小耳はミーハー

小耳にはさんだことへの印象批評

「バベル」は好き?

2007-04-30 20:35:05 | ドラマ
GWの初日。
徹夜明けで、そのまま朝8時の新幹線で京都へ。
中学・高校の部活の同期の結婚式へ。
その時間でも、新幹線は乗車率が100%を超えているのではないかと思うほどの混み具合。
徹夜明けで、京都まで立ち続けるのはさすがに厳しいと思い、グリーン車に乗る。
初めて乗ったけど、なんてことはない。
パーサーの態度が少し優しいだけ。
弁当を食べて、持ち込んだ本を数ページ読んだだけで、熟睡。
友達からの電話で起きる。
10:30に京都駅。
友達が待っていてくれて、
久しぶりの再会を味わうまもなく、挙式に滑り込むために走る。走る。走る。
その時間に、すぐに昔の感覚に戻る。
スーツを着て、少し大人ぶっている僕たちだったけど、
「またヒサオが遅れた」とか「ヒゲくらい剃れよ」とか言われている間に、
すぐに昔に戻った。
「お前、ハゲてきたなあ」
「腹が出すぎ」
とか、まだまだ26歳だけど、18歳のときに思い描いていた
「この中の誰かが結婚したとき」というシチュエーションが、
現実になっていることを楽しんでいた。

式も、披露宴も、2次会も、こじんまりとしていたけど、
温かくて、ジワッと来るいいものだった。
ほんと、こーいうのがいいなあ。
派手だったり、仕切りに気を使ったり、そーいうのは
本末転倒になったりするし。

中でも、新郎の弟(ジャズミュージシャン)と妹(音大生)のセッションは、
とても感動的だった。
みんな、泣いていたよ。

それで、3次会は朝まで、テニス部の仲間8人で飲み続けていた。
商社マンのSは、インドネシアから。
F1の研究員のKは、イギリスから。
建築家のTは、福岡から。
ぼくの東京なんて、近いもんだ。
みんなが、アイツの結婚を祝うためだけに来ていて、
京都のなんの変哲もない居酒屋で飲んで、ただ昔話。
誰も、変わっていないように思った。
ぼくも。

次に、この面子で会える日は来るだろうか。
もう、なかなか難しい気がする。
そう思った、帰りの新幹線。
そのとき、ぼくは不安になった。
「アイツは変わったな」とぼくに対して、みんな思っていたのかもれしないと。
自分では気がつかなくても、何かが漏れ出すように、
ぼくの体から、顔つきから、言葉から出てしまっていたら。

心は、届いたか。
国と国、過去と未来、男と女、親と子。
それぞれの間に、壁は存在している。
それを打ち砕くのは、一発の銃声ではない。
「バベル」
もう、時計の針は戻すことはできない。
どんな人生がよかったかなんて、分からない。
まだ何者でもなかったころのお互いを知っている連中と会うと、
今の自分の道が正しかったかどうかが不安になる。

でも、新幹線を降りて、品川の駅前でタバコを吸っていたとき、
女からのメールがあった。
「明日、やっぱり会えない」

会いたかったけど、仕方ない。
でも、君はぼくが結婚するときには、
たとえ、インドネシアにいても、イギリスにいても、
飛んできてくれるかい?






「スーツ」は好き?

2007-04-25 02:08:17 | ドラマ
なんか自分のことしか考えない女は疲れるなあ。
誰かアイツらの携帯とか、取りあげりゃいいのに。
その番号を、ぼくの好きな人にあげてくれよ。

こないだスーツを買いました。
友達の結婚式を理由にして、久々にスーツを。
なんかフィッティングしてたら、スーツが楽しくなってきて、
ついつい周辺のものまで(シャツ・ネクタイ・靴・ベルト・ハンカチ)まで購入。

完全に店員の着せ替え人形。
ぼくは鏡の前にいるだけで、持ってくるものを買う。
付き合いの長い人だから、信頼してるっていうのもあるけど、
少し反省した。

これじゃ、感覚が鈍る。
でも、いい買い物だった。
危うく店員に乗せられて、新郎より目立ちかねない姿になるところだったけど、
なんとかギリギリ思いとどまる。

だって、
わざわざ結婚式のために京都まで行くんだよ?
ちょっとくらい気合い入れてないと、
面倒になって名古屋くらいで帰ってきちゃいそうだし。

多分、これから無理矢理普段もスーツ着てると思います。

でも、
結婚する友達って、
もう七年くらい会ってないんだよな。
何してるかは知ってるし、彼女との馴れ初めもなんとなく聞いているけど、
どんな顔して祝福すりゃいいんだ?
てのが目下の悩み。

だって、このままじゃ絶対に第一声は、
「おめでとう」じゃなくて、
「久しぶり」になっちゃうもんな。

「久しぶり。おめでとう」
って言葉もなかなか良いけど。

うん。
「久しぶり」に会う理由が「おめでとう」なのは、良いことだ。
やっぱ結婚っていいな。








「27歳」は好き?

