川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

アンネの言葉(1)理想と希望

2009-01-07 07:20:15 | 政治・社会
「In spite of everything,

I still believe that people are really good at heart」

 いまでも信じています、
  たとえいやなことばかりでも、人間の本性はやっぱり善なのだということを。



1960年の1月、高校の卒業間近に高知の映画館で見た『アンネの日記』のラストに映し出されるアンネの言葉です。ミリー・パーキンス(アンネ役の女優)の声が被(かぶ)さります。

 ぼくはこの映画で受けた衝撃と感銘を忘れたことはありません。ですから、教室で映画を見ることが容易に出来るようになってからはぼくの生徒のすべてがこの映画を見ているはずです。もう30年にはなるでしょう。

 この言葉は1944年7月15日(土曜日)の日記の終わりの部分にでてきます。これからぼくが書き写しますので、宜しかったら皆さんも声を出して読んでみてください。15歳のアンネの言葉が聞こえてきます。


 私たちのなかに芽生えた理想も、夢も、大事に育んできた希望も、恐るべき現実に直面すると、あえなくうち砕かれてしまうのです。じっさい自分でも不思議なのは、私が未だに理想のすべてを捨て去っていないという事実です。
だってどれもあまりに現実離れしていて、とうてい実現しない理想ですから。にもかかわらず、私はそれをもちつづけています。なぜならいまでも信じているからです……
  たとえいやなことばかりでも、人間の本性はやっぱり善なのだということを。

 私には、混乱と、惨禍(さんか)と、死という土台の上に、希望を築くことはできません。この世界が徐々に荒廃した原野と化していくのを、私はまのあたりに見ています。つねに雷鳴が近づいてくるのを、私たちを滅ぼし去るだろういかづちの接近を耳にしています。いく百万のひとびとの苦しみをも感じることが出来ます。でも、それでいてなお、顔を上げて天を仰ぎ見るとき、わたしは思うのです……

 いつかはすべてが正常に復し、いまのこういう非道な出来事にも終止符が打たれて、平和な、静かな世界が戻ってくるだろう、と。

 それまでは何とか理想を持ち続けなければなりません。だってひょっとすると、ほんとにそれらを実現できる日がやってくるかもしれないんのですから。

 じゃあまた、アンネ・M・フランクより
     
    (『アンネの日記』深町真理子訳 文春文庫 P567)

 
 今朝のニュースです。

  イスラエル軍がガザ・難民キャンプの学校攻撃、死者42人
                 
                 1月7日1時6分配信 読売新聞


 【エルサレム=久保健一】パレスチナ自治区ガザからの情報によると、ガザ北部ジャバリヤ難民キャンプにある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)運営の学校が6日午後(日本時間同日夜)、イスラエル軍の戦車部隊による砲撃を受け、少なくとも42人が死亡した。攻撃が、空爆だったとする報道もある。

 学校は、先月27日のイスラエル軍の空爆開始以来、住民の避難場所になっており、女性や子どもなど民間人数百人が避難していたという。建物のがれきの下には、まだ多くの人が埋まっており、犠牲者がさらに増える恐れがある。

 6日午前にも、最大都市ガザ市と南部ハンユニスのUNRWA運営の学校2校が空爆を受け、AFP通信によると両校でパレスチナ人計5人が死亡した。

 地上作戦を続けるイスラエル軍は6日、5日夜の最大都市ガザ市への侵攻に続き、ハンユニスにも地上部隊が進軍。ガザ全域で、イスラム原理主義組織ハマスとの市街戦に突入する形となった。同通信によると、先月27日の空爆開始以来の死者は635人に達し、負傷者は2900人を超えた。


 パレスチナのこの学校には「アンネ・フランク」はいないというのでしょうか。

 「この世界が徐々に荒廃した原野と化していくのを、私はまのあたりに見ています。つねに雷鳴が近づいてくるのを、私たちを滅ぼし去るだろういかづちの接近を耳にしています。」

 ぼくには何人ものアンネの姿が見えます。それでもなお理想と希望を持ち続けている子どもたちが。

 未曾有の経済危機で大変ではあります。しかし、イスラエルの政府と軍がやっている無差別虐殺を止めさせるために我が政府と国民は力を合わせて立ち上がらなければならないとおもいます。生きる意欲と希望が世界中の子どもたちから消え去ってしまうからです。

 「イスラエルとパレスチナに停戦を求める日本国民集会」を開きましょう。呼びかけは国会に議席のある政党の党首にお願いします。場所は皇居前広場。集会決議を両院議長と首相がイスラエルとパレスチナに赴いて届けます。
 


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