台南・ダイアリー

台湾の台南市で3年、新竹市で2年駐在して、色々な所へ行ったり美味しいものを食べたりしました。

郷村(台南)-台湾黒鮪魚的季節

2005年06月06日 | うまいもの




台南 ( 台湾 ) の人はマグロが大好きだ。

街にすし屋も多いし、刺身の専門店もある。
特に人気があるのが、くろマグロの刺身で、
” トロ ”
はすでに、台湾の標準語として通用する言葉だ。

特に、5月初~6月末が、
” 黒鮪魚 ( ヘイウェイユイ、くろマグロ ) ”
の旬だっていうんで、
今頃になると海産店には、マグロのポスターが良く出ていて、
食べるネタを選ぶときに、ミセから薦められることが多い。

ということで、
今回は、長栄路5段にある、マグロと羊肉を専門に扱う食堂、
” 郷村 ”
に行った話を書く。


   

このミセに行っ時には、
たまたま、はげたラオパンが一人だけで商売していて、
ラオパンには、オレ達の下手な北京語が全く通じなかった。

- ということで、
今日紹介する食い物は、オレ達が意図して食おうとしたものではなく、
意味不明の言葉のやり取りの末に、結局
” おまかせ ”
で出てきたものなんである。
( だから、それぞれの料理の名前は不明だ! )

左上は、突き出しの蝦だが、
すでに調理されたあと、結構長く冷蔵庫に逗留していた雰囲気がある。
オレと黒シャツ隊のT君が、腹の調子を気にしながら2匹ずつ食い、
黒シャツ隊のM君は、手をつけなかった。

右上は、マグロのカマの黒胡椒焼きで、
これはうまかった。
油ののったカマに、たっぷりと黒胡椒を振って焼いてある。
ビールのアテに最適で、また来て食っても良いナ。


 


左上は、スズキみたいな魚の鍋。
台湾の人は鍋が好きで、こんな暑い季節になっても
海産店では、みんな鍋を頼む。
オレ達は、頼んだ覚えが無い鍋を、
汗が噴き出さないように、時間を置いて
少しずつ、少しずつ、
食べていった。

右上はマグロの刺身。
こいつが出てきたとき、オレはちょっと緊張した。

台湾では、マグロの値段が高い
( 一切れが 400円 = 1350日本円 もする )
- ということはよく知られているが、
その一方で、普通の人は、
大トロ、中トロ、赤身 の部位の違いとか、
黒マグロと 他のマグロの違い とかに、
余り詳しくない。

そこで、
上の写真に写っているような、色の薄い
びん長マグロ ( いわゆる ” シーチキン ” の缶詰にするマグロだ )を
黒マグロの 大トロ並みの値段で売ったりするような
悪い( 黒心な )ミセが、結構多いんである。

「 マグロ刺身の値段だけ聞いて、あんまり高かったら
  ” 小僧の神様 ”
  みたいに、返しちゃおうかナ。 」
とも思ったが、
「 まぁ、最後に勘定を聞いて、変な金額だったら
  黒シャツ隊が、テーブルをひっくり返すだろう。 」
と鷹揚にかまえることにして、
なんか ” みずようかん ” みたいなこの刺身を
ぺろっと食べちまった。




上が、この日食ったものの全体だ。
鍋があるんで、3人前にしては多すぎる。

やっとこさっとこ
” 資源の浪費 ”
と、非難されない程度の残り状態になるまで食って、
勘定を聞いたら、
一人大体300円位だった。
思ったよりずっと安くて、拍子抜けしちゃった。
( 良心的なミセだ! )


 


上の写真は、このミセのラオパンだが、
” 羊肉とマグロ ”
の専門店を経営しながら、
” 蜆エキス ” の商売もしている。
うしろのポスターは、光が入ってしまっているが、
紛れもなく、
このラオパンがモデルをやっている ” 蜆 ” のポスターだ。
( 頭の形をみよ! )




------ ここからまじめなマグロの話 ------

太平洋の黒マグロは、太平洋全体を回遊しているが、
4月~7月には台湾近海、それより少し遅い時期には日本近海に来て
” 大陸だな ” の上で、黒潮の潮目になる場所に産卵する。
( マグロは、幼魚時代は泳ぐのが下手なので、
  楽してプランクトン類が捕食できる、
  海流のぶつかるポイントで、生育する必要があるんだ。 )

