台南・ダイアリー

台湾の台南市で3年、新竹市で2年駐在して、色々な所へ行ったり美味しいものを食べたりしました。

國華街之小吃(前)-台南地域情報2

2005年09月14日 | 台南



         ( 民族路と國華街の路口 )


 國華街には、台南の有名小吃店が多い。 

ここに行かないと、「 台南でメシ食った。 」 - って言えないゼ!

( 小吃 - シャオツー、軽食のこと )



國華街の有名小吃店群は、
地域的には、上の地図のように、西門路と平行した
” 永楽長楽市場 ( 水仙宮市場 ) ゾーン ” のあたりにある。

この辺には本当に沢山、
台湾ローカルの観光ガイドブックに載っているような
昔からの ( = 古早味、グーツァオウェイの ) 小吃店が多いので、
一回では、ちょっとそれら全部を紹介するのは無理だ。

ということなんで、
今回は、特に有名なミセで、民族路との路口の近くにある、

” 金得春捲 ”
” 富盛號 ”
” 阿松割包 ”

の三つのミセを、まず紹介してしまうことにした。
( だから、今回のタイトルには ( 前 ) って、つけておいたゾ。
  それでもって、( 中 ) や ( 後 ) については、
  同系統のネタばっかり書くと、飽きてきちゃうから、
  もう少し違うネタを紹介してから、その後また書くことにするヨ。 )


(1)金得春捲

いっとう最初に断っておくが、
このミセで売っている ” 春捲 ” は、
日本人のオレ達が普通に考える ” 揚げ春巻 ”とは、
全然関係ないものだゾ。

” 春捲 ” という名前こそついているが、
実は、大陸中国の南部 ( 福建省など ) や台湾で、
春の ” 清明節 ”の時に食べる
” 潤餅、ルンピン ” というものなんだ。



” 金得春捲 ” は、
民国40年 ( 1951年 ) に、初代の ” 李金得 ” さんが始めたミセだ。
当初は冷飲の店だったが、
清明節の日に ” 春捲/潤餅 ” の需要が高いのに気がついて
商売換えをした。
売り始めた頃は、あまり売れなかったらしいが、40年位前に、
野菜を沢山入れた今の作り方に改良してから、
人気がでて國華街の名物になったということだ。

値段は1個30元。
ちょっと甘いあっさり味だが、ぶっといので、1個でも結構腹がふくれる。
ミセで食べれば、清湯(チンタン、具なしスープ)もタダで飲めるヨ。

一応、営業時間は 8時半~18時だが、
午後の3時、4時にはもう売り切れになっているケースが多いから、
行くなら、早めが良いゾ。



上が ” 春捲 ” を作っているところだが、
すごく色々な材料を包んでいるのが判るネ。
( ちなみに中身は 
  - 豚肉、エビ、薄焼き卵、キャベツ、そら豆みたいな豆、乾燥豆腐、
    香菜、ピーナツの粉と砂糖 なんかだ )

薄い小麦粉の皮で材料を捲いた後、
鉄板の上で軽く焼いて、表面をパリッとさせてくれるので
焼き色がおいしそうな感じの出来上がりになる。

良い材料が色々入っていて、
オレは、なかなか爽やかな味わいのものだ - と思うが、
どうしても ” 甘い春捲 ” に抵抗がある人がいたら、
作ってもらう時に、
ピーナツ粉と砂糖を混ぜたものを、除けて作ってもらうと良いゾ。



左上の写真が、
買ってきた春捲を上からみたところで、
右上の写真が、断面の状態だ。

今回食ってみて気がついたんだが、
この春捲は、端っこからかみついていっても、
皮が変に破れたり、具がばらばらこぼれたりしなくて
大変食いやすい。
テイクアウトして、屋外で食っても全然問題ないゾ。

このミセの紹介のついでに、
” 何故、清明節に春捲/潤餅を食うのか? ”
の由来を簡単に説明しておこうと思う。

清明節は、
農暦の春分の日から数えて15日目のことで
中国古代天文学上の24節季の内の一つだ。
そして、古来、漢民族にとっては
” お墓参り&掃除の日 ” になっている。

清朝末期、太平天国の乱の際 ( 150年位前かな ) に、
戦乱は、南方の福建省にまで及んだので、
当時の人々は、清明節になっても、
お墓のお供えものをちゃんと準備する時間が足りなかった。
そこで、困った福建省の人々は、用意した食材を、
全部まとめて餅皮に包んで、お墓に供えたのが、
今、中国南方の人や、台湾の人が、
清明節に潤餅を食べることの起源になったらしい。



