へもへも日記 blog版

へもへも日記の へもへも は本上まなみさんの「ほんじょの へもへも通信」から頂きました。

ちょいとまとめてみるか

2011-11-03 22:24:50 | ハンブルク
 自転車の車道走行の話題もあったので、ここらでドイツの運転事情を。

 まずは車から。

・運転ペースは速い、というより加速が速い。
・普通の乗用車でも、ホイールスピンさせながら発進していくのもいる。
・基本的に制限速度厳守。市街地50キロ、郊外100キロ、住宅地、学校のそば30キロ。
 特に30キロ制限はかなりよく守ってる。郊外で集落に入って制限速度が落ちるところも、ドイツ人はよく守ってる。
・実は、制限速度で走っているほうが信号のつながりもいい。
・なので、郊外を走ってると前と後ろの遠くに車がいても互いに制限速度ギリギリで走ってるので、相対距離が全く変わらない。

・これが制限速度厳守の理由かわからんけど、速度超過測定器はけっこうな数で設置されてる。特に集落に入ったところに設置されてることが多い。
・速度超過測定器で写真を撮られると1週間くらいして振込用紙が送られてくる。
・測定誤差を上乗せした速度以上出してると、ちょっとオーバーしただけで違反となる。日本のように30キロオーバー以上で作動というのとは違う。
・オランダで速度超過してもドイツまできちんと振込用紙が送られてくる。
・ドイツのは役所風味な封筒だがオランダのはダイレクトメールみたいな封筒なので、間違って捨てないように要注意(あやうく、捨てるところだった)
・オランダは瞬間ではなくて区間平均速度を測定している場所もある。
・ベルギーの超過速度測定器は後ろから撮影する。なので、バイクもきちんとナンバーを撮影される。

・全く同じ外観で、信号無視取締器も存在する。これに写真を撮られると一発免停。

・アウトバーンも無制限区間の平均速度は速いが、規制が入るとみな、きちんと速度を落とす。
・アウトバーンは基本的に走行車線走行で、追い越し車線は追い越しをするときのみ。
・ドイツだと200m差くらいで走ってる車2台を抜くときはそのまま追い越し車線にいることが多いけど、ベルギーだと律儀に戻る車が多い。
・ドイツ以外の制限速度は130キロ前後。ドイツ国内に入った途端にドイツナンバーの車はフル加速。
・そんなドイツでも北ドイツは特にアウトバーンのペースが速い。日本ではパワーがないと言われる1.6リッターの普通グレードの車でもかっ飛ばしていく。7号線は流れが150キロ、なんてことも。

・「優先順位」を考えて運転する。
・信号も表示もない交差点では右側優先
・右側が優先なので、相手に優先権がある右側のみに注意して交差点に突入する車も多い。何故なら、左から来る車は自分より優先権が低いので止まらないといけないから。それでOKなくらい、優先権が徹底してる。
・優先権の順位は車道を走る限り、車、自転車、乗馬、馬車だろうと全て平等。
・対面通行等でも優先権がある側が優先。車対自転車でも自転車の側に優先権がある場合は絶対に車は突っ込んでこない。
・逆に自転車が優先権がない場合に「車幅がないから行っちゃえ~」ということもしない。

・横断歩道等は横断する歩行者&自転車が絶対に優先。
・というか、横断歩道では左右を見ずに渡る歩行者も多い。それくらい、車は絶対に止まる。
・車道を走ってる限り、自転車も車と同じく横断歩道を渡る歩行者&自転車を優先させる。

・右折をするときは巻き込み確認必須。
・歩道内の自転車レーンを直進する自転車に優先権があるので、本当に車お構いなしに突っ込んでくるから、巻き込み確認しないと挽いちゃう。
・日本でよくあるような、追い抜いてから自転車の前を左折、なんてことはしない。
・車は車道、自転車は自転車レーンの場合で車が抜いていって右折するときも、自転車がいるのをわかっていて止まって待っている車も多い。
・その旨の表示がされている交差点では赤信号でも確認をして右折可能。
・北米は逆で通常は赤信号でも右折OK。駄目な所だけ表示がされているらしいが、欧州は違うので要注意。

