研究会が終わり、すすきのに移動した。
5年ぶりの札幌。なんだかワクワクする。
懇親会はホスト役のRツーのOわ社長、行きつけの店へ。
「福ちゃん」という年季の入った居酒屋さんである。
紺色の暖簾が歴史を感じさせ、渋いカウンターを抜けて、小上がりに通された。地下にあるお店で、ちょっと暗い。
細川たかしさんの名曲、「北酒場」は軽快で湿っぽさはないが、北の酒場のイメージは「福ちゃん」のような電灯の下で飲む、暗いカウンターではないかと思う。北海道の歌ではないが、吉幾三さんの「酒よ」の世界だ。
小上がりに上がると、研究会の面々はてんで好きな人同士で固まり、結局我々はメディアのメンバーでテーブルを囲むことになった。自分はこの日、メディアとして来た訳でもなかったから、ちょっと不服だった。まぁいいか。
まずはみんなビールで乾杯となり、自分も生ビールからスタート。お通しはオクラといかのあえもの。
飲み放題だが、もちろん「ホッピー」はなく、日本酒もない。あるものはウィスキーと焼酎。そしてソーダの割材のみ。選択肢があまりない。ハイボールは好みではないので、自ずと「酎ハイ」ということになる。
どんどん出てくるお料理は魚と貝がメインで、おつくりはどん! と大皿で出てきたし、その鮮度も悪くはなかった。さすが、ジモティに愛される店。
Oわさんは自分の席を離れ、我々のテーブルに来た。この辺りは若いのに感心する。そして人懐っこく、様々な話しをしてくれる。人懐っこさは同じだが、性格は事故で急逝された父君とは違う。正反対といってもいい。
お店のお母さんがお料理を運んでくれるのだが、なかなかに面白い人。ユーモアがあり、魅力的だ。名店には大抵いいお母さんがいる。
会の終盤に、秋刀魚の塩焼きが出てきた。1尾まるごとで、しかもかなり立派な魚体。今や高級魚の秋刀魚にかぶりついた。程よく脂がのっていてうまい。ただ、どういうわけか、メディアのメンバーは結局誰も最後まで秋刀魚には手をつけなかった。もし持って帰れるのであれば、その秋刀魚を全て欲しかったくらい。心底もったいないと思った。
この後、二次会としてOわさん行きつけのキャバクラに行くらしい。自分は呼ばれなかったので、ここで解散。
「食べログ」で札幌の酒場を探すと、大体が観光客用の店がヒットする。でも、じっくり腰を落ち着けて飲むなら、ジモティの店に行きたい。今度はカウンターでじっくりと。