2007-04-24 00:47:30 | ドラマ
千代の富士引退のときのセリフ。
「気力体力の限界」

あんなに強い人が、限界ってどーいうことだろう?
と幼いころの、ぼくは思ったわけだけど。

次元は違っても、
誰しもが迎える、または迎えそうになる「気力体力の限界」

それを放っておくと、「精神の限界」を迎え、そして「人間の限界」へ。

救われるには、何が必要か。
愛かしら。
夢かしら。

ぼくは、どっもも持っていない。
壊れるか。
だって、引き際を迎えるには、まだ早すぎる。
みんな、27歳だった理由が少しわかる。
「20世紀少年」よ。

ぼくももうすぐ27歳だ。
でも、ぼくはロッカーではない。

「髪」は好き?

2007-04-15 22:53:48 | ドラマ
それは、とある休日の夜のこと。
ぼくは、前日から寝ておらず、その日も朝から用事があった。
シャワーだけを浴びて、無理矢理1日を切り替えた気になって出かけていた。

午前中の用事を青山で終えて、
夕方からの別件まで時間ができたために、青学にほど近いところにあるマッサージに行って、1時間の睡眠。
気づけば、「おつかれさまでした」と言われてマッサージが終わる。

まだ次までには2時間ほどあった。
仕事をしようかと思ったが、次の場所が渋谷であったこともあり、
青山で過ごそうと決める。

青山での過ごし方には、いろいろあるだろうけど、
ぼくは髪を切りに行くことにした。

前に行ってから、まだ一ヶ月も経っていなかったけど、
ぼくにとっては美容院に行くのは、友達と会いに行くようなもんなので、
予約を入れる。

「どうしますか?」
なんて聞かれることもなく、
「お願いします」

そこで、いろいろなスタッフといろいろな話をする。
少し癒される。
美容院にも、新入社員が入っていた。
なかなかの難関を突破して入っている彼らは、
すでにある程度洗練されている。

昔から、美容院が大好きだったぼく。
はじめて行ったのは、小学一年生の夏だった。
友達の家が美容院で、遊びに行ったついでに髪を切ってもらった。

椅子にちょこんと座ると、きれいなシーツをかぶせられて、
目に映るのはキラキラした小道具たち。
鏡に映る自分が、どんどん変わっていく。
そして、シーツをとると着てきた服も、
まったく違う服に見える。
そんな美容院初体験。

高校生になっても、その感覚は失われず、
いろいろな美容室に行きまくり、
その中で好きになったところの人たちと仲良くなりたがる。
高校生のころは、
仲良くなった人たちと広告の撮影とかも一緒に行った。

で、そのお店の1人の人が、
ぼくが東京に出てくるのとタイミングを同じくして
東京のお店に移った。

大学生のころは、
ずっとその人に切ってもらっていた。
お互い、ふるさとを思い出す時間だったと思う。

でも、その人は突然美容師を辞めた。
妊娠して、結婚したのだ。
「私、才能ないから」とよく言っていたけど
ぼくはそんなことは全然ないと思った。
「ヒサオくんは、どうするの?」
そんな質問にドキッとしたのを覚えている。

ぼくはその人の前では、
いつまでも田舎の高校生気分で、ただ甘えていた。
でも、
ぼくも人生の選択というものを迫られている年齢になっているのだと実感した。

彼女は、人生の選択をした。
美容師を辞め、結婚をして出産するという選択を。
よく考えてみれば、
ぼくと彼女は3つしか歳が違わなかった。

美容師たちは、老成している。
だから、ぼくは癒されるのかもしれない。





「ドリカム」は好き?

