CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【ドラマ】THE LONG GOODBYE

2014-05-30 22:17:43 | ドラマ映画テレビ感想
撮りためていたのをようやっと見終わりました
なかなか面白かった、というか、
すごく気合と力の入ったドラマでありました
そういう意味でのわくわくもたまらない
そんな按配ながら、
ちょっと内容はよくわかんなかったと
情けないかぎりの感想であります

来週くらいには、いっちょ原作を読んでみようと
そんなことを思ったわけでありますが、
同名の小説をドラマ化したということで、
しかも原作はアメリカを舞台にしたハードボイルド的な
友情物語なんだそうで、
それを昭和初期にあてたというその
新しすぎる冒険が、はたして当たっていたのかどうか
そこは、見ていて、よくわかりませんでしたが
雰囲気はともかく凄い好みのドラマでありました

いちいちでてくるセットや、小道具がかっこよく
なによりも出てくる役者全員が、何かしらというか、
銀幕めいていると形容したくなるような、
どうにも、それを狙っているというのが
あけすけで、そのあけすけさがまたいいと、
なんか、私のようなミーハーな人間には
なんとも居心地がよい絵で堪能
また、出てくる役者それぞれも、いい味出しているというか、
一癖もふた癖もありそうで、
台詞回しは、わざとなんでしょうが
時代がかったというか、芝居がかったというか、
そんな言い回し、絶対に普通口にしねぇよと
思わずつっこみたくなるような台詞が頻発するけど
なんかそれが、かっこよく見えたりいかしてたりと

まぁ、なんだかんだ、楽しくて仕方なかったのであります

訴えたかったことはなんなのか、
それはさっぱりわかりませんでしたが、
友情を信じて、それはなかったということなのか、
唐突に次のオリンピックにかけだしたのは、
ちょっと突飛すぎやせんかと、
残念な心持になったりもしたものの
こういうのがよかった時代というのがあるが、
それはもう過去で、今はないのだという
センチメントめいたものは、やはり、嫌いではなく
なんというか、好ましく見えてしまったのでありました

凄い意欲作であったと伝わってくるし
実際凄かったと思うものの、
なんというか、もうひとつパンチがないというか
どうなんだろうか、好事家向きのそれだったんだろうか
わからないまま、私のような人間には
ひどく面白いドラマのように見えたのでありました

みんなよかった、台詞もよかった、
エンケンがかっこよすぎた、
なんだあのかっこよさ、ずるい

【読書】聖なる怠け者の冒険

2014-05-28 20:58:51 | 読書感想文とか読み物レビウー
聖なる怠け者の冒険  作:森見 登美彦

不思議小説でありました
和風ファンタジーテイストでありながら、
ほぼ現代劇という感じでありまして
肩の力をできるだけ抜いて、
ほんわかと読むと、なんだか楽しくなってきたと
その独特の言い回しや、キャラクタに翻弄されて
楽しい読書を終えるのでありました

内容は、ぽんぽこ仮面なる怪人をめぐり、
その正体や、後釜や、捕獲にうごめく
さまざまな組織なり、人なり、探偵なりが
ごたまぜになって、楽しい祇園祭の夜となし、昼となしを
つつがなく描いていく物語でありました
なんというか、とても楽しそうというのが
文章から伝わってくるというか、漂ってくるというか
そんな按配で、読んでいると楽しい気分になれるのでありました

また、その本筋と関係がありそうでないような、
土曜日を充実させるためにがんばるカップル二人が
まぁ、絶妙によいというか、非常にステキで、
文章内のとおり「ぴかぴか」でありまして、
まぶしいばかりのそのカップルっぷりに
なんというか、ある種羨ましいとも思えるほど
魅力たっぷりに描かれてというか
まぁ、本当、あんなカップルになってみたい
そして、一緒に土曜日を拡張したいと
思ったりしてしまうのでありました

言葉遊びも面白くて、なんとなし、
全体的に可愛らしさみたいなのを追求したかのような
小憎い台詞回しも多々見られて、
飽きなく読めるのもステキでありまして、
話しの筋として、テーマとして
何かしらあったかしらと読み終えると
特段何もないのでありますが、
なぜだか楽しい時間であったかのように思えるのが
ステキだとほとほと感心したのであります

