古里の暮らしの中で

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川西 地蔵札

2021-10-11 21:08:20 | 川西 地蔵札
旧能義郡赤江荒島飯梨川西24番及び番外地蔵尊名と写真、ご詠歌の紹介

この度、第12番 山根福間屋門地蔵の写真を掲載し、これですべてのお地蔵様の写真を載せました。
松江のマーブルテレビの方がこのお地蔵様ブログを見られた縁で、3回シリーズで放送されました。
プロデューサーの方と偶然お話しする機会があり、その方はブログを見た時、
「なんでこの人は最後まで写真を載せてくれてないんだろう」と思ったと言われました。

当初2008年に取り掛かりましたが、途中でがんになり長い間中断していました。
あれから13年、少しづつ追加しこの度ようやく完成しました。

参考文献:
「飯梨川西廿四番地蔵札ご詠歌」発行所 荒島公民館(荒島地区ふるさと学習会)

詳しいことはこの本に載っていますので、ぜひご覧ください。


文政7年・1821年(今から約190年前)久白・国正寺六世 中興魯範太愚大和尚の発願により「川西24番地蔵札ご詠歌」と題し詠まれたものです。


白い短冊に「南無地蔵大菩薩」と亡くなった方の戒名を書いて、親戚と一緒にお地蔵さんを廻り、お札を貼り拝みます。これを地蔵札打ちと言います。


第1番 久白邑(くじらむら)長安山 国正寺地蔵
ご詠歌:長き世を 安く渡らす国正寺 地蔵の誓い頼もしきかな

地蔵札のお地蔵様は、本堂左手の薬師堂の建物の中の右手にいらっしゃいます。






佐々木地蔵 番外
 国正寺境内、鑿渠の碑の右側にあります。佐々木善右衛門さん宅が男の子が生まれることを願って建立されたものとか。
本来の地蔵札にあるお地蔵様とは違いますが、皆さん、境内のすべてのお地蔵様に札を貼られるようです。



第2番 御墓崎地蔵《鎌倉権五郎廟所》  
ご詠歌:思わるる 古人のお墓すくわんと 崎幾(さき)の世頼む地蔵菩薩に


鎌倉権現


第3番 日白邑伯母地蔵(ひじらむらおばじぞう) 
ご詠歌:伯母地蔵 頼む心は大山(おおやま)の 智明に勝る法の白ら玉






第4番 下日白地蔵(しもひじらじぞう)
ご詠歌:慈悲深し 迷いの雲の渡し舟 晴れ行く先は近海荒島


大きいお地蔵様は昔からあるお地蔵さまです。
ここの町内では、毎年8月にお地蔵様のお祭りがあり、
その際、この大きなお地蔵様を集会所まで運び降ろしていました。
初盆の家が、子供たちにご馳走し、町内の者も拝みに行きます。
大変に重く首も傾いたりしてきたので、このお地蔵様を縮小した
小さいお地蔵様を作ってお祭りし、以来小さいお地蔵様を集会所へ
降ろしてお祭りします。
ちなみにこの墓地は両墓制と言って、埋め墓と祭り墓があります。
ただ最近は埋め墓をやめられるお家が多くなり、わかりにくくなった感はあります。


六地蔵様です。



場所は、松江方面から安来に向かい、安来市に入って初めての信号機の所、少し先の右手にある日白踏切を渡って、100m右手の権兵衛山墓地内

第5番 荒島町角地蔵(あらしまちょう かどじぞう)
ご詠歌:まるかれと思う心は法(のり)の道 角の地蔵と誰かゆうらん



同5番 郡札観音堂内地蔵(こうりふだかんのんどうないじぞう)
ご詠歌:忘るるな 庭の辺り(ほとり)の岩の松 恵む翠(みどり)は地蔵とぞ知れ

お地蔵様は平成15年7月の神宮寺のお社の新築に伴い、新しくなっていました。
以前のお地蔵様は手に何かお持ちになっていましたが、今度のお地蔵様は手を合わせておられます




