ウツウツ記

毎日の生活で感じたことを書いています。

あの日。

2021-03-12 13:25:26 | 日常
昨日は震災の番組をほぼ一日中見ていました。
あらためて10年という時間を感じました。
喪われたもの、再興されたもの、そして新しく生まれたもの。
人間の弱さも強さも感じた一日でした。

あの日。
私は外出先で、友人からの電話で地震を知りました。
急いで帰宅して、TVを付けたら津波の映像が飛び込んできたことを覚えています。
夫が丁度東京出張中でした。
娘もまだ独身で、東京で働いていたので、二人が心配で
何度か電話してみたのですが、全く繋がりませんでした。
夕方になって、娘からようやく電話が来ました。
夫からも電話が来ましたが、何故か東京にいる二人の間で電話は繋がらず・・・
私が間に入って、互いの状況を教えました。
娘は横浜から日本橋に通勤していたので
帰宅が心配でした。
夫は出張のためにホテルを予約していました。
そこで、夫が丸の内から日本橋まで娘を迎えに行って
二人で予約したホテルに泊まることができました。
徒歩移動で大変だったと聞きましたが
それでも、ベッドで眠ることができ朝食も食べることができたので
とても恵まれていたと思います。
ホテルのロビーには、当日卒業式だった袴姿の学生さんや親御さんたちが
帰宅できずに溢れていたそうですから。
被災された方たちは、もっともっと大変な時間を過ごされていたですよね。
昨日の映像をみて、何度も思いました。
津波に巻き込まれ濡れた体で夜を過ごされた方など、
いかほどの寒さ冷たさだったかと胸が痛くなりました。

遠く離れた地に住む私ですら、あの日の記憶が鮮明に残っています。
が。
息子には、全く無いと聞いたことがあります。
日本中で、そんな人がいるのかととても驚きました。
だって、あれほどの大災害だったのに。
何故?と聞いたら
自分自身がギャンブルで狂っていたから、と答えました。
確かに。
当時息子は、大荒れに荒れていました。
まだかろうじて、家にいましたが、無断外泊も増えていました。
遂に家に帰らなくなり、当然ですが仕事も辞めていたと思います。
(バイトのような仕事でしたから、家に連絡も来ませんでした)
その後、爆発して頭を抱えるようなことが起きるのですが。
そうか・・・
荒れ狂っていた人は、自分以外に起きたことなど記憶もないのね。
非国民!と怒鳴りたい気持ちもありましたが
こういう人もいたのだと驚きの方が大きかったことを覚えています。
こんな息子の上にも、10年という時間が流れました。
今は少し落ち着いて、なんとか暮らしています。

不謹慎な話でしたね。
難しいです。
実際に体験していない大災害のことをいくら考えても
100%の理解はできないと思うから。
そう思うと、何を考えても、
私には書く意味はないなという結論になってしまうから。
だから私は、震災のことをあまり書いてきませんでした。

でも、昨日の放送を見ていて
遠くの私でも、実際に体験していなくても
想像するだけでもいいのかな、と思うようになりました。
あの日、TVを見ながら夫や娘の心配をした私を覚えている、
記憶のない息子は、何故自分が記憶がなかったのかを覚えている、
それだけでも許されるのかもしれない、と。
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