なんにせよ、堕落するということに抗えない様や、
そこに流されてしまう人間味といったことが、
物凄く納得できる流れで説明されて、
かつ、こっそりとお嫁さんをもらったらやりたいことリストとか、
夢溢れて悲しいくらい楽しそうなそれこれが
本当、なんかわからんが魅力的で仕方ないと
そう思わされる小説だったのでありました

【読書】至高の営業

2014-05-26 20:47:26 | 読書感想文とか読み物レビウー
至高の営業  作:杉山 大二郎

ビジネス系の読本だと思っていましたが、
小説仕立てになってて、しかも、よくできてました(偉そう)
以前に読んだ、同じようなビジネス指南書系小説よりも、
ぐっと小説らしいというか、
あるビジネスマンが、よくできる上司の薫陶のもと
あれよあれよと、営業という職種について
その技術と心得を磨いていくという
そんなお話でありました

ここまですがすがしく営業にクローズアップされているのは、
久しく読んでいなかったと思わず、
なるほどなんて、若々しい感想を抱いたのでありますが、
人間力という言葉も使われる昨今、
いわゆる、取引先との関係、人間関係というのを
どうやって構築しはぐくんでいくのかという
それが、営業のもっとも肝要なるところであるという
非常にわかりやすく、
そしてそれを伝えてくれるようなエピソードとともに
物語が進んでいくのでありまして、
わずか3ヶ月で、トップセールスになれるというのは
嘘じゃないかもなんて、
すっかり騙されるほど、よくできているのでありました
実際は、そんなに甘くないと思うものの
なるほどなと思うのであります
つまるところ、そういうこともできてないわけだ、私

さて、反省はさておきまして、
時間を無駄にしないということと、
重きを置く部分を見極める能力、
なによりも、質なんていうあいまいなそれではなく、
きっちりと数をこなすことで、
率は同じでも、制約数が増えるというロジックは、
平たくいえば、根性論に似たそれでありますが
非常に説得力というか、なるほどと思わされる
それが嫌で、やらなくなるんだよなというのも
なんとなし、私としては思ってしまうんだが、
そこはそうではなく、そこからのアプローチ、
出会えたという段階から、関係を向上させていくための方法
それを考えたり、あれこれしていたら、
時間なんて、ほとんど足らないぜというほどの
なかなか、まじめにやるのは大変だという
きわめて全うで、そして、当たり前ながら
できないことがたくさん書かれていたのであります

こういった、ビジネス書に共通のことではありますが、
どれだけ読みやすく、どれだけ納得感があっても、
本当にできるかどうか、
それをやれる人というのがすごいのだなというのを
まざまざ思い知るようでもあり
なかなか楽しかったのでありました

指南書風なのに、あまり嫌味に感じることもなかったし、
読んでいて、しゃらくさいなんて思うようなこともなく
非常に読みやすく、面白い本でありました

軍師官兵衛  松寿丸の命

2014-05-25 20:43:41 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」
視聴完了しました
今週はまた、輪にかけて面白かった
凄いな、なんというかな、苦しい場面ばかりなのに
飽きないというか、どんどんと引き込まれるようで
楽しくて仕方ないといった具合でありました
余韻も十分で、まさかのといっていいのか、
本放送が42分までやってましたが
そういうことなんでしょう
いいなぁ

しかし、もっと土牢時代が長いかと思ってましたが、
案外あっさり終わってしまった
実質二話分でありましたね、
どこかで一ヶ月はみっちりという話しを聞いてましたが、
つかまってから数えてということだったんでしょう
ここ数年の大河ドラマは、
どうしても牢屋に誰かを入れておかないといけないのか
そういうシーンばっかりでありましたが
今回は、それをうまく見せたというか、
牢を変えるという手法が
新しいといっていいのか、なんというかしら
ともかく飽きないつくりだと
感心しきりでありました

で、やはり今回は題名のとおり、松寿丸の命について
そのやりとりが生々しいというか、
演技がみんな、入り込みすぎてて見事でありました
よく知られた事件とはいえ、
そういうのを忘れさせるほどの、
あの悲しさみたいなのが、しっかりと伝わってきて
まぁ、職孝が泣いているシーンはもらいなきするほどでありました
凄い、本当にあのシーンは、
照の退場も含めて、硬軟のついた哀しみと怒りの演技で
脱帽でありました、凄くよかった
あれを一身に受け止める秀吉もまたかっこよかった