2007-04-06 22:31:50 | ドラマ
ドリカム「大阪LOVER」
関西出身の人間には、ちょっと刺さる。
USJのために書かれているこの曲は、
「御堂筋線」とか「万博公演」とか「太陽の塔」とか、
ベタベタな地名が出てくるんだけど、しかも無理矢理出てくるんだけど、
悪くない。
それを、「悪くない」とさせているのは、
「なんどここに来てたって、大阪弁はうまくなれへんし」というセリフ。

つまり、この唄は
東京の女の子と、大阪の男の子の遠距離恋愛を描いているのだ。
で、東京の女の子の気持ちを歌っているのだけど、
その端々で「大阪弁」を歌詞として使っている。

吉田美和は、北海道出身だから、
彼女が歌う「大阪弁」はけっしてうまくないのだけど、
設定が「東京の女の子」であるために、
そこに異様なリアリティが出てくる。
よく考えてるよ。

あと、
少しアカデミックな捉え方をすると、
「東京」と「大阪」という相容れない異文化をモチーフにすることで、
「女の子」と「男の子」という相容れない関係をうまく描けている。
ただの遠距離の切なさにはオトしていない。

そして、キメの歌詞の、
「近そうでまだ遠い大阪」
「恋しくて憎らしい大阪」
という歌詞にオトしているのだ。
つまり、
「近そうでまだ遠い女の子」
「恋しくて憎らしい男の子」
に言い換えられるのだ。
男の女の永遠のテーマに、
こんなにポップで、ローカルな曲をからめられているところが、
本当によく出来ている。

ドリカム、
やはり最近再びの最盛期を迎えている。
「今日だけは」も良かったものね。




「ただいま」は好き?

2007-04-03 00:30:09 | ドラマ
金曜日、夜中からAシンの誕生日会。
例の如く、朝まで。
Aシンは、不思議な男だと改めて思う。
男の子という感じもするし、壮年という感じもする。
チラリチラリと見せる顔が違うから、人気もあるのだな。
でも、イチ抜けられた感じがあるのが、悔しいけれど。

そして、朝方帰宅して、Uキの部屋へ。
おんなじマンション住んでるんだし、自分の部屋に帰ればいいのに、
なぜかUキの部屋で仮眠。これが5時くらい。
8時半に起きる。

そして、10時に東京駅へ着く。
Aヤ、Aヤコ、GOと幕張へ。
「springroove」を見に、幕張に。
寿司を食って、幕張メッセへ。
遅れて、Mホ、A-シンが来る。

会場に行くと、けっこうみんなTPO(?)をわきまえた格好をしていて、
一同焦る。

ぼくたちは完全に、休日の映画デートみたいな格好をしてたから。
誰かが近くのアウトレットに、服を買いに行くと言い出す。
一時間後には、低予算でみんなそれなりに「B-boy,B-girl」っぽくなる。
無駄なことだけど、
一年後思い出すのは、ライブより、この買い物なような気もする。

アクセントに踊り狂い、
AIに拍手、
カニエウエストに羨望。
そして、
そして、
ローリン・ヒルに熱狂。恋慕。

これが、「カワイイ」ってことだ。
とんでもなく可愛かった。
女の子の言う「カワイイ」って、コトバの本当の意味が分かった気がした。
初恋を思い出す。

で、23時過ぎにライブ終了。
帰りの電車が強風で止まる。
電車の中で、酔っ払った外国人が連結部分で立ちションをする。
それを飲む、彼ら。
そんな彼らを英語で注意する、キレイな女性。

八丁堀で降りたのが、
24時半。
みんなお腹が減っていたので、ファミレスへ。

そこの店員の態度の悪さに、キレる女子たち。
みんな、食う。食う。食う。
みんな、話す。話す。話す。
気づけば、29時半。

あわてて、帰る。

家で仮眠。
12時に渋谷へ。
仕事で使う資料を買いに、LIBROへ。
洋書の高さにビビる。
詳しくない人間の典型的な例にのっとって、似たようなものを大量に買う。
浪費に終わらせないようにと、気合が入る。

DVDを購入。
「合鍵 present」
「サマータイムマシンブルース」

23時に帰宅して、仕事しつつ鑑賞。
「合鍵」は、広末と玉山の話。
2人とも実年齢が、ぼくと同い年なので
その2人の恋物語に、なんか仲間意識を感じた。
内容がというわけではなく、
まあ、いろいろ難しい年齢になってきているよな、俺たち。という感じ。
仕事とか、親とか、過去とか、時間の重みとか密度とか、
ただの「好き」にいろいろなものが纏わりついてしまっている。
ただの「嫌い」にいろいろなものが引きずられてしまっている。

「サマータイムマシンブルース」は、
なんつーか、エンターテイメント。
ぼくは、あーいうノリで世間と接することはできないけど、
きっと一生できないけど、見ている分には楽しい。うらやましいと思う。

ぼくはきっと誰にとっても、愛い奴にはなれないなあ。
猜疑心は強いし、素直じゃないし。
ということを実感。

そして、27時すぎ就寝。

そして、月曜日。
いつものビル。オフィス。デスク。
ただいま。
誰も、おかえりとは言わない。
誰も、言わない。