(2)富盛號

” 富盛號 ” で売っているのは、
” 碗粿、ワーコエ ” っていう、
日本には類似品が存在しないものだが、
まぁ、簡単に言って、
” もち米のプリン ( 甘くはない ) ”
だと思っておけば、そんなに間違いはないだろう。



” 富盛號 ” は、40年以上
” 碗粿 ” と
” 魚庚 ( ユイグン、揚げた魚入りのとろみスープ ) ”
だけで商売をやっているミセで、
碗粿の評判でいうと、
おそらく、台湾全土でも1、2番をあらそう人気店だ。

営業時間は、7時~17時で、
値段は、” 碗粿 ” ” 魚庚 ” ともに30元だ。
ここも、午後遅くなると売り切れてしまうので
( 毎日売り切りで、作りおきは、一切しない方針らしい )
行くなら、なるべく早くに行ったほうが良い。

ここの碗粿の作り方をちょっと書いておくと、
もち米を、少しの間水に浸しておいてから、削って粉状にし、
サツマイモのスターチと一緒に碗に入れて蒸しあげる
- というものだ。
具には、
赤身の豚肉、エビ、ひき肉 なんかが入っている。



上の写真が、
店先の様子と、買ってきた碗粿 ( 1個30円 ) だ。

碗粿には、白っぽくてそれ自体には味が無く、
タレをかけて食べるものと、
ここのもののように、茶色くて、
碗粿自体にも、少し下味がついているものとがある。

いずれにしても、勝負どころは、
生地のQQ感 ( もちもちした感じ ) と
生地と具のコンビネーションから来る味わいとだ。

そして、” 富盛號 ” のは特に
程よいQQ感と自然な味わいがあると言われている。
最大のライバルは、同じ台南市内にある
” 小南碗粿 ” だろうが、
こちらのは、
” 富盛號 ” に較べてQQ過ぎる という意見も結構ある。



(3)阿松割包

” 割包、クワパオ ”
っていうのは、二つ割りの肉まんの生地の間に
豚肉とか酸菜とかをはさんだ、中華風ハンバーガーだ。
もともとは、中国福建省の点心だが、台北の方に
” 石家割包 ”
っていう有名なチェーン店もあるし、
” 潤餅 ” とか、” 碗粿 ” よりは、
日本人にとっても食いやすく、よく知られているものだろう。

大陸だと、簡体字で
” 刈包 ”
( ちなみに中国語で草刈りを表す言葉は ” 割草 ” だ ) 
台湾の田舎だと、同音の当て字で
” 掛包 ”
なんて書いてあることもあるが、同じ食い物のことだ。



” 阿松割包 ” は、
もともと、当代の林清松さんのお父さんが、
福建省で ” 割包 ” の作り方を教わってきて、
赤嵌楼の近くで開店した店だ。
材料が高く、製法に手間がかかる割には利益が薄いので、
何回か閉店してしまっていた。
けれど、今の場所に移ってきてから人気がでてきて
ここ20年ほどは、順調に営業しているとのことだ。

営業時間は、8時~18時で、木曜日はお休みだ。
割包には、” 普通肉 ” 2個50元
     ” 赤身肉 ” 2個60元
     ” 豚の舌 ” 2個70元 の3種類があって、
ミセで食べても、持ち帰っても
” 清湯 ” がサービスされる。
( 確かにこの値段では、利益をだすのは難しいだろう。 )

そこそこの大きさのものだが、全然脂っこくないので
男なら2個はぺろっといける。
清湯は漢方薬のにおいがするが、それほどきつくないし、
割包に合うから、一緒に頼んだほうが良い。
( タダだし )



上の写真は、
” 割包 ” をつくっているところと、
このミセの
” メニュー ” だ。

このミセの割包の特徴は、
肉の調理法と味付けの仕方にある。

肉は、一般的な割包みたいに油の多い部分を
醤油で煮込んだものではなく、
赤身肉や豚舌などを、
紅糟 ( ホンザオ、米と赤い麹から作る調味料 ) とか漢方薬で
1時間程度煮たものなので、
ちょっとピンク色で、味もすごくあっさりしている。

味付けに使うタレは、
一般の割包は甘辛しょうゆを使い、
” 石家割包 ” は赤い甜麺醤を使っているが、
” 阿松割包 ” では、他のミセとはちがって、
芝麻醤 ( ツーマージャン、ゴマダレ ) を使っている。
あと、
” 阿松 ” では、” 石家 ” と同じで、
味付けに、タレだけでなく、ピーナッツ粉も使っている。
( でも ” 石家 ” ほど沢山は入れてないようだ。 )

