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「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

舌根寺と力寿姫

2015-12-07 00:00:00 | ほとけのいおり

(愛知県豊川市財賀町 1991年5月6日)
 正暦年間(990-995)三河国に国司として赴任した大江定基は、三河赤坂の長者、宮路長富の娘力寿姫を愛した。然し、定基が赴任を終え京に戻ることとなり、その別離を苦しんだ力寿は舌を噛み切って亡くなった。力寿の父長富は、長保年間(999-1003)娘の菩提を弔うため赤坂に長富寺(1522-長福寺)を建て、定基は夢に現れた文殊菩薩のお告げの場所に力寿の舌を埋め力寿山舌根寺を建立した。定基はその後出家して比叡山に上がり、寂照と号して後に宋に渡って没した。舌根寺は後に廃寺となり、舌根寺の本尊を祀った文殊楼は村内の財賀寺に移されている。江戸時代に至り、安永五年(1776)には舌根寺跡に力寿碑を建て、あわせて桜が植えられた。


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