さ~て今日は、
台湾中の ” 有名肉まん ” を徹底的に分析する
” 台南包子研究中心 ” シリーズの 第3回と第4回だ。
今回は、前に予告したとおり、
台湾でも一、二を争う超有名肉まん、
「 台東には、この肉まんがある! 」 と広く知られた
” 東河包子 ” を紹介するゾ。
「 あれ、何で ” 東河包子 ” の紹介だけなのに、
シリーズは 第3回 と 第4回 の 2回分なの? 」
と、疑問に思う人に答えると、
実は、台東県の東河村には、
” 東河包子 ” っていうミセは2軒あって、
( ” 纏記東河包子 ” と ” 東河包子 ” )
今日はその2軒を、両方とも紹介するからなんだ。
最初にお願いしておくが、
今回はすごく長い報告だけど、結構頑張った内容なんで、
とばさないで、じっくり読んでくれよナ。
****** それでは はじまり はじまり ******
今回の報告をするにあたり、
” 東河包子 ” が、台湾ではどれくらい有名か 調べようと、
MSN台湾で、インターネットの ” 関連記事数 ” を検索したところ、
これまで このシリーズで取り上げた
第一回の ” 新竹 の 黒猫包 ” が 記事数 64
第二回の ” 台南 の 禄記 ” が 記事数 63
なのに対し、
この ” 東河包子 ” は、何と 104 もの記事で取り上げられていた。
うちの事務所に出入りしている 宅急便屋 に聞いても、
” 台東 の 東河包子 ”
” 新竹 の 黒猫包 ”
それと、今後紹介予定の
” 嘉義 の 就是我包子大王 ”
が、宅配取り扱い数が多い肉まんの、
” トップスリーです ” って言っていた。
( 宅配してない包子でも、うまくて有名なのは多いから、
この情報は 一つの参考 だけだとは思うけどネ。 )
いずれにしても、
すでに知ってる人も多いし、色々紹介されている肉まんなんで、
いい加減な内容じゃ、誰も納得しないだろう ってことで、
オレ達は、ふんどしを締めなおして、今回の分析を開始したゾ。
肉まん分析 -
まずは、外見のチェックからだが、
東河村の二つの ” 東河包子 ” のうち、
左上の写真が ” 纏記東河包子 ” で、
右上の写真が ” 東河包子 ” の外観だ。
両方とも、大きさは肉まんとしては、” 中くらい ” だナ。
普通の、少し扁平な形で、上部の皮のまとめ方がそっくりだ。
ところで、知ってるかもしれないけど、
” 纏記 ” みたいな ”○記( チー) ” っていうのは、
大体、日本でいう ” ○印 ( じるし ) ” くらいの意味だ。
そして ” ○ ” の所には普通、創業者の名前の文字が、使われる。
こういう、名前だけからすると、
” 纏記東河包子 ” の方は、何となくだけど
” 東河包子 ” の名声にあやかった
” コピー ” みたいな感じもするネ。
でも、実際に 台東県東河村 に行って見ると、
実は、
” 纏記 ” の方が、デカいミセ構えで、目立つのに対し
” 東河包子 ” の方は、古くて、ちょっとしょぼい 店舗なんだよナ。
「 いったいどうなってるんだろう? 」
ちなみに、
この2軒の東河包子は、両方とも
インターネットに HP を持っていて、宅配もしているので、
みんなも下のURLを調べれば、
台東まで行かなくても、二つとも注文できて、
” 食べ比べ ” することもできるゾ。
