川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

山村留学を国策に

2008-04-10 12:17:21 | こどもたち 学校 教育
 昨夕、一年と少しぶりにMさんと電話で話をする事ができました。07年度はうまくいかないことが多く精神的にも参っていたようです。学校は6年目の今年も学籍を残し何とか高卒の資格を取りたいといいます。カウンセラーなどの助力で近頃はいくらか元気になり、学習やアルバイトの意欲も出てきたそうです。友達はみな卒業していなくなりましたが、担任の先生を信頼しています。気が向いたら川越に遊びに来てくださいと伝えました。
 学校を辞めてから一年が経ちました。その間にMさんのことも忘れてしまうところでした。Sさんとの教育再生の話にかかわって、突然思いだし、彼女の記録を読んだり、電話をかけて励ますことができました。ありがたく、また、嬉しいことです。小さいときから閉ざされた心をときはなち、ひとびとと交流しながら大人になっていくことは並大抵のことではありません。僕にできることはほとんどなく、ひとびとの助けを借りながら自立していくことを祈るばかりですが、忘れることなく応援のメッセージは届けたいと思います。

 Sさんのお孫さんが世話になっている長野県売木(うるぎ)村の山村留学を運営している法人のHPを紹介します。


(財)育てる会 売木学園の元気な子どもたちの山暮らし日記

http://asunaro45.blog62.fc2.com/

26期生11人の姿があります。共同生活するセンターから3km程離れた学校に通う子どもたちの様子も紹介されています。この中の一人の中学生がSさんのお孫さんなのでしょう。ここで山村留学を体験し、今は都立高校に通っている先輩の話を聞いたりしてみずから希望してここを選んだといいます。センターでの共同生活、里親のもとでの家庭生活、そして地元の中学校での学校生活。都会の真ん中ではできない貴重な体験を積み重ねながら、自立への確かな力を身につけていくことでしょう。
 40年も前から山村留学に取り組んできたひとびとがいたことに僕は驚きました。これらのひとびとの取り組みがネットワーク化されて、全国各地でこのような実践が展開されているのかも知れません。僕も1973年から3年間、北海道池田町の農家にお願いして高校生を夏休みにホームステイさせて貰ったことがあります。80年には広尾町の牧場にお願いしました。問題意識は似たところがありますが、継続的で組織的な活動に頭が下がります。
 ここで僕がいいたいことはこのような取り組みを国家、または自治体の重点的な取り組みにする時期に来ているということです。小中学生の内、希望する人はことごとく受け入れられるように体制を整えるのです。学校から帰ったらあいさつする人もいない夜を過ごさなければならないMさんのようなこどもはただの一人もいてはなりません。山村留学のような道が用意されても良いはずです。金がかかります。こういうところに税金を投入するのです。
 山村の過疎化は日々進み、限界集落が増え、学校が廃校になっています。今ここに税金を投入し、村人の力を借りて、子どもたちを育てて貰う政策を打ち立てるべきです。今が最後のチャンスです。年寄りは力を失い、村は消滅する瀬戸際です。学校がなくなってからでは遅すぎます。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