あのシーンだけで
今週は見た甲斐があったと断じてしまうわけですが
意外と、忍び込んでいる善助他が
さっぱり役に立ってないのが驚きでありまして、
もっと何かするのかしらと、
悪い意味で冷や冷やしていたのですが
今回のこの感情を描くにあたって、
彼らが何もできていないというのがまた、
ステキによくできてたと
本当、ほとほと感動に近いそれを覚えるのでありました

そして、とうとうというか、
見ているほうとしては意外とあっさりと
来週には脱出できてしまうようでありますが、
あの時間が経つシーンを、雨、雪、花で描いたというのは
なんというかな、これもまた
よくできてていい演出だと
ベタといえばベタだとは想いつつも、
流れていく時間が見えるようで素敵でありました
また、官兵衛がずたぼろになっていくのも
怖いというか、凄いなと
役者の気迫に、今回脱帽でありました
面白かった

【読書】人生に悩んだら「日本史」に聞こう 幸せの種は歴史の中にある

2014-05-22 20:18:03 | 読書感想文とか読み物レビウー
人生に悩んだら「日本史」に聞こう 幸せの種は歴史の中にある  
著:ひすいこたろう

日本史読本でありました
いくつかの歴史エピソードや、
偉人の伝説というか挿話めいたものを紹介して、
それを現代の価値観に照らしたりしながら、
なかなか面白く生きてみようなんて、
そういう綺麗なオチにもっていくといった
そんな具合でありました

割と、歴史もばらけていて、
よく知られたエピソードから、初心者にも助かる、
伊能忠敬のどこが凄かったか説明とか
さらっと流す程度なのに、
あらすじで、なるほどと思えるほどの
ステキさで、あっという間に読みきれてしまうのであります

秀吉の凄かったところは、人たらしの魅力はどこにあったかとか、
語りつくされた感もあるような話題もありつつ、
幕末志士の燃える心を描いたところもあり、
武士としての生き様だとか、様々に面白いものがあるなか、
トリに用意されていたのが、偉人ではなくエピソード
あの「エルトゥールル号事件」
先日、漫画でも読んで思わず泣いてしまったのですが、
これはずるいといった紹介に、思わず涙腺が…

さらに加えて、ポーランドの孤児をシベリアから日本が救った話しとか、
国の友情といった物語というか、事実の紹介が、
まあなんというかな、感動的でありまして、
力がわいてくるというか、こういういい話に
滅法弱くなったななどと思い知らされたのでありました

そんなわけで、人生に悩もうが、悩まなかろうが、
よい話はよい話と読めるわけで、
むしろ、人生の指針にするようなことではなく、
何かしら感動するお話が読めたと
そんな具合で楽しめる本だったように
思うのでありましたとさ

しかし、エルトゥールル号の話しは本当、
恩を返してもらえたというのが
嬉しくてたまらんと思ってしまうのであります

【読書】舞台

2014-05-20 21:19:55 | 読書感想文とか読み物レビウー
舞台  作:西加奈子

現代小説でありました
太宰の人間失格を下地というか、モチーフにしながら、
現代における、青年のしょーもない葛藤みたいなのを描き、
それでいて、その葛藤を乗り越えるというか、
ひとつ区切るということによって、
何かしらの成長が描かれた
そんな、読んで楽しい、読後感もさわやかな小説でありました

個人的に旅行中に読んでいたのでありますが、
内容が、旅行にいって、自分の自意識の高さをひけらかすというか
まぁ、そういうところに葛藤する青年というのが、
今の自分に照らしたときに、年齢的に自分はアウトだなと
思ったり、思わされたりしながら読んだのですが
前半は、しつこいほどのその自意識からくる
しょーもない薀蓄というか、あれこれ、独り言、愚痴めいたものが
山ほどでてきて、これだけ羅列されると
どれかひとつは当てはまるなという具合でありました
まぁ、実際はひとつですまない具合なんでありますが
それはそれとしまして、いたたまれない

ニューヨークに旅行へ行くわけだけども、
そこで、いかにもなニューヨーク旅行者であることを
毛嫌いというか、嫌悪するという精神から始まって、
セントラルパークで、サックスを吹き始める黒人の爺さんを見て
できすぎていると唾棄してみたり、
鳩にえさをやる老婆を見て、いかにもだと思っていたら、
それが失敗するかのように、鳩に襲われて大童になる姿を見て
ざまぁみろと思ったりすると、
まぁ大変なそれこれを見せるのでありました