日本では冬の三陸沖のマグロが珍重されるが、
台湾では、量が取れるこの ” のっこみ ” の時期が
” 黒マグロの季節 ” ということになっている。

ちなみに、
マグロの稚魚は、1m弱の大きさになる1才までは、
日本とか台湾がある、太平洋の西側を南北に泳いでいるが、
それ以後は、太平洋東側のカリフォルニアあたりに泳いで行って、
2m弱の大きさになる6才まで暮らしている。
そして、2m位になると、また、台湾とか日本の方に来て産卵する。
こいつを ” はえ縄 ” 漁なんかで捕獲するって言うわけだ。

前に、” 梅金海産 ” のときに説明したが、
台湾の海産関係の産業は、近年になって飛躍的に発展したもので、
黒マグロの水揚げも、
1900年には 2、000本しかなかったものが、
2000年には10、000本に急激に成長している。

以前は、輸出主体だったんだが、
台湾の人のマグロ好きが年々高じて
今では、8割が台湾内で消費されている。

一番水揚げが多いのは、屏東県の東港。
毎年数千本位で、ともかくここが有名だ。
二番目は、
宜蘭県の蘇澳港で、毎年3千本弱があがる。

今年は、スマトラ沖大地震の影響で、
台湾では、1月に異常にマグロが獲れたが、
逆に、今の時期は例年より少なくて、高値になっている。

冷凍マグロの港での値段は高い時で
1斤 ( 600g ) が1、500台湾円位なので、
日本よりは安い感じだが、
レストランで食べると、1切れが400台湾円にもなる。
港から、レストランのテーブルまでの、
流通過程での価格の上昇率は、
日本より遙かに大きい。

だが、そこで儲けている人が多い割には、
レストランなどでの、冷凍マグロの取り扱いは、
まだまだ、よく知られているとは言えない。
海産店で、マグロの刺身を頼むと、
解凍時にドリップが全部出てしまって、
だら~っとした感じになっているものとか、
まだ凍っていて、シャリシャリするものとかが
出てくる確率がすごく高い。

食べ手側も、まだ表面的なブームの段階だが、
供給者の方も、まだまだマグロの取り扱いに慣れていない様だ。

みんなも、
台湾でマグロの刺身を食べるときは、
メニューだけを見て注文しないで、
実際のマグロの ” さく ” をみてから
頼んだほうが良いゾ。
白く凍っているところが有るヤツとか、
稜線がだれて、全体に元気なく丸っこくなってるヤツとかは
避けたほうが賢明だ!

それから、
自分で冷凍マグロのさくを解凍するんだったら、
薄い塩水を30~40度にしたものを用意して、
さくを、1~2分、どぶんとつけると良いゾ。
あとは表面の水気をよく拭いて、
冷蔵庫でゆっくり解凍すれば、
素人でも、結構おいしく解凍したマグロが食えるヨ。




最後になるが、
東港では、6月26日まで毎年恒例の、
” 屏東黒鮪魚文化シーズン ”
フェスティバルをやっている。
観光で行っても、なかなかおもしろい - そうなので
機会がある人は出かけてみるといいだろう。
各土曜の夕方に、催し物があるので、
週末に行くといいゾ。
( 高雄からバス便があるヨ )



------ ここでまじめなマグロの話終わり ------






- っていうことで、

本当は、
” 台湾の冷凍船に乗る日本の漁師 ”
とか、
他にも色々のことを書きたかったけど、
すごく長くなったので、

とりあえず・今日はここまで ♪




一昨昨日のヒット数 - 664
一昨日のヒット数 - 612
昨日のヒット数 - 605

一昨日は、ウェイトと5kmのJOGをやりました。
昨日は、成功大学のトラックで14.5km位流して走りました。
今日は、練習は休みでした。

台中国際レースまで、あと123日。




・・・・・ PS映画の話 ・・・・・

ブルース・ウィリス、
ミッキー・ローク、
ナンシー・キャラハン、
なんていう豪華メンバーで、映画化した
フランクミラー原作のコミック
”Sin City”

最悪だった。

コミックのスタイリッシュな部分は
全くうまく実写化されることがなく、
グロな部分だけが、どえらい前面にでていて、
とても気味が悪いシロモノになってしまっている。

人肉食い とか 薬の副作用 みたいなことが
オチのネタになって強調されているんで、
原作のハードな雰囲気が、
病的なものにとって変わられている。

唯一面白かったのは、
CGとメイクで
あの、しまりの無いミッキーロークが
すごいタフガイに映されていることだけだった。

女の人がきれいなんで +100点
映画がダメなんで -80点

結果20点。

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