・日本だと1.5車線くらいな幅の道路で2車線に車線が書いてなくても、2車線として走る。
・ここから先は1車線で走れという表示があり、そこではスムーズに合流する。

・自転車が走っている場合は大きく迂回して抜くし、前が空くまできちんと待つ。
・もっとも、大都市内の2車線、横に自転車レーンありみたいな状況だと、車道を走ってる自転車をクラクション鳴らしながら抜いていく車もいる。
・車線が曳いてある2車線以上の大通りだと、自転車ではちょっと車道は走りにくい。そのかわり、ほぼ確実に歩道内に自転車レーンがある。

・信号は交差点の手前にある。
・青になる前に黄色に一瞬なる。この間にギアを入れて青と同時にスタートダッシュ。
・前の車が交差点内で止まってるような状況でも、青だったら突っ込んでいく車も多い。
・突っ込んでいって進まないのに信号が赤に、横から来る車を塞いで通れないような状況にもよくなる。それでもお構いなし。
・どうも、信号はそこのラインを通っていいかどうかで、過ぎてしまえば信号関係なくなる、という意識っぽい。
・信号は抜けちゃったけど前が詰まってたから交差点までは突入せず、となると信号が見えない。でも、青になれば後ろがクラクションで催促してくる。

・駐車は基本は前突っ込み。後ろから入れる人もいるけど少数派。
・街中は基本的には縦列駐車。異常に上手い。
・右側優先ルールは、駐車場内も同じ。

・車間距離は狭め。でもペースは速い。
・黒いフィルムの車が少ないので、何台か前の状況が見れるので車間が狭くても走れる。
・普通車でフィルム貼ってる車は、大概、運転が下手&ペースが遅い。

・ランドアバウトは中を走っている車優先。
・ハンブルクは少ないほうだけど増えてきた。
・信号があったのを廃止してランドアバウトに改造した交差点もちらほら。
・オランダは高速道路でもランドアバウトで公差させてるところもある。でも、北オランダだけかも。
・信号付き交差点で公差させてるところもある。でも、北オランダだけかも。

・ドイツの免許証は一度取ったら一生有効。
・おっさんでも免許の写真は18歳前後のまま。
・17歳になったら免許を取得できる。でも、18歳以下の場合は保護者が助手席に乗ってないと運転不可。
・なので、日本みたいに身分証明書としては使用できない。
・UKは2種類の免許証がある。大陸式のカードと紙のもの。
・カードのものは携帯用で、紙のものが正式な免許証。でも、紙のほうには写真もなにもない。なので、こちらは同じく身分証明書としては使用できない。

・日本の免許保持者は、ドイツに居住の場合は申請すれば無条件でドイツの免許を交付してもらえる。逆もしかり。
・ただし、交付の際には日本の免許を預けなければいけない。
・以前は帰国の際に申請すると日本の免許が戻ってきた。最近は一定期間後に日本大使館経由で戻ってくるらしい。
・「日本でも運転するのだ~」とかなんとか理由をつけて申請すると、日本の免許を預けることなくドイツの免許を交付される場合がある。
・アメリカの免許を持ってても、別にドイツの免許は交付されないらしい。
・ドイツ人がアメリカに行って運転する場合は国際免許が必要だが、アメリカ人は国際免許なしでドイツ国内で運転するらしい。何か不条理。
・いや、本当は必要だがアメリカ人が国際免許というものを知らずに我を通してるだけかも。

