二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

弓の長さ!

2022-07-12 09:35:20 | ●弓: 福音弓
現在市販されている弓の長さの主力は83センチが一番多いようです。
以前、そうですね!10年くらい前は、もっと弓は短かったような気がします。
80センチ、81センチ、中には79センチなどもありました。
また、比較的安い楽器についてくる弓は、77センチなどの物もありました。
いわゆる、古楽器の弓などは77センチが多いです。
古楽器などに比べて、現在の二胡は胴の大きさも大きくなってきています。
古楽器は大きくとも直径で、89ミリ。中には86ミリなどというのも多かったです。
胴の直径が大きくなるにしたがって、皮も厚くなります。
薄いと張力が足りなくなるからです。
皮が厚くなるとそれを弾くためにも、多少重い弓が必要になります。
重ければ圧力が増えますから。
ヴァイオリンの弓などと違って、二胡の弓の場合自在に弓の竹を重く作る事はできません。天然の物をそのまま使うからです。
重くするために、長い竹を使うようになりました。
長くなれば必然的に重くなります。
その長さを使ってたっぷりとした音も出てくるようになります。
しかし長くなると扱いが難しくなります。
子供のころから二胡を弾いてきたような人には問題ないのでしょうが、大人になってから、慣れるのは大変時間がかかります。
軽い弓を二胡愛好家の方が求めるというのはそんなところにも理由があるのかもしれません。
光風や舜風の様に手元に重さを作る事によって、バランスを取ることによって、扱いにくいのを修正してあります。
それでも、全体の重さのは増えます。
お客様の中には、さらに軽くてご自身の体格に会う弓が欲しいという方もかなりいらっしゃいました。
そこで、2年ほど前から、お客様の御希望による弓の長さの違うものを作ってきましたが、ほとんど同じころから、ある中国の演奏家の依頼で、短い弓の決定版作れないかと、いろいろ試してきました。
76センチに始まり、徐々に長くしていって80センチ。
この長さだと、かなり初心の方でも扱いやすい弓になるようです。
ただ弓の竹は、単に短くすればよいわけではありません。
先端の曲がり具合、全体の撓りそして手元の重さ等々、様々に工夫を重ねないと、単に短いということでしかなくなります。
今までも何本か様々な長さの弓をご依頼いただきました。(ありがとうございます)ただそのたびに、先端の細さや曲がり具合を試しながら作ると、かなり大変な手間になります。また沢山の無駄も出しますね。
先端の曲げ方にしろ、失敗を何本か繰り返して、やっとお客様にお渡しできるのです。
そんなこんなを繰り返して、80センチの弓の決定版を作れるようになったと思います。
竹は伐採して瑞々しい間に曲げるのはそれほど苦労は要りませんが、何年も乾燥した竹を曲げるのには一工夫要ります。
沢山の短い弓をご注文いただいたおかげで、弓としての竹の扱いが安定したと思います。ありがとうございました。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ

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