川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

奄美大島(3)嘉徳

2008-02-21 17:09:10 | 出会いの旅
 昨夜、11時川越に帰りました。飛行機も順調で予定より少し早めです。今日は朝から好天ですが僕はごろごろ。そこへいくと89になる義母は達者なものです。今日は老人会の集まりに行っているらしい。
 奄美南部のリゾートホテルにはパソコンがあったので、思いがけず、ブログが出来ました。3日目は奄美の中心都市・名瀬のシティーホテル泊まりでしたが、そのような備えはありません。忘れないうちに書いておきます。

 2月19日(火)
 北部に向かう途中で地図を見ると、瀬戸内町の北東部の山中に<ヘゴ自生地>と書いてあるのでいって貰うことにした。僕は数年前、鹿児島県の大隅半島を訪ねたとき、地図の上に<ヘゴ自生北限地>を見つけ、迷い迷ってようやく、「ヘゴ」という植物に巡り会った。それ以来である。こんな感じの植物でシダの一種。
 
 ヘゴ http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/hego.html
 
 道からは遙かに遠い谷筋にヘゴは見えはするもののとても近づけないので、嘉徳という村の小学校を訪ねて在処を聞くことにする。山を降りた所にある海辺の村である。入り口には嘉徳小学校とあるが人気がない、廃校である。勝手に入り込むと「創作空間ムンユスイ」とか「ギャラリー嘉徳」などという表示板が懸かっていて、絵や写真を展示した部屋がある。校庭には辺り一面に枝をはった巨木がたち、絵の中にいるような気がする。
 あきらめて帰ろうとしたときに、隣接した家から私たちの声に気づいたご夫婦が現れ、お茶を誘ってくれた。
 堀晃(ひかる)という画家とお連れ合いだった。娘が丸木美術館で働いていることを知ると旧知のように会話が続く。広島大学の学生だった頃、丸木位里さんの作品との出会いがあったという。
 山口県に生活の本拠があるが2005年から、年に半分くらいはこの廃校に住み、絵を描いている。06年11月には「水のゆくえ・風のすみか」というサブタイトルの絵画展を、この廃校あとのギャラリーで開いて町民にお披露目をしたらしい。そのとき、教育委員会が全世帯に配布したというチラシに載っているのは、ここから見える山と空の気配を描いた作品である。この島では田中一村を知る人も少ないが、美術家を目指す青年が訪ねてきたという。堀さんは此処がそうした青年達のアトリエになることを期待しているようだ。
 元ちとせという歌手が此処の卒業生だという。ヘゴの在処を教えて貰って、村内を少し歩いてみた。美しい入り江に面した他から隔絶した小さな村である。このひとのことをもっと知りたいと思う。
 
 旧嘉徳小学校と元ちとせ   http://iurico.tblog.jp/?eid=18111

 ヘゴの群落は山を二つぐらい越した谷間にあった。橋のたもとから藪をこいで川に降りると見事なヘゴの林。圧倒され、感嘆の声が響く。上がってから橋の名前を見る。「大辺蛇(おおへんじゃ)橋」。
 ここらはハブの住むところであろう。2度と立ち入る勇気はない。思わぬ出会いと見事なヘゴ体験に満足して、名瀬に向かう。きのうとは違っていつ降り出すか解らない曇天だが、私たちの心は軽い。宇検で遅い昼食。今里からは東シナ海の風光を楽しみ、大和村の環境省奄美野生生物保護センターではアマミノクロウサギについて勉強。堀さんの所にしばらく滞在すれば出会うことが出来るかもしれない。
 名瀬では居酒屋「若大将」でささやかな宴。僕だけは早退して休む。


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