ぽろろ、ぽろろ。(1)

2017-03-30 21:34:26 | 童話
僕のいる窓の外から、
『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』
と聞こえてくる。
「だぁれ?」
風が遠くで僕を呼んでいるのだ。
「なぁに、宿題が終ったら外で遊ぼうよと言っているの? 30分位で宿題が終るので待っててね。」

「宿題が終ったよ、何して遊ぼうか。よしっ、駆けっこをしようよ。だけど、1人だと寂しいから、いつも一緒に遊んでいる友達を呼んで来るね。」
3人の友達と僕の4人で風と競争をした。ヨーイドン 。
「風君は速いなぁ、僕達4人は全然かなわないや。」

公園の木の上から
『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』
と聞こえてくる。
「だぁれ?」
小鳥が呼んでいるのだ。
「なぁに、僕は羽根がないから一緒に飛べないよ。えっ、きれいな歌声の競争をするの? 僕は歌がうまくないから、小鳥君が唄ってよ。」
「ピピピピ、チチチチ、ピーピピ、ピーピピ。」
「やっぱり小鳥君は歌が上手いね。
だけど、『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』とは鳴かないの?
『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』と鳴くのは友達を呼ぶ時だけなのか、だから僕を呼ぶ時はみんな『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』と言っているんだね。」


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