カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

母子家庭、父子家庭

2014-05-31 19:20:09 | 本日のしりきれとんぼ
神奈川県の厚木市でアパートの一室から白骨化した幼児の痛いが発見され、その父親が逮捕された。
昨日の夕刊と今朝の朝刊を斜め読みしただけなのでその詳細は知らない。

今の時点で分かっている事は、父子家庭であったことだけだ。

今後、いろんな事実経過が明らかにされるだろうが、予想される問題点は2つ。

①父親は幼児を育てる能力が無かった、何故だ?

②亡くなった児童が小学校への就学時点で、教育委員会?から通知があったにもかかわらず児童は就学していない。この段階で事態が明らかにされるはずなのに、何故、今回の中学就学時まで事態の発見が遅れたか?

②に関しての答えは簡単だ。
いかに建前の美辞麗句を並べても、要は縦割りの役人社会において、他部署への押し付け、責任回避への必死な役人根性があるだけである。
まあ、多少手強いのは、奴らはめっぽう口が立つ、というところか。

問題は①だ。
個人を断罪するのは簡単だ。
いい大人が子育ても出来ないのかよ!?って。
でも、その父親をよく観察すれば判るはずだ。
そんなに悪い奴じゃない。
ただ、どうしていいかの現実社会への適応力がほとんど無い、未熟な大人の一人だ。

こんな犯罪者に誰がした?

徳さんは、一人静かに想う。
母子家庭、父子家庭の父母の孤独を。

集団的自衛権を持ち出して安部坊が吼えている。
国民の皆さんを守るために!って。

まあ、いらぬお節介なんだが。

守るべき国民って、紛争国から撤退する日本人だけじゃなくて、、、。

ほら、そこに居るでしょ!?

たまたま、今野敏の小説を読んでいた。
父子家庭のお医者さんが主人公だ。
現実は、小説のようには展開してくれませぬ、、、。



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『311を撮る』 森達也 綿井健陽 松林要樹 安岡卓治 

2014-05-30 18:39:57 | 本日の抜粋
 
     *************

 原発作業員のTさんの言葉は、いつも実感をともなっている。その一方で、この国の国策の後始末のために、危険な放射線を浴びて前線で作業しなければならない彼のような存在と立場は、有事の際に徴兵される若い〝兵士〟のような不条理さをいつも感じた。
 高放射能汚染の状況の中で作業する彼に、福島第一原発敷地内ではどんな臭いがするのかを聞いたことがあった。
 「う~ん、そうですねえ……」としばらく下を向いて考え込んだ後、彼は言った。
 「ゴムの匂いですかね」
 私は一瞬、意味がわからなかった。
 すると彼は、「つまり、作業中に顔に付ける全面マスクの内側にあるゴムの部分の匂いなんですよね。それしか匂わないんですよ。もし、それ以外の匂いがするとしたら、外の空気がマスクの中に入ってきていることですから、非常に危険です」。

 綿井健陽 〝「見えないもの」を追って〟より 岩波書店 

     *************

映画も見てないのに、撮影者が書いた撮影記録やノートが本になったものを読む。
なんて行為はかなり邪道だ。
って事は判ってる。
でも、仕方が無いじゃないか?
映画を見るって事は、日々の生活に追われる身としては、なかなかに骨の折れる作業なのだ、、、。
合間を盗んでチョコチョコッて事が可能な活字を追うしかない。

徳さん、311、312以後、その数字が載ってる本はなるべく読むようにしている。
この本もそれ以来の習性に基いて手にした。

だいたい、311、312とくれば、読むのが辛いもんだ。
でも、この本には格別の辛さがある。

大震災、原発爆発の2週間後、たいした方針もなしに現場に駆けつけなければならないと判断した4人のドキュメンタリスト。
結構、非情というか冷静な態度を身に付けた人たちである。

