カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

肩こりな、たーさん

2008-03-31 17:55:44 | 本日の患者さん
毎回、たーさんは肩こりを訴えて見えるが、今回の肩こりは生半可なもんじゃない。
こちらの手が跳ね返されるような固いコリが左右にある。
年度末とご自分の配置転換が重なってしまったのだ。
たーさんの場合、法制度の度重なる改変などで移動が7年間もなかったため、残務整理も膨大であった。重い書類を持ってあちこち移動、後任者に正しく引き継ぐためPCの整理。その間に日常の業務もこなさなければならない。
どれもこれもが前かがみ、前肩の肩こり製造作業である。
この後、数件の歓送迎会にも顔を出さなければとぼやいておられた。
たーさんの胸鎖乳突筋は硬くスジ張ってしまっている。僧帽筋には五センチ幅の芯のあるしこりが出来ていて、強い頭痛もあるという。
鉄板が入っているようだ、と表現する人がいるが今日のたーさんのそれはまさに鉄板。
この季節、似たような状況の方が多いはず。心されよ。

寝違いな、そーさん

2008-03-29 20:23:29 | 本日の患者さん
一昨年、三人目のお子さんが生まれた、そーさん。三人の子育てに大忙しである。忙しいと言うよりも、シッチャカメッチャカという方が当たっていると本人はおっしゃる。下の子に構っていれば上の子二人が干渉してくる。その二人の間にも微妙なやり取りがあったりする。そーさんは、肉体労働の他に子供たちの心理戦にも配慮しなければならない。
そのそーさんが、左首筋を寝違えて来院された。
一般にtinyな者、いとけない者を守る者は、相手を包むような姿勢が多く不良姿勢になりやすい。親が子のために身を削るほんの一例である。
小さい子を相手に身を屈めて世話をする時、当然胸椎の1,2番の関節をロックして顎を上げてしまう事になる。頚椎の4,5番には過度の運動を強いる。
ここまでが下準備。何時寝違えが起きても不思議ではない。
脳は関節の出来不出来を知らないまま命令を出してしまう。ぎっくり腰の首判だと思えばよい。
それが起床時に多いのは、就寝中には血液が消化器系と泌尿器系に多く配分され、筋肉に行く血液が少ないためである。ガバッと起きてはいけない。
のほほんとした母になれ、などと言うと、成れるもんならとうに成ってるわよ、といった目でそうーさんに睨まれそうなので、一段落する度に小まめに伸びをするよう勧めるにとどめておいた。

新宿室のHPは
http://www6.ocn.ne.jp/~tokuch/


倦怠感な、せーさん

2008-03-26 13:52:14 | 本日の患者さん
ともかく全身の倦怠感なのだ、せーさんの訴えは。
仕事はコンピューターでの写真修正。細かい仕事で疲れてくると微妙な色彩の違いが判らなくなってくるとおっしゃる。当然目の疲れもひどい。
どれどれ、背骨を拝見。
東洋医学などでは未病という概念があり重要視しているが、せーさんの背骨は、その未病を訴えている。未病のオンパレードと言ってもいいくらいだ。
どんな病気が予見出来るかだって?
だから、なんでもありだよ。
腰椎の後湾がひどいし、屈み姿勢が常態化しているので内臓は圧迫され続けている。様々な内臓が呼吸困難に陥っていると考えたほうがいい。
屈み姿勢のせいで顎が上がってしまっているので、血液がまともに脳にいっていない。自律神経の中枢である視床下部も貧血状態になっているはずだ。
倦怠感はそれらの序曲として謙虚に受け止めたほうがいい。
血行が悪く、代謝が活発でないという黄信号と思ってくだされ。

喘息な、すーさん

2008-03-24 16:51:17 | 本日の患者さん
すーさんの喘息が始まったのは時期がはっきりしている。
40代後半になって寒い地方に単身赴任してからだ。寒さと、会社が用意した社宅が古く湿気が多かったとのことが引金になっている。風呂場の壁にはカビさえ生えてたという。
もちろん、すーさんの背骨が喘息になる下準備をしてた、とは言える。
生き物たるもの、突然の寒さと、湿気やカビだけで喘息になったりはしない。
すーさんは肩口猫背である。
首の付け根の角度が急である。そのためいつも顎が上がってしまっている。頚椎の7番から胸椎の3番辺りまでが首の運動時、固定してしまい、靭帯も筋肉も柔軟性を失っている。そのあたりから出る交感神経は喉や気管、肺に派遣されれいる。関節の運動性がないのと同時に、神経の出入り口である椎間孔が狭くなっている。
いつ喘息になっても不思議ではない背骨の歪みの持ち主だったのだ。
忘れていた事がある。お酒の好きなすーさん、奥さんという監視の目がないことですっかり自己統制が利かなくなり、かなり召されたとも聞き及んでいる。
各々方、単身赴任には御注意あれ!

慢性腰痛な、しーさん

2008-03-22 21:31:57 | 本日の患者さん
しーさんの腰骨の形は、これこそが慢性腰痛になるという典型的な代物である。
本来、前湾しているべき腰椎の並びが見事な後湾を呈している。
前後からみて真っ直ぐであるべきものが、大きく左に湾曲してしまっている。
いつぎっくり腰になっても、椎間板ヘルニアになってもおかしくない。
腰部の筋肉、とくに左側はカチンカチンに固くなったままだ。腰椎の関節もガッチリ固まっている。
しーさんの話を聞いていくと、それがもっともな話と納得していく。
長身のしーさんの仕事は植木職人。30年のベテランだ。
その長身の身をかがめて、左重心で植木バサミをふるい続けてきたのだ。
自分の仕事姿勢をチェックするのは難しい。
カイロプラクティック士のような他者の目が必要な所以である。
今日はしーさんから茶毒蛾の退治法を聞き出し、ちょっと得した気分の徳さんでした。