” 纏記東河包子 ”
http://www.dunghe.com.tw/
” 東河包子 ”
http://donhubouz.myweb.hinet.net/
上が、それぞれ
” 纏記東河包子 ” と ” 東河包子 ” の断面だ。
かなり似ている。
皮は両方とも、薄めでQQ感があってうまい。
ごくわずかな違いは、
” 纏記 ” の方が、比較的、
餡が練りこんであって、ペーストっぽくなっているのに対し、
” 東河包子 ” の方は、
餡の練りが少なくて、少し脂身の多い肉が、
” ごろごろ ” っていう感じで、入っていることだろう。
ところで、
上の方に書いたURLへ行って
二つの ” 東河包子 ” の来歴を見ると、
何と! そこには、全く同じ ヒストリー が書いてある。
つまり、二つのミセが両方とも、その来歴を
(1)民国44年に、東河村の警察署を辞めた先代が、
福建省の料理人を雇って
警察署の対面に ” 東河飯店 ” を開いた。
(2)福建省から招いた料理人が年をとってきたり、色々の事情があって、
やがて ” 東河飯店 ” を、元のレストランから、
一番人気がある包子一本の ” 東河包子 ” に変えた。
- だって書いているんだ。
しかし 今現在、
実際に東河村で、警察署の対面にミセを構えているのは、
” 東河包子 ” の方だ。
「 それじゃやっぱり、” 東河包子 ” が本家で、
” 纏記 ” は、歴史をも騙る、ふとどきなコピー なんだろうか? 」
さて、それでは、いよいよこれから、
” 台南包子研究中心 ” の主要スタッフによる、
二つの東河包子の ” 分析結果 ” を下に公開する。
ありゃりゃりゃりゃ、
本家と思った ” 東河包子 ” の方が、
” 纏記 ” に、
総合点で、少し負けちゃった !!
これは、
こってりした味の肉まんが好きな、tada と ramen は、
両方の肉まんに、同点をつけたのに対し、
( 実は ramen は知らされるまで、この二つを同じ肉まんと思っていた。
その位、お互いに似ている肉まんだ。 )
脂身に抵抗がある vivian 、 no-su と、 tshen は、
” 東河包子 ” の餡に、
ちょっとだけ、厳しい評価をつけたので、
そういう ”好み ” の違いが、
この結果に結びつくことになった みたいだネ。
さてさて、
この、予想をくつがえす ” 纏記 ” のおいしさには、
オレ達みんなが、けっこう/相当、びっくりした。
それで、当然なんだが
「 これは、どういう ワケ があるのか調べるっきゃないゼ! 」
っていう話になって、
前に ” 茂雄蝦仁肉圓 ” の回に ( 画像つきで ) 登場した
情報調査関係の 専門家、
” 李秀玲 台南包子研究センター主任研究員 ” が、
” 纏記 ” と ” 東河包子 ” へ直接に、
調査取材を申し込むことにしたゾ。
( 彼女は以前、台東に行った時、親戚から
「 間違わないように、警察署の対面のミセが ” 本物 ” の方ヨ。 」
と言われて、” 東河包子 ” を買って帰った
っていうことがあったので、
特に今回の分析結果が、意外だったみたいだ。 )
下に書くのは、その ” 直接取材 ” の結果、判ったことだ。
( 上の写真は、東河村の北にかかっている ” 東河橋 ” )
直接取材の結果判ったことなんだが、
な・な・何と !