その4人が、現場の圧倒的な力にメロメロに粉砕される。

でも、彼らの素晴らしさは、粉砕された自分を率直に差し出していることである。

多分、これから以後もこの映画を見る機会は無いだろうが、この映画を支持したい気持ちにはなっている、、、。


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池澤夏樹 『アトミック・ボックス』 

2014-05-28 20:12:51 | 本日の抜粋

     ************

 翌年の三月、女の子が生まれた。
 美汐と名付けた夫に向かって妻は「いい名前。やっぱりあなたはインテリなのね」と嬉しそうに言った。
 漁師としての腕は上がり、自分の舟を仕立てて啓介じいさんから独立した。
美汐が一歳の誕生日を迎えた一か月後、ソ連のチェルノブイリというところにある原発が深刻な事故を起こしたという報道があった。
 炉心融解という見出しの文字を見て、耕三は金田が言っていたことを思い出した。
 彼は「発電は怖い」と言った。製造後は眠っていればいいだけの原爆に比べたら超臨海状態をずっと維持しなければならない発電所の方が恐い。
 それが現実になった。この世界に、自分たちが暮らしているこの島に、呼吸しているこの空気に、放射性降下物が混じる。一息ごとに体内に入る。

 池澤夏樹 『アトミック・ボックス』より 毎日新聞社

     ************

作家って大変だな~。
なんて、この本を読みながら何回呟いたろうか?

こんだけの抜粋部だけど、これを読者に納得させるために、様々な伏線が前もってさりげなく、そして周到に提示されている。

それらの提示によって、日本政府がかつて極秘裏に進めた原爆製造計画に携わった耕三の内面が判る仕掛けになっている。

小説自体は、ハラハラドキドキのサスペンス仕立てになっている。
読者をとことん楽しませる、エンターテイメント小説といってもいい。
でも、ちゃんと、3・12福島原発事故を踏まえている。

徳さんの気分としては、池澤夏樹万歳!
であるが、、、。

この手の小説を読んで、いつも思うのは、主人公の能力が我々凡人をはるかに飛び越えている事だ。
これだけは、気に掛かる。

徳さんをはじめ、情けない無力な一人一人が、この今、何が出来るか?

情けない我々のごった煮が、どっかの官製レストランよりうまいんだぜ!と言えるよう成ることを願ってる。


本日のおまけ

この本に関して、えらく面白いブログを見つけた。

『ほぼまっすぐ読み 感想文綴り』

なるほど、こういう読み方もあるのか。

 *****

読み終わるまで知らなかったのですが、この小説は2012年9月16日から2013年7月20日まで毎日新聞の朝刊に連載された新聞小説ということです。

「爆弾は簡単だ」と金田はまた声をひそめて言った。「じっと待っていていざという時に爆発すればそれでいいんだから。保管時に暴発さえしなければそれはよい原爆だ」


「ずっと運転し続ける発電所に比べたら、出番を待って眠ったままの爆弾の方が作る方が気が楽さ」


原爆と原発の偽悪趣味的な比較です。

3.11以降、原発の問題が日々の新聞に載らない日はないと言っても過言ではないと思うのですが、そのような日々にあって、紙面の一隅にこのような言葉が書き連ねられていたことに、少しく驚きを感じました。
先の言葉を現実の誰かが公言したとして、ツイッターで無名の誰かならタイムラインは炎上していることでしょう。著名人の言葉ならマスコミが喜んで大騒ぎしてくれることでしょう。

池澤夏樹は作家としてもっとも適当な方法で、核の問題に取り組んだのだと思います。
それは当たり前のことなのですが、作家にかかわらず、私達は今いるこの場所でできることを考えるのことが大切なのではないでしょうか、影響の大小に関わらず…?
原発に賛成であるにせよ反対であるにせよ、大きな声の人達には距離を感じます。また、一点の主張の肯定をもって、その存在の全的な信頼というのも危なっかしい気がします。

物語は一人の漁師の死から始まります。
漁師は娘に一枚のCDを託します。
そのCDには、かつて日本で行われた原爆製造の証拠のデータが収められているというのです。
漁師は若い頃、その極秘の原爆国産化計画に技術者として関わっていたのです。
その計画は情報漏洩をきっかけに破綻したようですが、関わった者達には口止め料的な年金の支給と監視の目がつくことになりました。
漁師はその計画の破綻後、自分が広島の原爆の胎内被爆者であることを知ります。