気管支炎な、さーさん

2008-03-19 17:22:27 | 本日の患者さん
咳だけが症状なんですが、こじらせているんですよ。
と、おっしゃるさーさん。
すっかりお疲れの御様子。咳疲れとでも言おうか。
実際、咳というもの、実に重労働である。
横隔膜のところでは秒速十数メートルの風が吹いてる、と聞いた事がある。それだけの風を作るためには、横隔膜だけでなく、肋間筋、大胸筋、背筋など等、多くの筋肉が動員される。全身運動といってもよいだろう。
今日の施療は背骨の矯正などには主眼を置かない。さーさんは高齢者なのでよけいである。
大胸筋を緩め、胸鎖乳突筋を緩め、胸肋関節のズレを調整し、奥に引っ込んだ舌骨を引き出す、などを試みる。
一方、喉の現場では、気管の上部三分の一の内側に生えている繊毛が、台風に襲われた草原状態になっているはず。
これには、昔ながらのおばあちゃんの知恵。蜂蜜に大根を漬け込んだものが威力を発揮する。
飴と鞭がよろしいようで。

指先の冷感な、こーさん

2008-03-17 19:40:58 | 本日の患者さん
弟子を取ってから、大丈夫そうな人にはほぐし(緩和操作と呼んでいる)をやって貰っている。こーさんの指先の冷えに気付いたのはその弟子である。本人も気付かなかったらしい。
この冷えが奇妙なのだ。
人差し指と中指だけが冷たい。それも両手が。4,5指は普通の体温だ。
確かに両者は正中神経と尺骨神経とに神経支配は分かれてはいる。しかし、そんな明快なことなら本人が気付きもしないというのが解せない。こーさんは体の事には神経質なほど敏感な性質なのだ。
頚椎の4,5番辺りの問題だろうと、心のうちで判断。
例によって、徳さんは患部から遠い所から施療していく。
頚部、肩周囲、上腕部、肩甲間部、前胸部を運動を含めてほぐした後、頚椎の4,5番を矯正する。
結果はOK。こーさんにも弟子にも確認してもらった。
今回の場合、こーさんの症状が何故改善したのか、根っこのところで徳さんは理解出来ていない。
病名をつければ自律神経失調症という事になるのだろうが、そんなことを言えば、自律神経が変調をきたしてない病気なんてないよな、とも思う。

ギックリ腰な、けーさん

2008-03-15 21:00:46 | 本日の患者さん
人間、間が悪いという事がある。
けーさんの場合は間が悪過ぎる。
明日一番のフライトでドイツに出張というのに、今朝、靴下をはこうとしてギックリ腰に見舞われてしまった。施療室で名前を呼ばれて椅子から立ち上がる姿が痛々しい。
これが何日か前の出来事なら、なんとか行かずに済むだろうに、、、。
ギックリ腰の最強の治療は安静なのだから、今回の事態はけーさんにとってお気の毒と言うしかない。
徳さんの勝手な理解だが、ギックリ腰は二つに分類される。
一つは腰の筋肉の力が左右で違う場合。
左右の腰の筋力は差があるのに、脳がその事を知らずに命令を出すものだから、現場で靭帯や筋膜が怪我をする。
他の一つは慢性疲労によるもの。無理の成れの果ての姿と言っても良い。
けーさんの場合は後者であると徳さんは判断している。
10日間の出張を前にしてかなり頑張ったらしい。そしてけーさんの腰は昨日プッツンしたという訳だ。
かなりしつこく周囲の筋肉を緩めてから腰骨の矯正をしてみた。
上手くいったと思い込んではいる徳さんだが、その結果をしばらくは知る事が出来ない。
けーさんの出張に幸あれ。

手首痛な、くーさん

2008-03-12 16:39:40 | 本日の患者さん
歌手であるくーさんは、一部若者達の間ではギタリストとしても名が知れてるらしい。
そして、さすがはプロ。昨日は部屋にこもって8時間ほどギターを引き続けたとのこと。
そして、くーさんの訴えはやっぱり左の手首痛。
正しいギターの弾き方は弦を押さえる左の手の指が立ってなければならず、そのためには手首をしっかりと折り曲げていなければならない。プロとは過酷な商売。己の肉体を削って成り立つ商売。
ともかく、くーさんの手首痛を緩和させねば。
突然、くーさんの喉奥から絶叫がほとばしる。
酷使されることによってすっかり硬化してしまった総指屈筋群や虫様筋を徳さんがほぐしだしたからだ。多少は炎症を起こしているだろうが徳さんはお構い無しである。
徳さんもさすがはプロ。非情に徹しきる。
くーさんもさすがにプロの歌手。その絶叫音がちゃんと音楽になっている。CDの一枚ぐらいは出来そうな出来栄えであった。

背部痛な、きーさん

2008-03-10 16:50:31 | 本日の患者さん
カイロプラクティック歴25年の徳さんの技術を全く受け付けないのが、そば職人歴55年のきーさんの背中である。
昔の人にしては上背のあるきーさんは、低い仕事場でかがみ込む様にして蕎麦を打ち続けてきた。中腰のかがみ姿勢という、腰背部には最悪の条件下で55年働いてきた訳だ。きーさんの背中はそんな悪条件に適応してしまっている。
靭帯はガチガチに硬化し、背骨間の関節は腰椎後湾のまま固まっている。まるで乾燥した竹の根のように。
徳さんに出来る事は二つしかない。
きーさんの背中を許されるぎりぎりの処まで反らして、きーさんをうめかせる事と、出来の悪いきーさんのオジンギャグに、けなしながらも付き合う事である。