二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

光舜堂は、二胡のお医者さんです!松脂の製造だけでは無いのです。

2024-05-05 16:08:24 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
大変ありがたいことに、クロサワ楽器新宿店さんに、1日に納品した
コントラバス用の「B」が完売してしまいました。
ありがとうございます、と共にすみません。予測をはるかに超えて早かったのです。
来週中には、何とか補充しておきます。
「B」はある触媒のかなり微妙な数値での反応で、熟成されます。
私のような大雑把な性格だからこそできるのかもしれません。
しかし、楽器に関わる数値と言うのは、全てそのくらい微妙な数値ではないでしょうか?
極端に言うと
100分の1ミリなどと言うのは、とても大きな誤差に感じてしまいます。
先日チェロの魂柱が、倒れまして作り直したのです。
もう60年前に四国の猪子さん(先代)が作ったチェロですし、魂柱もそのままでしたから、たぶん木が動いて倒れたのでしょう。
念の為、以前のものをそのまま立てて見たのですが、どうもしっくり来ません、そこで、新たに作って見ました。
元の場所に立てたつもりですがどうもしっくり来ないのです、再度外して、念の為に、紙やすりで、高さをひと削り、見事に良い音になったのです。
400番の紙やすりですから、多分100分の1ミリ以下でしょう。
また、昨日は、13年前に作った、シャム柿の二胡が工房へ来ました。
以前は、良い音だけど、少し鳴りが小さいかも?
と感じていたのですが、昨日は違いましたね。
大きな鳴りで、その上音色も良い。
13年前と言うと、まだ、ほんとうに、二胡作りとしては駆け出しの頃です。
購入していただける方は、ほんの少し、、、、
ですから、なるべくしっかりとした厚い革を使ったのです。
厚い革は、なり始めれば、含む音色も厚く、たっぷりとした音になりますから。
そこで一つ誤算が、
厚い革は、育つのに時間が掛かるのです。
二胡は、普通、ブロが弾いても2年は掛かると言われます。
このお客様は、普通なら、とっくに先生をやっていたかもしれないくらいな腕前です。
しかし、流石に本業をお持ちの人ですから、そこまでは時間かけられないですね。
ですので13年!
蛇革の二胡に使うところの厚みと言うのは、おおよそ1ミリ、厚くても、1.2ミリ前後でしょう。
私が使う尻尾の方6枚、その中でも厚みは違いますが、せいぜい100分の2.3ミリです。
それでも、厚みの違いは、音に出てきます。
なり始めたら、厚い方が、音色は良いと思っています。
が!
その100分の2.3ミリ、あや!1ミリでも増えると、弾き込みの時間が増えます。それは、厚ければ厚いほど、皮は、固くなるからです。
蛇皮は、尻尾に近くなればなるほど、一気に硬くなります。
この辺りも訂正しなければいけないですね、
おかげで、13年立って花が開いたようになり始めたのです。
皮の厚い分寿命も長くなりそうです。
松脂にしろ、蛇皮にしろ、そして木にしろ、生きているものを、扱うのです、本当に微妙な、それぞれの違いを見分け、感じないといけませんね。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ、ネオ https://koshundo.base.shop


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