体内に残った放射能が時限爆弾のように思われた。チクタクと時を刻んでいる。


被爆者である自分が原爆製造に関わっていた事実に彼は衝撃を受け、会社を辞めて広島の凪島という島に戻って漁師になります。
しかし、自分の知識そのものが極秘の国家プロジェクトの機密情報ですから、場合によっては身に危険が迫ります。そこで保険として情報データが手中にあることをプロジェクト側に示し身の保全をはかってきたのです。

そのデータを、自分の死に際し娘に預けたのです。
公開するか、相手におとなしく返却するか。

娘美汐は、父の遺書にあった事実を知る人物に会いにゆくことにしますが、既に相手は公安警察を使ってデータの奪還に動きます。
そしてなんと、島の郵便局員行田が公安の警察官で、ずっと美汐の父を見張っていたのでした。

この小説は、広島の凪島から東京までの逃走劇になっているのです。
監視カメラや防犯カメラがあちこちにある現代、このような逃走劇は成立しにくくなっています。
この小説は、一面、瀬戸内の海洋小説、或いは島嶼小説(?)となっています。
美汐は島を渡って逃走するのです。

島には監視カメラがないというストーリー上の利点があったのかもしれませんが、それ以上に、私達の視点を地方の、更にその周辺域に向けさせる意図が作者にあるような気がします。
美汐は社会学者で島の老人の生活について調べたことがあり、そのツテを頼って逃走するのです。

最終的には美汐は東京に往き着くのですが、物語を東京でなく瀬戸内の島から始め、島伝いに逃走するストーリーにしたことは、監視カメラの制約という以上に、作者の狙いを感じます。
政治とか行政には、どうしてもその仕組み上「中心」が存在し、その中心の理屈を以て周辺に波及させようとする力が働きます。
しかし、人々の中心はそれぞれの人の生活の中にこそあるのです。
都会で生活していると、そんなことすらわからなくなり、自分の生活すら都会という中心らしきものの中に埋めこまれたひとつの機能にしか見えなくなってしまいます。
人間らしさという言葉は、都会で生きる人だって人間なのだからあまり使いたくありませんが、生きている実感としての生活らしさは、地方の更にその周辺域に行けば行くほど強くなるようです。
私達は都市生活のためにそのような場所に原発を建てた…そのような批判はもっともなことだと思います。

島から東京への逃走というのは、監視カメラの目を逃れることはできても、島そのものが袋小路ですから、寧ろストーリーに制約を与えてしまいます。
おそらく読者は最初から行き詰まり感を覚えると思います。
美汐は年齢も性別も職業もまちまちな友人達に助けられ、警視庁の公安課の行田や所轄署の警察官等を振り切り、なんとか東京に往き着きます。
島から東京への行きづらさと行き詰まり感は、そのまま地方の声の中央への届きにくさと諦めを意味しているように感じます。
また、縦割りの行政機構に対し、私達が武器とするのは水平の人のつながりである、と言っているように思えました。

物語の最後に、公安の行田が登場します。美汐ではないのです。
『双頭の船』では人々を乗せたフェリーが大地となって終わりました。
生活の中にこそ希望があり、私達はいつでもそこから未来を生きてゆけるのだ、それしかないのだと言っているような気がしました。


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やっぱ、CP(脳性マヒ)は奥深いというか、サーたん

2014-05-27 19:02:00 | 本日の患者さん
職業柄もあって、CPの人たちと触れ合う機会が多い。

CPとはcerebralpalsy、直訳すると脳の麻痺となる。
ちょっと、失礼なネイミングではある。

周産期に、何らかの事情で脳に酸素が行き届かなかった時期があったことによる脳の後遺症とされる。
後遺症であると断定されたせいか、医学的には真剣に取り組まれた形跡がほとんど無い。
学者や、医者の多くは、評価の薄い地味なことには関心が薄いようだ。