” 阿松 ” の味わいはすごくさっぱりしているので、
胃に負担がかからず、何個でも食えそうな感じだ。
逆に
「 オレは、こってりしたヤツが食いたいんだい! 」
っていう人がいたら、台南では、前に紹介した、
 ” 滬豐 ” へ行って、
” 滬豐東披肉 ” ( これも割包の形をしている ) を食うと良いゾ。



左上の写真が、買ってきた
” 阿松割包 ” の割包だ。

”金得春捲”もそうだが、この”阿松割包”も
もちろん、作りたてが一番うまいんだが、
時間が経ってもそんなに味が落ちない。
(皮がしっかりしてるので、へたりが少ないからだと思う。)
それに、食べてるときに、ばらばら崩れてこないから
外で食うのに都合が良い。

一番上の地図の、長楽市場の海安路側には、
右上の写真みたいに、オブジェやベンチが多く作ってあるし、
少し南に歩けば、大きな
” 水萍温公園 ” もあるから、
( 水萍温公園には、 ” 客家資料館 ” もある )
休みの日には、今日紹介した
” 春捲 ” や ” 碗粿 ” 、 ” 割包 ” を買って、
長楽市場を見物したり、公園に行って
買ったものを食べたりして
ゆっくり遊ぶのが、なかなか楽しいゾ。



最後に、
ちょっとだけ歴史の話になるんだけど、
二~三百年以上前、台南市の海岸線は
実は、今の西門路と同じ位の場所にあった。
( だから、今の台南市の西区のあたりは殆ど海だった。 )

しかしその後、台江の堆積作用によって陸地が広がり、
海岸線はだんだんと西へ移動していった。
そして、海岸線の移動により新規に増えた土地には、
海から採れた蝦や魚の海産物を扱う市場が、
新しい海岸線と平行に、立ち並ぶようになった。

そんな市場が、
水仙宮を中心とした場所の
” 永楽市場 ” と ” 長楽市場 ” や、
少し南の方の、
” 大菜市 ” とか ” 保安宮市場 ”
なんかなんだ。

今でも、西門路に沿って南北に点在している、
古くからの市場は、
もともとは、こういう由来で、できてきた
- って、そういうわけなんだヨ。




さてさて、最後にちょびっと歴史の話もしたから、
今回は、ここら辺で終わりにさせてもらうことにしようかナ。

と・こ・ろ・で・
なかなか、場所やミセの紹介が進まないもんだから、
このごろ、
” エリアで区切って一度にドバッとミセを紹介する ”
作戦を実行してみたんだが、
やってみたら、
とにかく一回書くのに、すげー手間がかかる!
それに、こんなやり方じゃあ
今日紹介したみたいな、有名店には、
ちょっと失礼な感じもする。

そういうことで、
この ” 國華街 ” の紹介シリーズの後は、
また少しづつの記事を、こつこつ地道に書き続けることにするヨ。


じゃあネ ♪




一昨昨日のヒット数 - 824
一昨日のヒット数 - 658
昨日のヒット数 - 662

一昨日は、練習はやりませんでした。
昨日は、ジムでウェイトと4kmJOGをやりました。
今日は、ジムでウェイトと6kmJOGをやりました。

高雄のレースまで、あと25日。

( 同じ日に開催される台中の
  ” 舒跑国際国道馬拉松 ”
  の方が大きいレースですが、泊りがけの参加になってしまうので、
  やはり近場の高雄で開催される
  ” 三商巧福路跑比賽 ”
  の方を走ることにしました。 )





最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
碗粿 (九九)
2005-09-17 02:08:07
こんばんは。

碗粿なら、機会があればぜひ麻豆の碗粿蘭へいってみてください。

脅威的な客の多さで、いつも出来立てです。とてもやわらかくておいしいですよ。少し不衛生な感じはしますが・・・。



返信する
九九 さんへ (kool_tada)
2005-09-20 22:42:54
九九 さん、



コメントありがとうございます。



推薦頂いた碗粿蘭、前から話には聞いていましたが、麻豆はバスで通過したことしか無くて、残念ですがまだ行ったことがありません。

たしか2~3年お休みしていて再開したお店ですよね。今度車で北に行くときには、高速からも近いみたいですから、ぜひ寄ってみたいと思います。



また、お時間が御有りのときは、ぜひこのBLOGにもお越しください。

では、失礼いたします。
返信する

コメントを投稿