そして、それらを唾棄しながらも、実際は自分もそうしたいような
そういうことも見え隠れして、ついにそれを実行したときに
不運に見舞われて、舞い上がったらだめだなみたいな
わけのわからないことを思ったりなんだったりから
なんか、読み手も、主人公もわけのわからない混迷になり
大変でありましたと
そんな具合でありました

共感もあるものの、その舞台という題名のとおりといっていいのか、
自分が何かを演じているということに対して
あれやこれやと考えるという具合で、
なかなか面白くもありながら、
若者がかかる病気の一つを描写したよなとも
思ったりして、楽しんで読み終えたのでありましたとさ

軍師官兵衛  囚われの軍師

2014-05-19 21:54:22 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」
視聴完了いたしました
今週は、パパが凄かった、あれこそが戦国大名、
あと、さらっと戦国大名っぽかったのは中川、
あの生き方も見事

命の軽重みたいなのをドラマとして見せられると
どうも鼻白んでしまうよくない私でありますが、
今回みたいな、家と比べて家をとったみたいな、
ああいう話はたまらなく大好きであります
いずれかと、比べられないものを比べて判決する
素晴らしい、その葛藤こそ
見たかったドラマでなかろうか
なんだか偉そうなことをのたまうほど良かった

そんなわけで、職孝の生き様が見事でありまして、
あれを代理当主とはいえ、先代の威厳を保ちつつ、
さりとて苦渋をにおわせるそれであるという役
これを息子の嫁に聞かせるというのは
非常によい芝居でありました
この演技は前半のMVPではないかというほどであります

また、さりげなく、これと前後しての
御着の殿の演技もまた良かったのであります
殿が、職孝を想いながらもそうしたという
裏切りというか、義理や人情を己のために切った、
そこをかみ締めるという演技が
きわめて光っておりまして
凄くよかったのでありました、
あれがまた、涙じゃなくて、鼻水が出てるというのが
なんというかな、それまでの殿のようでもあり、
またここで見せた、戦国武将の姿であったようでもと
褒めて仕方ない見事さであります

あとは、信長のあしざまも見事でありましたし、
バカ将軍のバカっぷりも、輪をかけて見事になってるしと
なんというかな、見所が多すぎて
たまらないという具合でありました

しかし、キーマンというか、あれこれと思わされるのが、
中川の生き様でありますけども、
なんというかな、官兵衛というか、松寿丸のことも、
清秀のせいになるんじゃないかと
冷や冷やしてしまうのであります
なんか茨木に対してうらみでもあるんだろうか
この脚本の人わ、
そう思うほどに、見事な小物というか、
戦国時代を泳ぎたくる中川が生き生きしていてステキです
これでもう、死に様で酷い目にあうというのが、
なんとなしか、決まったなと
思わなくもないのでありました
下手すると、それを知った秀吉あたりが
わざとハメるんじゃないかしらね
楽しみだわな

そんなわけで、アクションが冴え渡る官兵衛でありますが
いよいよ土牢に入るということで、
今後、まったくそのような見せ場もなく
ぐったり過ぎるのでありましょうが
楽しみにしていきたいのでありましたとさ

【読書】課長の会計道

2014-05-16 21:39:23 | 読書感想文とか読み物レビウー
課長の会計道  著:千代田邦夫

社会人もすっかり煮詰ってきたので、
会計の勉強なんかもしているわけですが、
簿記を軽く撫でた後に、
こういった本を読むと、ああ、なるほどなと
理解が助かるというか、
これはむしろ、簿記習う前に読む本ですねと
そんな感想を抱くほど、
課長というけども、会計初歩といった入門図書でありました

本のつくりの話になってしまうのですが、
語りかける感じの文章で、
つらつらと、ポイントを解説していくという
よくある本という具合でありました
かなり読みやすく、すらすらと進むんだが、
なんというか、目が滑るというそれでありました
なんだろう、とっかかる部分がないといったらいいのか、
私には合わないと感じたところ、
解りやすい、というか、読みやすいというのが過ぎるといいますか、
読んでしまったら、わかったような気がして終わるという
まさにそういう本であったように
省みるのでありました

会計というものといえばいいのか、
お金の見方、決算書の読み方みたいなのを
撫でるように進めてくれて、
もうちょっと深堀してくれたほうがよいのではないかと
そう思うほど、極めてあっさりでありました
そういう意味では、入門にぴったりだったのかもしれない