現在、CPの人たちが、医学の恩恵を受けてるとすれば、それは、パーキンソン氏病のおかげである。
200年前頃から、多額の資金の元に研究が進められた。
その理由は単純で、当時、パーキンソン氏病に罹る人は、壮年期に罹患しその多くが社会的に地位の高い人が多かったことによる。
意味不明の自らの病気を解明してくれと、多額のお金が投資された。
パーキンソン氏病に罹る多くの人が、聡明な人たちであることの因果関係は今もって明らかにされてはいない。

皮肉なことに、パーキンソン氏病そのものの克服は、本質的には今もってなされていないが、その周辺の脳のトラブルにはたくさんのヒントを与えたみたいである。

で、CPのサーたん。

普段は仰向けと横寝だけの姿勢で施療している。

でも、徳さんの下心は、うつ伏せ寝へのトライ。

CPの場合、うつぶせになる事によって、呼吸がし辛くなる場合が多々ある。
ここ数年、うつぶせになったことが無い、なんてCPは多い。

でも徳さんは、出来るなら、皆に可能なあらゆる姿勢を取って欲しい。

で、サーたん。
心配してた呼吸は大丈夫。
安心して、うつ伏せでカイロ施療をやるわけだが、次の言葉が衝撃的だった。

「うつ伏せって、俺たちには結構体力を消耗するんですよ」

呼吸がし辛いというのは想定してたが、体力が消耗するなんて、それこそ想定外。

日頃使われぬ筋肉の動員によると考えられる。

だから、断固として、サーたんをうつ伏せにするぞ!


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ちょっと、ビックリ!?

2014-05-25 19:03:20 | 本日の路上観察


正確に言うと、これは路上観察ではない。

患者さんのNさんが国分寺駅前で、若いアルバイト男性から手渡されたものだ。
Nさん、50半ばの女性、実年齢より若く見えるのは確かだが、、、。

「先生、さっき、こんな物貰っちゃいましたよ」

確かに、家には持ち帰りたくはないだろう。
かといって、徳さんには何の役にも立たない。

一冊の小冊子だ。
施療前、二人で少し吟味してみた。
『HW』とははなまるワークの意味。
軽め風俗業の求人情報誌。

内容はともかく、今の若い娘の関心をそそる編集努力をしている。
きっと、真っ当な本作りをしたかった人が編集したのかもしれない。

最初の数ページは、ワインの基礎知識特集。
最後の数ページは、おしゃれなお店の紹介、占い、料理の作り方などなど。

で、間の中身が画像のごとし。
およそ、200ページも続く。
プレ風俗だから安心して、短時間で高額のお小遣いが手に入りますよって。
隠れる様子も無く、あっけからんと、どうどうと待ちを歩く女性に配布されている。



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武田邦彦 『早死にしたくなければ、タバコはやめないほうがいい』 竹書房

2014-05-24 19:25:00 | 本日のこういうのが好きだ
「徳さん、タバコだけは止めたほうがいいよ」
「徳さんの唯一の欠点はタバコを吸うことだ」
「税金を取られるばかりだからね、俺は止めたよ」

みな、徳さんに好意的な発言なのは判る、、、。
でも、徳さんは毅然?として、憤然として言う。

「俺は、酒と同じく、タバコも止めないよ。
でも、タバコ嫌いな人達に迷惑をかけない努力はするよ」

根拠はない。
でも、このバッシングはないだろう、と常々思っていた。

吸い過ぎに注意!
これなら判る。
飲み過ぎに注意!と同じだからだ。

喫煙者にとっては、実に住みにくい環境になっている。
長時間、電車を乗り継いで、遠方へ出かけた時など、さて一服と思ったって、到着駅の周辺は禁煙地帯になっている。
しょうがないから、喫茶店に入る。
で、そこが全館禁煙なんて場合もある。

