先日、屋久島に行ってきましたので、今日は番外編でちょっと屋久島のお話をさせていただきます。
屋久島といえば、シカやサルがたくさんいて・・・・。
もののけ姫の森があって・・・。
とっても自然が豊かでステキな島です。
でも。
個人的には、島の生態系や自然の不思議さを知ると、もっともっと愛おしくなる島だと思います。
今回、ワタシは自然豊かな屋久島の森をとことん堪能したいと思いまして、元「生物のセンセ」であるOさんという素晴らしいガイドさんに案内してもらいながら「もののけ姫の森」を探検してきました。
このOさんは、1質問したら10教えてくれる素晴らしい方で、本当に色々なことを教えてくださいました。
たとえば・・・・。
屋久島の名所「縄文杉」には、1日で500人~1000人くらいの人がやって来ると言われています。ワタシは、そんなにたくさんの人が毎日森に入って木の根を踏みつけていったら、木が傷むのではないのか?とOさんに質問してみました。
すると、すぐに答えが返ってきました。
「もちろん傷みます」
そして、説明を続けてくれました。
これは人が通る道を横切るようにして這っている木の根です。
太い根だけが見えますね。
でも、もともとは、こんな風にこの根の周りにはもっと細かい根がたくさん這っていたんです。
この写真は、通路から少し離れたエリアの地面です。人に殆ど踏まれていないので、細い木の根も元気に生きています。
しかし、こうした部分にも人が入るようになって何千回、何万回と根が踏まれて痛めつけられると、根は次第に枯れ、やがて「腐植化」して土となります。細かい根が土となってしまうので、肉眼で見える根は、ワンランク太い根になります。
それがこんな感じです。
でも、こうしたワンランク太い根もやはり何千回、何万回と踏まれると、やがて枯れて腐植化して土となり・・・・。
こんな風にもっと太い根だけが残るようになるんです。もちろん、こんな木は死に着実に近づいています。
・・・ナルホド!と納得しつつ、自然を知るために自然破壊に加担するという矛盾に複雑な心境になりました。なので、Oさんの「・・・だから、生態系について少しでも知って帰って欲しいんです」という言葉にちょっと救われました。
もちろん、木はただただ死ぬ一方ではありません。
木が枯れて倒れれば、そこに新たな空間が出来ます。久々に地上にたっぷりと太陽の光が届くようになった大地では、色んな木の芽が急激に成長を始めます。
真ん中あたりに生えているのが杉の芽。
杉というのは、成長するのに光をすごく必要とするそうです。
光が少ないと、周囲に芽生えた広葉樹の方が先に成長してしまって一層光をさえぎられてしまい(屋久島の森は、常緑照葉樹、落葉樹、針葉樹がひとつの森の中で入り混じって生えています)なかなか大きくなれないのだとか・・・。でも、光さえ当たれば、大きくなれるチャンス大なのです!
だから、今はすごく小さなあの杉の芽も、環境さえ整ったら数千年後には
こんな風にBIGになっていることでしょう!
なんとも気の遠くなる話ですが・・・。
そんなわけで、Oさんのおかげでとても生々しい屋久島を堪能することができました。Oさん、ありがとうございました!