二胡工房 光舜堂

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二胡への疑問。その7(老紅木)

2012-08-01 08:26:22 | ■工房便り 総合 
老紅木程解りにくい材料はないかもしれません。

私などは、若いころからこの紅木というものは、コウキと読んで、インドの小葉紫檀であると思っていました。

又先日中国語の翻訳の方のお手伝いで、ピアノのことを書いた本の中にこの紅木という字が出てきた時は、明らかに、ホンジュラスマホガニーのことを指して書いてありました。

紅木はマホガニーで有ると思っていたのですが、どうも二胡の業界ではこの文字を、日本語に直してコウボクと読み、日本で言う、本紫檀、タイ国産の紫檀であると考えられます。

紅木ですから、赤い木、紫檀で有ったはずなのです。

今、日本では「ロウコウボク」という木があるかのように考えておられる方が殆どですが、

本来は、紅木と本紫檀(日本で言う)は同じものでした。

紫檀の仲間に入れずに、これだけ特化したような具合なのですが、

そもそも、本紫檀、タイ産の紫檀、それも酸枝木の黒っぽい物を言ったと思われるのです。

日本でもこれは本紫檀だよと、見せられた古い家具などは殆どが、この黒酸枝木のものでした。

また、本紫檀と言われるものにはそれ以外の木も多数混ざっています。

この酸枝木というのは、自生している土地の土の種類によって同じ木とは思えないほどに色が変化します。

木目は、比較的、マダガスカルのバリサンダーなどに近く、導管がいわゆる紫檀(小葉紫檀)などに比べて大変大きく、楽器にすると良く鳴ります。

本来紫檀に入れるはずのこの本紫檀、或いは酸枝木が、その取れる地方によって、コウボクという名前になりもし、紫檀という名前になりもするのです。

ロウコウボクという、要するに古い本紫檀を使った材料であるというところから、もうすでに名前も材料も離れていまっているのが実情なのです。

この、ロウコウボクにしても、各会社で、樹種は違います。

比較的多いのは、パドーク、そしてアサメラ、またソノケリンというインドネシアの紫檀が使われたりもしています。

如何にもといった風な樹種の解説をしているところも有りますが、それは単にその会社が、この木をそう呼ぶという商業上の習慣の様なものです。

中国の木の名前というのは、家具会社が商業上の名前を付けていました。

それをそのまま踏襲した楽器会社も有りますが、新しくイメージとしてつけた名前も有ります。

本来ならば紫檀の中に入れなければいけない紅木という名前も、昔は、花梨や紫檀全体をさして言った言葉の一つです。

それらが、さらに日本に入って来て、各社各様、さまざまにネーミングしているような塩梅なのです

ですので、光舜堂では出来る限り、世界市場で通用している名前をつけようと思っています。
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2 Comments

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そういえば、、、 (じみ)
2012-08-01 20:11:48
昔何かの記述で老紅木の老は必ずしも古い材料という意味ではないので比較的新しい老紅木もあるというのを読んだ記憶があります。真偽はわかりませんが。
 (nisino)
2012-08-02 09:26:41
そうですね、若くても老師と言いますから。

良い、偉い、尊敬するという意味も有ります。

本紫檀だから、老なのかもしれませんが、

なにしろ、白髪三千丈の国ですから。

実質より、名前、プライド、顔、というのは大切にするところでしょう。

で、老紅木ではないですかね。

パドークでも、アサメラでも。

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