四面楚歌の環境の中で、しかも、徳さんは一応、他人さまの健康問題の相談相手でもある。
抱える問題は難しい。

ならばと、ここ数年、喫煙擁護派の発言を目を皿のようにして探していた。

これがないのだ!
一昔前までは、紫煙などと云われ、知性と一体化していたのに、、、、。

で、この本に出会った。

武田先生はタバコを吸わない。
客観的にデータを分析し、タバコが癌を作るという嘘を指摘し、その嘘で生計を成り立てている天下り官僚の存在を指摘しているだけだ。

世間の空気、雰囲気が、一握りの人間によって操作されてる。


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今野 敏 『隠蔽捜査』 新潮文庫

2014-05-23 19:13:50 | 本日の贈答品
最近はだいぶ廃れてきたが、医者への付け届け。

大手術を控えた患者の家族が、執刀医にいくら包めばいいだろうか?
なんて、相談をしている場面を目撃したことが何度もある。
医者のほうも、それが当然の事のように対応してたはずだ。

時代は変わり、今や、そんな慣例なんてあった?
といった、原則、患者平等主義が常識になっている。
(もちろん、裏社会はあるはず、、、)

その傾向はよきかな。
(医療TTP、保険TTPは、その良き傾向を米製重戦車のキャタピラで踏みにじり、格差社会の再構築を目指している、というふうにしか見えないが)

で、徳さんであるが、
これが無節操にも、患者さんからの付け届けを、例外なくホイホイ頂いてしまうのだ。

今まで、実に多彩な贈答品を頂いた。
多くは、差し入れと称して。

アルコール類と酒の肴。
これは、徳さんのアル中を容認してるよ、という、暖かいメッセージ。

音楽のコピー。
昔はカセットで、今はCDやDVD。
これは、徳さんの感性とちと張り合っている。

患者さんの故郷の特産物。
これは、単純にうれしい。

靴下から始まってTシャツ、ベストの類。
故人の衣類を大量に貰ったこともある。
徳さんは、患者さんから見れば余程みすぼらしく見えるのかな?

国分寺が郊外の街という事もあって、地元の農家の路地販売の野菜類。
時には、本人が買った半分ほどを分けてくれる。
自分の家庭菜園で収穫した野菜の場合もある。
これは、率直に受け取れる。

健康器具とお医者さんから貰ったシップなど。
他の患者さんに役立てて欲しい、という事らしい。
などなど、、、、。

要は、徳さんの患者さんは、贈与による見返りを一切期待していないのだ。
時に、徳さんへの哀れみの感情さえ伺える。
なら、素直な気持ちで頂くしかないよね。

そして先日、一冊の文庫本を戴いた。
呉れた理由は判らない。

今野敏『隠蔽捜査』

読了後の今も、この本を呉れた理由が判らない。
テレビでドラマ化され、人気の高いものらしい。

いやみだが愚直な高級官僚の、でもそれゆえの彼の倫理が官僚組織を告発しながら、最終的には官僚組織を救う話だ。

この本を呉れたOさんは「これは、大人向きの赤川次郎です」とおっしゃていた。
確かに読みやすい。

前半は無味乾燥だが後半になると、ストーリーとしてはがぜん面白くなる
でも、Oさんはなぜ徳さんにこの本を呉れたのかは、現在も不明なまま、、、。

せっかくだから、高級官僚の実態についての描写部分を載せておく。

  *****
警察官僚として定年まで生きていくことだけを考えていた竜崎には、手に職などない。公務員は、いざとなるとつぶしが利かない。だからみな、不祥事を恐れるのだ。出過ぎたことをせず、過去の例を踏襲することだけを考える。出る杭は打たれるからだ。
  *****
     


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今日はコピーしただけの本日のおまけが主人公

2014-05-21 20:14:35 | 本日のしりきれとんぼ
この画像は何か?

酒を飲む人ならピンと来る。
ウィスキーの水割りロックだ。
今、口元に運んだものだ。
だいたい、この濃度で飲んでいる。
これが薄いのか濃すぎるのか?は知ったことじゃない。
徳さんの味蕾や喉に心地よく反応してくれるのが、この色合いなのだ。
この事は、ことの外重要だ。
徳さんが酔いを求めて酒を飲んでいるんじゃない事の証明になるからだ。