一点ポイントというか、思い至る部分として、
税金に関する部分が面白くて、
もっと、このあたりは勉強のしがいがあるのかもと
感じるようでもありました、
お金のあれこれは、本当、考えるほど面白いような、
人間がつまらなくなるというか、
なにかどうもたがえてくるような具合が
たまらんなという感想を抱いて読み終えるのでありました

2014年美濃焼祭り

2014-05-13 21:33:33 | 陶磁器を探す旅と名物
初めて美濃焼祭りにいってきました
瀬戸、常滑、信楽はよくよく遊びにいきますが、
幸兵衛窯界隈の、市の蔵とかはよくよく行くものの、
なぜか、本拠地土岐には、さほど縁がなかったところ
今年は、混んでいることも織り込んで
いっちょいってみるかと参加したのであります

すごいよい天気の中でありましたが、
ほどよい人手といいますか
混雑しているものの、押せ押せで見ることも憚れると
そんな具合ではなくて、祭りっぽさと
満喫できる調子がちょうどよくて
大満足だったのであります

土岐の、いわゆる織部ヒルズの界隈だったわけですが、
まぁ、ようするに陶器に関する問屋や販売店の工業団地といいますか、
全国、ああいった工業地域がいくつもあるよねと
そういう風情のなか、もっさり楽しめるところだったのでした
道の駅「志野織部の里」から程近く、
この道の駅もなかなかよろしかったんだが、
やはり、その界隈のお店といいますか
会場の商社はより面白かったのであります

露天で作家さんもいっぱい出ていて
かなり面白かったのでありますが、
それよりも今回一番だったのが呈茶でありまして、
これが本当にすごい、
まさかの、人間国宝の手の茶碗で呈茶される
という、とんでもないイベントでありました
正直自慢したくて仕方ない

荒川豊蔵の唐津茶碗、
鈴木巌の志野茶碗(白・紅)、
加藤卓男のラスター彩茶碗、
加藤孝造の引き出し黒茶碗

こんな名品で茶を飲めたのであります
こんなすごいことがあっていいんだろうか、
いや、本当、これはすごいイベントであります
これだけのためにいってもいい、間違いなくそう思える、
満足という言葉では足らないほど、とてつもなくありがたいものでありました

あんないい茶碗は、楽家で、歴代楽茶碗の触れる会以来でありましたが、
今回の、大好きな美濃系統の国宝手に、
もう垂涎といいますか、感激と感動のあまり
手が震えるほどでありまして、
まさにうずくまるの様相で、思いっきり愛でてきたのでありました
すごくありがたかった、とても楽しかった

特に、加藤卓男のラスター彩茶碗に関しては、
あんなにきれいに発色しているラスターに出会えるなんて、
もう、涙が出るほど嬉しくてたまりませんでした
あれは300万円くらい積んだら手に入るんだろうか
いや、もっとするんじゃないかしら
そう思うほど見事見事でありまして、
たまらない、あれだけをひたすら眺めていたいと思うほどでありました

もちろん、大本家といいますか美濃といえばの志野についても
鈴木巌さんの大ぶり迫力がたまらない紅志野なんかも見事で、
こんなに大きいのか、重いのか、だけど手触りが違うものなのかと、
初めて志野に目が啓いた感じがしました
もう安い志野の釉薬に騙されないぞ

と、まあそれ以外にもいっぱいあったんですが
この茶碗との出会いがただただ凄くて、
あの祭り以外でも飲ませてもらえないだろうかなと
甘いことを考えたりしながら
今年はよいことがあるぞと、改めて思ったのであります
ありがたしありがたし、楽し楽し

【読書】コリーニ事件

2014-05-12 21:44:24 | 読書感想文とか読み物レビウー
コリーニ事件  作:フェルディナント・フォン・シーラッハ

前回、短編集を読んで面白かったので、
長編というか、中篇の小説を読んでみました
これもまた、面白かった
少し冗長にも感じられましたが、
淡々と事件が掘り下げられていく様は、
なんというかな、この人の味なんだろうなと
堪能できるのであります
個人的には、短編のほうが、さっさと進むから
読みやすくて面白かったとも想いますが
なかなかどうして