” 纏記東河包子 ” と ” 東河包子 ” は、
” 実の母と息子 ” が、
それぞれ やっているミセなんだそうだ。
つまり、
” 纏記東河包子 ” の方は、先代の ” 楊金盾 ” さんの奥さんの
” 林不纏 ” さんが、
( 台湾じゃ、女性は結婚しても、姓を変えないのが一般的だ。 )
” 東河包子 ” とは違う場所に、新たに始めたミセで、
” 東河包子 ” の方は、先代の長男の
” 楊泰宗 ” さんが、先代の跡を継いでやっているミセだ
- っていうことだ。
そして、
この説明を聞いたときに、当然起きる
「 どうして、息子じゃ無く お母さん の方が、
先代の残した ” 東河包子 ” を出て、
新規のミセを始めたんだろう? 」
という疑問には、
” 纏記 ” という、
新しい方のミセの屋号にも使われている、
この母の名前が、
ある意味で、一つの答えになっている。
” 林不纏 ” さんは、実は、
もともとの生家から、
林家に 養女としてもらわれてきた人だが、
養女になった際に、林家で
” 不需纏過去( 過去にとらわれないように ) ”
という意味をこめて、
女性の名前としてはかなり特異な、
” 不纏 ” という名前がつけられた。
そして彼女は、
ご主人の ” 楊金盾 ” さんの没後、
その名の表す通りに、
すでにかなりの高齢だったにもかかわらず、
それまでの人生にこだわることなく、
何十年もやってきた ” 東河包子 ” を、あっさりと長男に代譲りして、
自分は新しいミセで、
女性の好みにも合うような、
新規の工夫を加えた肉まんを、売り始めることにしたんだ。
結果、
” 纏記東河包子 ” は、
オリジナルに負けない位の成功を収めたんだが、
” 林不纏 ” さんのチャレンジは、これだけにとどまらず、
さらに、つい最近は、台北にも進出して、
” 纏記 ”
の支店を開店するまでになっている。
台北県新店市民権路 にあるそのミセは、
東河村にある、もともとの
” 東河包子 ” からはもう、とても想像もできないような
すごくおしゃれな ” カフェ- ” のようなミセだ。
そして、ここで出す 肉まんの味も、
都会に住む人の趣味に合うように、
東河村の ” 纏記 ” よりも、さらに、
脂身が少なく、なめらかな舌触りになるように
工夫されているそうだ。
- という、以上の内容が、
李 主任研究員が調べてきた、渾身の取材の結果だ。
( すげ-! )
そして、この取材の結果を知った オレ達は、
当初、オレ達が予想したような、
” 人気肉まんのコピー ”
みたいな、
つまんないこと とは全然違う、
” オリジナルを守り続ける息子 ” と
” 次々に新規の挑戦をする母 ” が、
” 伝統と進化 ” という、
それぞれ、違った スタンス から食わせてくれる
” 東河包子 ”
っていうのは、やっぱり、
「 台湾を代表するのに、本当にふさわしい肉まんだナぁ。 」
なんて、
遅ればせながら、
肉まんの味と一緒に噛み締めて、
何だかシミジミ、思ったりしたのサ。
****** 今回の報告はここまで ******
それじゃ、またネ ♪
四日前のヒット数 - 531
一昨昨日のヒット数 - 496
一昨日のヒット数 - 538
昨日のヒット数 - 581
一昨昨日は、夜、成功大学で8kmのJOGをしました。
一昨日は、ウェイトだけやりました。
昨日は、練習は休みでした。
今日も、練習は休みでした。
舒跑盃ロードレースまで、あと20日
包子は台北でしか食べていないのですが、一番印象に残っているのは、台中出張のときに朝食に買っていた尊龍客運バス乗り場の隣りの店(MRT忠孝復興駅付近)の肉包です。
私もコッテリ派ですが、ここのは脂身が全くないのに味にコクがあり、何より美しいピンクの肉色がとても鮮烈でした。店名を覚えてないのですが、もし機会があれば取り上げてください。
いらっしゃいませ。
meiryo さんが台北で食べた肉まんは、
復興南路一段180號の ” 姜太太包子 ” だと思います。
私が拾ってきた画像のショートカットを下に上げますので、
ちょっと、確認してみてください。
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/15/ca3879a9aa3edf0591382f9c0209a79c.jpg
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/40/4a1ec6756c38108342ea920194fd333e.jpg
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/56/6c50545da9bb9b6f5031415e2912833b.jpg
肉まんとしては、ニューウェーブですが、
台北ではなかなか人気があって、日本のサイトの ”旅々台北”でも、
一度取り上げられていますよ。
肉まんのシリーズは、ちょっと先まで予定が入っていますので、
紹介は遅くなってしまうかも知れませんから、
とりあえず先に”旅々台北”の方を読んでみてください。
それと、”姜太太”についてですが、
この名前は、私は周を立国した秀才、”太公望呂尚”に
「 覆水盆に返らず。 」
といわれてしまった奥さんのことから来ているとおもうのですが、
(太公望の名は、姜子牙ですので)
あるいは、本当に姜さんの奥さんのミセなのかもしれません。
また時間がおありの時は、ぜひお寄りになってください。
それと、また是非機会を見つけて、台南にお越しください。
それでは!