まあ、だれも酒飲みの言い訳なんぞは聞きたくないだろうけど、、、。

この画像を載せた理由はもう一つある。
なんか、今まで載せてた画像よりピントが合ったりしてないか?
実は、自分の携帯のカメラ機能の一つを再発見したのだ。
接写機能。
愛用5年目にして知った機能だ。
年寄りには最先端商品は酷な場合が多い。
今までのピンボケ写真は、徳さんのアル中ばかりのせいではなかったのでござる、、、。


本日のおまけ

今、話題になってる福島の鼻血タラリ。
ようやくまともな見解が出た。


免疫学者で医師でもある小野昌弘氏のブログより転載。

 *****
週刊ビッグコミックスピリッツ連載の「美味しんぼ」で、東京電力福島第一原発事故をめぐり、主人公が鼻血を出す描写があったことについて、安倍内閣の閣僚が13日午前の記者会見で相次いで批判したとのことである。この問題では福島の自民・民主も抗議声明を出している。

それにしても、「美味しんぼ」という1漫画に鼻血を書かれたくらいで、政治家から地方自治体までうろたえるほど福島の状況に自信がないというこの現状は根本的におかしいのではないかと思う。

そもそも冷静に考えて、読者が(科学の専門家ではない作者がかいた)漫画の内容を鵜呑にするのではないかと慌てふためくほうがおかしい。放射線のことは放射線専門家の言うことに耳を傾ければよいわけなのだから。もし科学について、科学の専門家が言うことよりも非専門家の書いた漫画のほうを信じるとしたら、それは病的な事態だ。

もっとも、こうした漫画のほうを重要視する人がいても、その背景がないわけではなかろう。たとえば、「美味しんぼ」の出版を受けて、福島選出の根本匠復興相が、放射能の不安をぬぐい去るための「リスク・コミュニケーション」(リスク教育)の充実を求めたというが、リスク・コミュニケーションの目的が「放射能の不安をぬぐい去る」になっている時点で、科学的には安全だという結論ありきな姿勢が透けて見える。つまり大臣がこうした言葉を軽々しく言っているならば、そのリスク・コミュニケーションは既に失敗していると言わざるを得ない。

もし「美味しんぼ」が、(批判しているひとたちが言うような)「不適切な」効果・「風評被害」につながるのだとしたら、それは福島における放射線管理・政策・リスクコミュニケーションがうまくいっていないからだ。こう考えたとき、安倍政権の閣僚たちが過剰とも言える反応を示したことは皮肉的である。

ところで、漫画家を含む作家は、現実に存在するのに言葉になっていないことを語るの大事な役割がある。福島で鼻血の話は、私の持っている基本的な医学知識からは考えにくい(参照)。だが、3.11以来被爆にまつわるそうした健康上の恐怖が巷にあったことは確かだ(ネットを使う人ならばこうした不安が囁かれるのを誰しも一度は見たことだろう)。それならば、人々が持っていたその恐怖が漫画に描かれることに何の問題があるだろうか。公的空間から切り離されたところで、こそこそと自らの信じる「真実」を囁き合い不安を助長し合う状況があるならば、それこそ不健全である。こうした不安や恐怖が存在しているならば、それを表の空間に引っ張りだして来て、関係する様々な人々(利害関係者)が集まって科学的見地を入れて話し合い、やがては政治交渉(negotiation)によって(調査、問題の対応といった)現地での政策に反映していくべきではないか。

言葉で語られて初めて議論もできる。言葉に語られないものは存在しないも同然である。存在しないものを巡る政治交渉はありえない。つまり、言葉で語られないものは政治的に解決できない。そしてこうした真空空間が大きく存在することで社会の活力が削がれていることこそが、言論の自由に制限がある国の特徴だろう。

本来言論人は、こうした言論の真空空間を狭めるために努力し続けるべき存在だ。特に表現形式に自由がある漫画や小説などの作家がタブーに挑戦するべき理由はそこにある。そして福島における放射線問題はタブーにすらなりかけている。それゆえに全国に流通する媒体を使って、問題を表に引っ張り出すること自体は大事なことだと思う。