内容は、新米弁護士が、名うての弁護士と戦う、
しかも、弁護される側にはまるでやる気がない
そんな酷い有様で、背後関係というか、
人間関係において、被疑者と被害者と、新米弁護人との間に
浅からぬ縁があったりなかったりと
まぁ、そんなあらすじにしたら、
2時間ドラマ的な内容だよなとも思うものの
当然、そんなありていな感じでもなく、
まるで勝てる見込みのないその中でも、
真実に近づいていくことによって、
その真実がとてつもない不幸というか、
新米弁護士にとっても、決してよろしくないものを運ぶとわかってても
それを証明するというか、解明するといった
このなかなかスリリングな展開に
わくわくしながら読んだのであります

まぁ、実際は、そんな物凄い難しいトリックやなんだかんだが
あるわけではなく、ただ、その動機一点に絞られて
どうして殺したのかというその背後に、
ドイツで発表されたときには、なかなか
相当の注目を浴びたのでありましょう、
かつてのホロコーストなり、アウシュビッツなりが
見え隠れするというところが、
なんとも、陰惨というか、鬱屈とした感じなのでありました

許される罪ではないのは当たり前ながら、
そこに至る経緯に、何かしら思うところはあるかもしれない
そういうことを示唆するといった事件の描き方でありまして
この本によって、ナチの蛮行における裁判の結果が、
もう一度見直される、裁かれるべきものが裁かれていない可能性、
それをもう一度考えさせたというのが、
非情によいというか面白いというか
あれ、ここまで書いたら、ネタバレじゃないか?
思ったりもしますけども
まぁ、ともあれ、そんなお話なのであります

みっしり面白く読んで、
先日読んだ、ヒトラーを思うのでもありました
時代なんだなぁ

軍師官兵衛  非情の罠

2014-05-11 20:43:36 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」
視聴完了であります
いよいよ、土牢の日々が始まったようで
その後、どんだけ官兵衛が黒くなるか
楽しみで仕方ないのでありますが、
今回の見ている限り、
それでも希望というか、そういうのを失わないっぽいので、
ちょっと残念というか、
まぁ、そこまでダークというか、悪に染まった主人公は
よろしくないかなと、清盛を思い出したりしながら
うなるのでありました

内容は、御着が見事だなというところであります
ここにきて、御着の殿のほうが、
官兵衛よりも策士だというのは
ちょっと、物語の都合とはいえ
やりすぎじゃないかと思ったりもしましたが、
あのほうが、確かに戦国らしいといいますか、
納得のそれこれでありました、
そこに憐憫を覚える村重のよさというのも
また、見せ方がうまいなと思うのであります

あと、着実に中川清秀が悪いという形になっていくようで、
あれはよくない、フラグ回収もあるんじゃないかなと
ちょっと、七本槍あたりのエピソードが楽しみであります

信長の怒りもわかりやすく、
狂人めいたというよりも、冷酷な君主という具合で
なかなか、これはこれで好きだなと思うところ
あとは、金柑とどうするのか、どうなるのか
そっちが楽しみになってきたのであります
今回ので、何かしら、金柑も思うところがあるかと感じたが、
そうでもないのかもしれない
唐突な裏切りになりそうな気がする

今後、高山、中川ともに
どうやって落ちるのかが楽しみでありますが、
それよりも、牢内で虐待というか、
酷い目にあうであろう官兵衛にも楽しみというか
なんとなし、酷い目にあった後に、
デウスの教えに目覚めてしまいそうだなと
嫌な予感も抱えてしまうのでありました

しかし、官兵衛も、動けるシーンが最後だからって
あんな元気に飛び回るのはいかがかと
思ったり思わなかったりもするのですが、
あんだけ動けるんだから、
もっと違う役でどうであったろうかなんて
思ったりしてしまうのでありましたとさ

【読書】犯罪

2014-05-08 20:11:41 | 読書感想文とか読み物レビウー
犯罪  作:フェルディナント・フォン・シーラッハ

ドイツの弁護士が書いた、
犯罪をテーマにした短編小説集でした
凄い面白かった

「犯罪」をテーマにしているだけで、
ミステリーとは少し違う、さりとて、
謎解きというか、その動機やトリックがないわけじゃない
そんなわけで、なんというか、
その事件に関わる様々な模様といいますか
物語をいくつも描いた話でありました
本当に物語的といいますか、
まぁ、なんだろうか、感動に近い
不思議な読み応えを覚えたのであります
泣いたとかと違うんだが、
凄い、読んだ、満足したという気持ちが強い読後感