・一応、ドイツの免許証にもオートマ限定という区分けはある。でも、それを適用してるのは日本の免許から書き換える人だけという話も。
・マニュアル車が基本。最近はオートマも増えているという報道が日本でなされているが、それは本当の高級車だけ。
・中古車を買いたい場合、オートマ、さらに車種とグレードまで指定してネット検索すると、半径100キロ以内のお店で1台だけ、なんてことも。
・逆に、大衆車でマニュアルだと、お店に同じ車種、年式、グレード、色で数台在庫なんてざら。
・日本人とアメリカ人はマニュアル車が運転できない人が多い、という認識がドイツではあるらしい。
・ドイツはまだ高級車でオートマもそれなりにいるが、ポーランドやハンガリーなんかにいくと99%はマニュアル車。
・もちろん、レンタカーも基本はマニュアル車。
・ネットで予約をしようとすると、ファミリーカー、スポーティーカーと同列でオートマ車、というページが存在する。もちろん、選択肢は少ない。

・踏切は基本的には一時停止しないで通り過ぎてよし。
・踏切にひっかかると、5分近く待つこともざら。
・アイドリングストップする車も多い。
・でもそれは陽気がいいときだけ。夏場はエアコン止めたくないからアイドリングしてる車が多数。>
・結局「ドイツ人は踏切ではエンジンを止めて待つ」というのは、実はエコに配慮ではなくてケチなだけだった、なのかもしれない。

・ドイツ車は何もない仕様に好きなオプションだけ付けていく。何故なら、必要ないものにお金を出したくない人達なので。
・高級車はともかく、大衆車だとドアミラーの調整は手動、後ろの窓の上下もクルクル回すレバーなものもざら。
・日本だとほとんどの車についてる、サイドバイザーを付けてるくるまはほとんどない。
・ホンダはオプションも日本と同じくセット売りしているらしい。

上で自転車も書いちゃってるけど自転車

・市内は自転車レーンが多い。
・自転車レーンがあるところは逆に車道はペースも速いので走りにくい。
・自転車レーンは自転車優先。歩行者が轢かれても文句は言えない。
・ロード乗りは郊外の自転車レーンがない車道を走ってることが多い。
・埠頭はあるがそんな所でグルグルと練習してる人はいない。
・というか、グルグルと練習してる人はいそうもない。
・だって信号なしで30キロ走りっぱなし、とかいう道がゴロゴロ。端っこもランドアバウトなので、車がいなければ往復60キロはノンストップ。
・郊外に店はないので、日本のコンビニ感覚で練習に行くと軽く死ねる。
・大都市はないので、ちょっといくとすぐに郊外。畑と羊の放牧地が広がる。
・ガソリンスタンドがコンビニ替わり。でも、次のガソリンスタンドまで20キロ、なんてことが北ドイツでは普通にある。

・意外と長距離のルート取りが難しい。
・アウトバーンが無料ゆえに東名高速に対する246みたいな道路がないので、あっち行ったりこっち行ったりを繋いでいかないといけない。

・交差点等の優先権は、車道を走ってる限りは車と同じ。
・車道を走る限りは車のルールと同じで走ってる。

・赤信号で止まる場合、車を追い抜いて先頭に出ることはしない。到着順に後ろに付く。
・何故なら、青になったらすぐに車に抜かれるから。
・これは自転車だけじゃなくてバイクも同じ。

・前みてりゃわかるだろ、なので、日本のように煩いくらいに手信号や声出しはしない。
・手信号は出すが右左折くらい。ママちゃりでも出す。
・埠頭内の線路でレール上を斜めに渡るときにそっちにちょっと斜行すると、角度をつけてレールと公差できる、というのを示す手信号はあった。
・制動やら段差やら石やらの手信号は出さない。
・サイクリング大会では抜くときは車と同じく左から。左から「左いくぞ~」の声とともに快速列車がやってくる。
・日本のレースのように、いきなり横っ跳びレーンチェンジする人はいない。
コメント (10)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« トニー・マーティン | トップ | サイクルモードに »
最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ビアンキ・シモン)
2011-11-04 19:58:25
とても興味深く読みました。(おもしろい!)
ところで自転車レーン、
郊外にもたくさんありますが、
自転車レーンのあるところでは車道を走ってはいけないなのですか?
それともどちらでも好きなほうを走ってもいいのかな。