屋島寺84番のお地蔵様もいらっしゃいました。


第6番 町東後出江怒地蔵(まちひがしうしろ でえぬじぞう)
ご詠歌:世の人が 出江怒地蔵と尊んで(たっとんで)参る心は後の世の種


第7番 懸岩地蔵(かけいわじぞう) 
ご詠歌:浪懸けの(なみかけの)松の岩間に住む地蔵 結ぶ心は涼しかるらん


このお地蔵様は、以前はこの岩の中にいらっしゃいました。
今は危険になったので下に降りられてお堂の中に祀られています。



第8番 海巌山円光寺地蔵 
ご詠歌:金色の 見おば円に(まどかに)光して 地蔵と唱う(となう)海の岩山






第9番 上荒島田中地蔵《一本松地蔵》
ご詠歌:田中より 光り上りし(のぼりし)地蔵尊 近海を添えて頼む浮島(うきしま)


第10番 桜地蔵
ご詠歌:桜木を 打ち割り見れば何もなし 地蔵の種と何か言うらん


桜地蔵様の名のとおり、桜の大木の元にいらっしゃいます。
4月4日ちょうど満開で、王陵の丘の桜が4分咲きなのに比べると
ここの花は少し早い感じです。
残念なことに老木のせいか、少し花つきが悪い感じでした。


第11番 穴地蔵(からじぞう)《ワンワン地蔵》
ご詠歌:何事も 穴から(からから)恵む地蔵尊 参る心は十五夜の月


第12番 山根福間屋門地蔵(やまねふくまやかどじぞう)
ご詠歌:山の根に 住む岩上(いわうえ)の地蔵尊 参れや価ふ福は手のまま









第13番 赤江天御前地蔵(あかえあめごぜんじぞう)《ぼたもち地蔵》
ご詠歌:天御前 姿は清し地蔵尊 参る心は頼もしの君






第14番 越前地蔵(こしまえじぞう)《延命地蔵》
ご詠歌:越す程に 慈悲を施せ人前に 足らんや(たらんや)地蔵 五穀与えん






第15番 住吉灘地蔵(すみよしなだじぞう)
《松原地蔵》

ご詠歌:諸共に(もろともに)般若の船に(はんにゃのふねに)八帆(やほ)かけて 参る心は住吉の灘(すみよしのなだ)






第16番 中島金屋門地蔵(なかじまかなやかどじぞう)
ご詠歌:金屋角(かねやかど) 地蔵菩薩も金多し 布施する心に価ひ(あたい)給わん







第17番 中島地蔵(なかじまじぞう)《浄養寺地蔵》
ご詠歌:中島の 帰命(きみょう)地蔵と唱え(となえ)なば 自在の家と繁り(しげり)栄えん




第18番 江渕地蔵(えぶちじぞう)《夜泣地蔵》
ご詠歌:江渕より 光り出でたる地蔵尊 野辺の砂田も浄土なるらん
松浦そば屋の東側の土手を150M位、線路の方に向かって歩くと左手にブロックづくりの小さい建物があり、その中にいらっしゃいます。中に荒島石が使ってありました





第19番 江陵山法雲寺地蔵(こうりょうざんほううんじじぞう)
ご詠歌:江陵の 夢もさめけり法(のり)の声 寺にたなびく 紫の雲

法雲寺は立派な本堂や庫裡が立て替えられ、永代供養の観音様も新しくできていました。
しかし24番のお地蔵様の中で唯一、昔あったはずのお地蔵さまがありません。

第20番 才下地蔵(さいげじぞう)《カラス鳴地蔵》
ご詠歌:武嶺(ぶれい)山 迷いの雲の晴れやかで 才下の地蔵頼もしきかな 





第21番 上坂田地蔵(かみさかたじぞう)
ご詠歌:浮き草の 迷い晴れたる上坂田 地蔵菩薩は知恵の玉法師
このお地蔵さまは、仲仙寺の境内にいらっしゃいます





第22番 西赤江地蔵
ご詠歌:我が誓い 念仏なせや西赤江 兎月(とつき)の山のあらん限りは





第23番 西中津地蔵
ご詠歌:中津とは 西の境の端(はし)なれど 中を渡らす我が誓いかな 







第2第24番 松葉山《洞谷(どうこく)山》仲仙寺《本尊延命地蔵》
ご詠歌:松風の 葉ねも貴とし(たっとし)仲仙寺 打つや納むる上坂田村
    洞(ほら)見れば 峰の嵐も法(のり)の声 谷の朽木も仏なるらん











番外編

蛇の口 開運地蔵(じゃのくちかいうんじぞう)


南場地地蔵《なんばじじぞう)《いぼ地蔵》


上荒島地蔵


山根紺屋地蔵(やまねこんやじぞう)