基本的には、弁護士がその事件を弁護するにあたって、
少しずつ、その事件のあらましを語るような、
また、描写するような内容でありまして
完全に敗北が確定しているような不利な事件も、
本当はこうであったと、その実が暴かれるでもなく
弁護される、それによって納得のいくような、
あるいは、不条理とも思えるような帰結へと
消えていくのが魅力的でありました

たまたま、この短編を日本で作るためにだったのかわかりませんが、
日本趣味的な内容も、何篇が見られまして、
これはこれでなかなか面白いと読み応えのある
ステキ小説ばかりでありました

罪を犯し、逃げた先で聖人のように過ごした男の話なんて、
なんというかな、人情で裁くことはいけないと想いつつも、
そのストーリーに魅入られるというか、
物凄く感情移入させられて、不安と結末の喜びに
なんか、凄く感激させられたりしたのでありました
全部が本当とは思えないんだけども、
そうだったらいいと、これほど思える内容は
なかなかないと勝手に想いいれを募るのであります

また、どれもこれも、どこか狂人めいた犯罪者ばかりで、
その狂気にあてられるかのように、
ひとつひとつの事件と動機が、
なんとも生々しくあるようで、
読み出すと止まらなくなるようで
非常によかった

そんなわけで、近々、別の本も読んでみようなんて
思ったりするわけでありました

【漫画】光速シスター

2014-05-07 20:42:26 | 星里もちる
光速シスター  作:星里もちる

堂々の完結でした
近所からスペリオールが撤退というか、
本屋がおかなくなってしまったので、
最終回だけ見られないというひどい塩梅でしたが、
無事、単行本にて補完
修正とかあっただろうから、
決してちゃんと読んだとはいいがたいものの、
足掛け何年だろうか、第一巻が2009年なので、
相当に前なのに、このたび、第三巻が発売されて完結となりました

内容は、遠く以前にも書いたとおり
マッハ号二号のごとく生きていく話だったわけですが、
どたばたコメディで、まさにもちる漫画というほのぼのさと、
物悲しさみたいなのも含んだ、非常に楽しい漫画だったわけであります
今回は、ラストがかなり寂しい感じでありまして、
それもひとつの最後ではあるなぁと、
いろいろ考えさせられるところ、
なんというかな、どれが本当の幸せなのか、
何が幸せだったのかわからないままに、
だけど、よいところに落ちたのかなと
思ったり思わされたりしたわけであります

まあ、正直なところ、北川さんと何も起こらなかったので、
個人的には残念至極というか、残念で仕方ないのでありますが
松木とくっつくかと思えば、まったくそんなこともなくと、
ある意味で、早苗と柿枝さんを思い出すようで、
なんというかな、このコンビもすごいよかったと
本当、俺は、もちるキャラがことごとく好きなんだと
思い知らされたのであります

全体の話は、これで結構重たいというか、
なんだろうかな、うやむやした何かを残されるそれなのに
全体のテイストが、非常に軽やかなコメディ(ギャグじゃないのがまた)でして、
ドラマで知識を補完するハナのよさは、
もう筆舌に尽くしがたいといいますか、
まさに、ドタバタという具合で満足なのでありました

もっとも、個人的にはもうちょっと、せめて、ひろみちゃんくらい
がんばって、北川さんに絡んでほしかったようなそうでもないようなと
あれこれ思ったり感じたりしながら、
最後の着地点のせつなさみたいなのは、
かつてない形だと、年齢のせいか、ひどく感動してしまったのでありました
こういうのが好きなんだなと
改めて、思ったりしながら、とても楽しめたのであります

【読書】ドキュメント電王戦 その時、人は何を考えたのか

2014-05-06 16:13:24 | 読書感想文とか読み物レビウー
ドキュメント電王戦 その時、人間は何を考えたのか

凄いたくさんの人が寄稿しておりまして、
誰の著作というわけでもない、
イベントも含めた、壮大な本でありました
非常に面白かった
将棋は、こまの動かし方しか知らない俄か甚だしいそれでも、
そのプロに関する、どきどきする畏敬というのは
どこかしらあるようでありまして、
十二分に、そういった部分を刺激されて、
そして、とても面白いイベントだったんだろうなと
映画のパンフレット読んだかのような
そういう印象を受けたのでありました