今や放射線問題は政治的だ。そして「美味しんぼ」は政治的だ。それは何ら責められる事柄ではなく、問題を議論の俎上にのせてより広い人々の政治的合意にむけた政治交渉を進める契機になるならば賞賛されるべきことだろう。忘れてはいけないのは、「放射能の不安をぬぐい去る」ための作品は同じくらいに政治的であるし、もっと重要なことは、これまでも政治的な漫画作品が、特定の政党(自民党)の政策にそぐうようにはるかに組織的に「原発推進」のために大量に作られて来た事実だ。しかもこちらは血税に由来する金を使って、である。 

個人の作家が信念に基づいて(強い政治権力をもっている側を)批判することに目くじらをたてて、特定の政党が多量の税金を使用して組織的に国民に偏った情報を流し続けることのほうは気にならないのだとしたら、その感覚は民主社会に生きる者としては何かが大きく欠如している。

(2014年5月18日「小野昌弘のブログ」より転載)



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行き場の無い、Z君

2014-05-20 19:43:49 | 本日のしりきれとんぼ
患者さんのTさんはある地方自治体の児童相談所の嘱託。
定年退職後のお勤めである。
仕事熱心で正義感の強い、一昔前の元気な公務員、を思い描いてもらえばいい。

施療中、Tさんから無惨な話を聞くこともある。
児童虐待、育児放棄の実態だ。
殺人にまで及んで新聞に取り上げられたものもあるが、多くの事例は子供への影響を慮ってもみ消されるのだそうだ、、、。

今日のTさんは、打つ手なしで困惑、憤慨している。
児童相談所にZ君のこれからの行き先を探して欲しいとの依頼があった。
母子家庭の母親は統合失調症で、自分一人が生きて行くことに手一杯だ。
16歳になるZ君は、発達障害と診断され、日常的に暴れたり母親に暴力を振るう。
母親の過度な干渉がZ君を追い込むようだ。

Z君はある養護施設に入るが、そこでも問題行動が多く、精神科病院に入院。
完治したと見なされた時点で、さて困ったのがZ君の行き先。

いくら親子間の愛情が強くても、母親の元に返れば問題の再発は目に見えている。

かつて入っていた養護施設は断固入所拒否している。

既存のNPO法人はすべてが成人対象だ。
Tさんも何軒か訪ねてみたが、良心的なところでさえ、薬で無気力にされている人たちの集団で、まだ若いZ君を送り込む気になれないとのこと。
また、相手側もZ君を受け入れられないと、、、。

ここまでは、Tさんの困惑部分。

Tさんが憤慨しているのは、自分が所属している行政の協力の無さ。
どの部署の人も協力的ではない。
この問題が、自分たちの部署から外れることだけを願うように動く。
縦割りの隣の部署への押し付けばかりに必死になってる。

Z君が行ける場として可能性のある施設や場所さえ満足に教えてもらえない、、、と。

韓国の船舶事故を誰も笑えない。
自分のすぐ傍らにある同じ問題構造だ。



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不安な一人暮らし、クーたん

2014-05-19 18:49:38 | 本日の患者さん
「先生、わたしゃ早く死んじまいたいよ。
でなきゃ、早く特養に入りたいよ。
でも何百人待ちって言われたからねぇ。
他の施設はとてもじゃないが、高くて入れないしね」

クーたんから二年振りの電話があった。
この二年間に二回、股関節の大腿骨頭の同じ場所を骨折し、最近ようやく、よちよち歩きが出来るようになったとの事。

「先生、(徳さんのことを先生と呼ぶのは、初対面に近くなんて呼んでいいか判らないか、何らかの下心がある場合に限られる)先生の所へ行きたいけど、今の体の状態ではなかなか行けそうにないのよ。
先生の所は出張治療はやらないんでしょ?」

なかなか見事な誘導だ。
クーたんちは、徳さんの施療室から歩いて7分の近さで断り難い、、、。

クーたんは80歳間近の一人暮らしのおばあちゃん。
パーキンソンやリューマチ、若い頃の結核の後遺症で肺活量は人の半分。
ずっと一人で、体の困難を抱えながら生きてきた。

出張治療中、口だけは元気でずっと不平不満を吐き出していた。

知らぬ間に、日本の多くの老人の置かれている状況がこんなもんになってしまっている、、、。


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