二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡 弓の毛の量。

2023-07-01 10:28:58 | ●弓: 福音弓

弓の毛の量は増えると引っ掛かりが強くなります。
気持ちよく楽器が鳴るという方もいらっしゃいます。
その多い分雑味も増えます。
比較的少ないと音はクリアーになります。
そして、速い曲を弾くのには向いているようです。
では、その毛の多い少ないという基準となる量というのは決まっているかと言いますと、決まっていません。
各会社によって違います。
そして馬毛の種類によっては比較的少なくとも、見た目に、少ないように見えてもたっぷりとした音の出る馬毛もあります。
それは馬毛の種類によって引っかかり具合が違うからです。
一番強いのはイタリア産、そしてカナダ産の黒毛、
続いて、中国の華色(中国で言う黒毛、やや茶色がかった黒)それからモンゴル産の無脱色、一番引っ掛かりが弱く柔らかいタッチになるのが軽く脱色したモンゴル産。その他シベリアさんともいわれる南ロシア産の馬毛もありますが、これは殆ど軽く脱色されているものです。
そして、引っ掛かりではなく馬毛の粘り、張力という点では、イタリア産の馬毛とカナダ産の馬毛は似たような太さで太さがあるために強いです。
モンゴル産は毛質にばらつきが多く、太さがばらついているとも言えますが、粘りという点では、イタリア産などに比べると少し落ちます。
二胡の場合そのほ殆どが、モンゴル産の馬毛です。
太さにバラツキがあり、それが音色の複雑さを表すとも言えますが、細い物粘りのないものからドンドン切れていってしまいます。
ですから最初から少し量が多いのかもしれません。
この馬毛の量の問題、わたしは西風東風、光風舜風それぞれ作る時に、何人かの弾き方の違いのある方にお願いして、試してもらいました。
比較的中国曲を特に南方系の古い曲など得意にしている方は、もっと毛の量が多い方が良いと、比較的速い曲を得意にしている方、そして、王永徳先生以来のモダンな弾き方、(弓の持ち方と言っても良いかもしれません)
その方達は割りと少なめな馬毛の量を好むようです。
そして北方系の方も、少ない馬毛を好むようです.
こんなことを書いていると、どれが基準なりうるのか??となってしまいます。
因みに中国製の弓の馬毛の量も、少ない方から9グラム前後多いと11グラムくらいの会社もあります。
ヴァイオリンは少なくとも5グラム多くても6グラム前後です。
本数にして20本くらいの違いですね。
光舜堂では、イタリア産を6,5グラム カナダ産の黒毛7グラム、モンゴル産の馬毛西風で8,4グラムを基準としています。
良い毛だけを切れにくいあるいはよじれているものなどを除いていますので、中国製の弓よりは少なくなっています。
ただそれでも、光風や舜風などは、ご来店の方はもう少し多くあるいはもう少し少なくなどご希望の方もいます。
遠くて来にくいかもしれません、でも何年も使う大切な弓だとしたら、一度御来房ください。
あるいは神戸の元町のあーるふぅさん、そして金沢のNMLさんに置いてあります。
あるいは皆さんのお近くに既に光風、舜風をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
それからなるべく安定した二胡弓という事で作り始めた西風東風ですが、もし皆さんが弾いてみて、竹が少し硬いあるいは柔らかいなどなどありましたら是非ご相談ください、出来る限りの事はしたいと考えています。
弓に使う竹は次第に固くなっていくものですから。
そういう点でも、馬毛の張替えは大切でしょうその時にご希望に沿うこともできますから。

工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ


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