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病巣以外の細胞はみなピンピンして生きている。
妹尾佐知丸 『血管マッサージ』より KKベストセラーズ
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本日の抜粋は短い。
科学者の疑問、発見は些細なことをきっかけとして始まる事が多いという。
昭和30年に森永ヒ素ミルク事件を解明した妹尾先生。
病理解剖学と細胞生物学の大家である先生が、多くの老人を解剖して不思議に思った事が、この抜粋部である。
こんな疑問から、血管マッサージという誰でもがすぐに実行できる、実に簡単な病気予防、老化予防法が導きだされる。
この本は啓蒙書だ。
分かりやすくを旨としている。
実はこの本、時々立ち寄る赤ちょうちんのおかみさんに貸してもらったのだ、、、。
手にしてびっくり。
その分かりやすい体や病気の説明が素晴らしいいのだ。
こむずかしい医学専門書を軽く凌駕しちまってる。
本当の理解をすると、こんな噛み砕き方が出来るものなのだと感心しきり、、、。
参考までにいくつか例を。
まず、血流の仕組みについて。
** 毛細血管の壁は、よく見るとたくさんの微小な穴があいた薄い一枚の膜でできています。つまり水分が通りやすくなっています。
動脈側毛細血管内はつねに心臓のポンプの力によって押し出される圧力がかかっているので、栄養分を含んだ血液の水分が、血管にあいた穴から毛細血管の外側へと自然に押し出されていきます。(中略)
では組織液の中に捨てられた二酸化炭素や老廃物はどうなっているのでしょうか。
ここが生命のメカニズムの素晴らしいところです。いらなくなったゴミは毛細血管の中に“自然に”吸い込まれていくのです。
というのは動脈側毛細血管からは、水分が組織に流れ出ているので、毛細血管内は非常にタンパク濃度の高い状態になっています。そのため浸透圧(吸い込む力)が高く、ゴミや老廃物を含んだ血管の外組織の水分が、浸透圧の高い静脈側毛細血管の中へ吸い込まれるというわけです。 **
老人性高血圧について
なぜ加齢によって動脈の血管壁の弾力性が失われ、血圧が上がるか?
**大動脈壁は主に弾力性のある網目状のコラーゲン組織で出来ているのですが、じつは、この網目状の組織に、血液中の余分なコレステロールやリピド(脂質)、ブドウ糖などがしみ込んで、コラーゲン組織を硬化させていくのです。
動脈の血管壁の外側には血圧をセンサーのように感知して、最適な血圧を保つように、血管を拡張させる神経(血管拡張神経)が走っています。しかし血管壁が硬くなってくると圧力が伝わりにくくなり、このセンサーがあまり働かなくなります。 **
糖尿病について
** インスリンの低下が起きると、血液中にブドウ糖があふれてきます。多すぎる血液中の糖をそのままにすると、糖は血管壁の中に少しずつ染み込んでいき、血管壁を構成するコラーゲンという網目状の組織に絡みつきます。
少量の場合は繊維間の架橋を強めて繊維を太く硬くして血管壁を硬化し、皿に多くしみこむと、コラーゲンの組織をばらばらにして、血管壁を破壊します。硬い肉は糖分を加えて煮込むとやわらかく食べられるようになりますが、これはその性質を利用しているからです。 **
癌について
まず、正常な細胞が酸素を使ってブドウ糖を分解しているのに対して、がん細胞は酸素を使わず、ブドウ糖を分解する〝解糖〟によってエネルギーを得ていて、がん細胞のそれは効率が悪い(18~19分の1)と紹介した上で
** 健康な体であれば、血液の循環もよく、体の細胞は酸素を十分にもらいながら、効率よくブドウ糖をエネルギーに変えています。
この状態では、仮にがん化した細胞やがん遺伝子を持つ細胞があったとしても、がん細胞は活発に分裂して増えることはできません。なぜならその場所は、ライバルである正常な細胞とブドウ糖を分けあわなければならず、正常な細胞より多くの食料を必要とするがん細胞が増えていくには、ブドウ糖が少なすぎるのです。ですから、健康な体内ではがん細胞の増殖は困難で、がんが育つ環境としては十分ではないでしょう。
しかし、その場所に炎症のような血液の循環障害が起きていると話は違ってきます。炎症が起きた場所では、傷を治そうと血小板が集まり、血液を凝固させます。こうなると、当然、血液の循環はとまり、酸素がほとんど供給されなくなるので、酸素が必要なふつううの細胞は死んでしまいます。
一方、ブドウ糖など栄養分を含んだ血液の血清成分は、血液の循環がとまっていても、心臓の圧力でじわじわと血管壁から外にしみ出していきます。
こうして、炎症の組織には栄養豊富な組織液のたまりが出現します。よく炎症を起こすと「浮腫」という水ぶくれができることがありますが、これがその正体です。
酸素がなく、ブドウ糖がたくさんあるこの組織液のたまりは、がん細胞にとっては理想的な環境です。 **
リウマチについて
** しかし体内に慢性的に炎症があるなど、つねに最近やウィルスが増殖していると、大量の抗体がつくられ、結果として抗原=抗体複合体が必要以上に増えることになります。これは水に溶けないので、増えすぎると体の中のさまざまな疎水性の場所で沈殿することになります。
とくに沈殿しやすい場所は関節や腎臓、動脈壁などです。やっかいなことにこの複合体は、悪者をやっつけて無害になっているとはいえ、抗原がこのままの形で含まれていますので、免疫細胞である白血球やリンパ球を呼び集めてしまいます。
これらの免疫細胞が放出する酵素などによって、複合体が沈殿している関節や腎臓、血管などの組織が破壊され、関節リュウマチになったり、慢性腎炎を起こしたり、動脈炎を引き起こすことになります。つまり自分自身の体が攻撃対象になってしまうわけです。 **
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