本の音読)です。
そして、素直な各各の感受を大事にされました。

書店に行きますと、
仏教書がいっぱい並んでいます。
まあ、そのような解説本には手を出さないことです。

いま、仏教に惹かれる方は、
道元さまの『正法眼蔵』
懐奘さまの『正法眼蔵随聞記』
親鸞さまの『顕浄土真実教行証文類』
唯円さまの『歎異抄』
がお勧めです。

繰り返しの「音読」が、学びの王道です。
そして、ご一緒に学びあうお仲間と道場が大事になります。
講師のお話をただ拝聴するような場は遠慮しましょう。

解説本を何冊読んでも、それは回り道です。

コメント
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