第二回電王戦というイベントについて、
当事者やその界隈にインタビューをしたり、
実際の対極についての寸評や、そこへの想いみたいなのをつづりと
非常に、この本を読めば、よりイベントが楽しめるという
そういうつくりになっておりまして、
物凄く面白かったのであります
そして、電脳将棋という分野の歴史に
さらっと触れられるようでもあって、
なかなか楽しいものでありました

すでにプロよりも強くなりつつあるという
この時期を逃すと、もう、イベントにならなくなる
そういう瀬戸際もよくわかり、
イベント興行についても考えさせられるような
多岐にわたる読み物でありまして、
将棋がどうしたというのも熱く面白いけども、
これをイベントにしたという
その内情というのもまた面白い
なによりも、手法が楽しいと
そんな風に読めて非常によい本でありました

結果として、プロ棋士側の敗北で終わったという
そのセンセーショナルな文面が躍る結果となったが、
これによって、将棋にスポットが当たったというか
一つのムーブメントが起きたという
そのことそれが、歴史であったという部分、
それを死の間際にあった前会長が後押ししていたというのは
ドラマ過ぎて驚きを隠せないわけでありますが
ここに関わる人たちの考え方や生き様は
確かに、今後の興行では出ない、
何か凄まじい面白さが詰まっていたんじゃないかしらと
そう思わされるに十分でありました

格闘技団体の興行を手がけているプロモータなんかも
あれこれ入りながらの、本当にイベントとしてのそれであって、
なかなか、あれこれと思わされるところもあるものの
ここで繰り広げられた熱戦の想いや、
そこへの分析なんかは、非常に面白いものがあって
将棋をさしてみたくなるという意味では、
とても、魅力的な本であった
そんな風に思うのでありましたとさ

まぁ、これを読んで、ついついと
ネット将棋なんざやると、あっという間にぼこぼこにされて、
続かなくなるんだよなと
それもわかりつつ、さりとて、なかなか
楽しそうではあると思わされるのでありましたとさ

【読書】いつまでもショパン

2014-05-05 21:47:40 | 読書感想文とか読み物レビウー
いつまでもショパン  作:中山 七里

このミス大賞作品をまた読みました
ショパンコンクールを舞台にした、
国際政治的な内容を含んだサスペンス小説であります
なかなか面白く読みました、
ミステリー素人の私としては、
鮮やかにというか、ああ、そうかと騙されたので
満足であります
オチたあとに、そりゃそうだとわかるようなのに
それまで気づかなかったというのが
小説として、とても楽しめたと思うのでありますね

ショパンコンクールで、不穏なテロとの戦いが始まるといった
そんな具合でありまして、
謎のテロリスト「ピアニスト」がいったい誰なのか、
コンクール参加者のだれなのかしらと
思ったり考えたりしながら、
それでいて、そのピアノ奏者として成長や出会いを培っていくというか
すりあわせていく成長物語にもなっていて
非常に面白い小説でありました
なんだかんだ、読んでいて、成長していく話が好きなんだ
自分の性格が改めてよくわかった次第でもあります

内容の大半が、ピアノの曲、そのすごさというのを
文章でどう伝えるかというところに振ってあるというか、
大半の描写が、音楽の描写だったというのが
なかなか特殊だなと思うものの、
いくつもの曲を、聞いたことないけども
すごいそれなんだな、何よりも、
前の曲とは違うんだなと思わせるような、
さまざまな言葉選びに感服したというか、
実際、それを聞いていないけども、
違う曲なんだろうし、そうやって弾いていると
聞こえてこないけど、何かしらすごいものなんだろうなと
思ったり思わなかったりさせられたのであります
実際、ちゃんと聞いたほうがいい気がせんでもない

そんなわけで、ピアノやっている人は
より一層楽しかったりするのか、
それは、どっかで読んだ聞きかじりを書いてあるだけだとか
そういうことなのかもわかりませんが、
ただただ、音楽に関する描写はすさまじいばかりでありました

それでいて、その苦悩というか、
ピアノに向き合う姿勢と、悩みが描かれているところが
非常に面白くて、読んでいても、なるほどなと
なんとなし共感できるようでもありと
十分に楽しんだあげく、結末を迎えるというところで
なかなかどうして、
ただ、主人公は、ただのピアニストのままのため、
別に事件と関係ないというか、
事件の犯人がだれかとかを探したりしないわけでありまして、
そのあたりが、ミステリ作品なんだけども
もう一つというか、アプローチが違う、
そんな風に思えて面白かったと
感じた次第なのでありましたとさ