・埠頭はあるがそんな所でグルグルと練習してる人はいない。
・というか、グルグルと練習してる人はいそうもない。

ハハハ、笑ってしまいました。
私は地元でグルグル走ってます。

返信する
自転車レーンがあると (Ken)
2011-11-04 21:37:00
車道を走ってもいいみたいですが、クラクション鳴らして抜いていく車も多いです。アウトバーンと半端に平行してるルートだと、その手合いが多い気がしました。

よく行っていたエルベ川沿いも自転車レーンはありましたが、そちらは車道を走っててもそんなことはありませんでしたし。

自転車レーンも片側のみというような所も多かったので、その点ではベルギーのほうが走りやすそうです。

多分、グルグルと回る練習ルートが定常化してのは大井埠頭含めた東京とパリくらいじゃないですかねえ。
返信する
以前に (じゅん)
2011-11-05 20:55:46
kenさんに、ドイツの自転車走行を教えていただいたのもあり
ドイツと言う国の道路事情に興味を抱いていたので
大変興味深く読ませていただきました。
読んでて一言で言えばドイツは大人だよなぁ・・・と感じましたよ。
返信する
ポイントは (Ken)
2011-11-06 15:15:26
優先権をきちんと判断してるかと、車だろうが自転車だろうが同じということですかね。あまり細かいルールにすると分からなくなるという事もあるでしょうし。陸続きで他国の人も来ますから。

ちなみに、赤信号を渡った歩行者が轢かれた場合、100%歩行者の過失になるうえに、運転手から「轢いたときの精神的苦痛」で訴えられることもあるとか。
返信する
怖い (えの)
2011-11-06 21:29:08
日本に帰ってきてとにかくママチャリが怖い。無秩序極まりない。早いところ車道走行を徹底してしまって違反者からはドイツの交通違反みたいに1000円程度の小銭を取ればいいのにと思う。と同時にやっぱり道の整備も必要だけどねぇ。
返信する
あと、おいらは (Ken)
2011-11-06 21:41:13
帰ってきて、散歩させてる犬が怖いです。ドイツの犬の躾の良さが異常なのかもしれないけど。
返信する
 (キムケン)
2011-11-09 00:54:50
犬が悪いのではなくて、犬を躾られない人間の問題です。
日本も、一方的に悪い場合には10:0の過失割合を適用してくれれば良いのですが・・・
10年後に期待しましょう
返信する
Unknown (佐藤)
2011-11-21 05:26:00
日本のドライバーにはまず制限速度厳守させることから初めないといけませんね・・・本当に、現状ひどいものですから。
返信する
Unknown (佐藤)
2011-11-21 05:31:01
日本にも自転車専用レーンや自転車専用道も切実に望みます。速度超過やスレスレ追い抜き、煽り運転、路上駐車違法駐車、クラクションが当たり前のドライバーだらけの日本です。怖くて車道は走れませんよ。多くの自転車利用者も同じ想いです。自転車専用レーンを整備するならば、路上駐車違法駐車を防ぐために保護柵を検討するべきでしょうね・・・全国の、線を引いて色を塗っただけの自転車レーンが、自動車の侵入行為、路上駐車違法駐車で機能不全に追い込まれているぐらいなのですから・・・・・・。
返信する
もっとも (Ken)
2011-11-21 22:04:43
裏返しでもあって、自転車もルールを守らないといけなかったりするんですけどね。ドイツの、車道を走る限りは車だろうと自転車だろうと馬だろうと守るルールと相手に対する責任は同じ、というのを、日本で出来るかも、少し疑問ではありますが。

「お客様は神様です」の国と、「お客様は王様です」(お客様は絶対ではなくて、お客に対する革命(クレームなんかも、筋が通ってないと客が絶対ではない)がありうる)の国の違いでもありますし。
返信する

コメントを投稿

ハンブルク」カテゴリの最新記事