CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ヘンな日本美術史

2018-01-15 21:57:03 | 読書感想文とか読み物レビウー
ヘンな日本美術史  著:山口 晃

仏教美術の勉強がてら、
関係ありそうだからと読んでみたのでありますが、
日本の、主に絵画についての歴史というか
変遷を説明解説した本でありました
あまり肩肘張らずに、学術めいた内容とならないようにと
著者の細かな気遣いというか、趣旨もあって、
解りやすく、面白おかしい話として読めたのであります

鳥獣戯画から始まって、ここに画家の想いというか、
名前というものが出てこないのが秀逸で、
誰かが連作とした、そういうジャンルだったみたいな
現代でいう同人誌めいたものでなかろうかという
面白い見方から、

雪舟や、江戸期の浮世絵を経て
洋画との妙な融合が見られるというところが
日本美術、絵画の面白いところだったようであります
明治期には、かなり著名な画家が出てくるわけでありますが
ここで、美術という大雑把な言葉が生まれたりして
画壇ではないが、それぞれの美術家たちが
苦戦というか、あれこれと工夫と取り組みがなされて
明治期の写実的な日本画というのが
生まれていったというのは、なるほどとうなったというか
まぁ、出てきた絵を見て、そういうことかと
納得したりの読書となったのでありました

個人的には、雪舟のだるま絵の解説が印象的でありまして
先日の国宝展で見たなと思い出しつつ
このだるまの絵が、横を向いているのに
目は正面からの様子で書かれていて、
さらに耳は後ろから見た形になっていると
非常にちぐはぐに書かれているのに、それが強い印象となって
絵の面白さというか、よさになっているというのに
深く納得というか、感心させられたのでありました
こういう見方を説明されると
より面白く美術を楽しめそうだなとも想うのである

と、まぁ、あまり難しいわけでもない
美術のお話で、楽しく勉強できたと
思うのでありました