担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

近況。

2015-06-30 23:19:05 | Weblog
確か昨年あたりからだったと思うが,近隣にカッコウの鳴き声が響き渡っている。カッコウは夏鳥らしいので,ちょうど今日本に渡ってきているのだろうが,リアルカッコウの鳴き声を聞いたのは初めての経験なのでしばらくは確信が持てなかった。

カッコウは他の種類の鳥の巣の卵を排除し,代わりに自分の卵を産み付ける托卵という方法で繁殖するそうなので,巣を作る習性はなさそうであるが,どうも近所に居ついているようだ。ただし,カッコウの姿を目にしたわけではない。その代り久しぶりにオナガを見た。また,今年の春はメジロに遭遇しなかった。

先週のことだったと思うが,歩道に落ちているタマムシに出くわした。数年前にも同じ出来事があったのを思い出した。

昨日は午後6時過ぎ,ちょうど日暮れ時にヒグラシの鳴き声を聞いた。ニイニイゼミよりも先にヒグラシの声を聞くとは思わなかった。また,帰り道にそこそこ大きなカブトムシのメスを拾い,家の近くの栗林に連れて行った。背には土がこびりついていたので,羽化仕立てだったのではないかと思われる。鞄にくっつけて数百メートルの距離を歩いている間,心なしか堆肥の匂いが漂ってきたような気がした。

昼間はやや暑い日が続いているが,夜はかなり涼しい。おかげで先週末は軽く風邪を引いてしまった。喉に違和感があり,痰や鼻水が出る程度の症状だったが,こじらせると残り数回に迫った授業に差支えが生じるので心配だったが,幸い今では症状はほとんどない。

残りの授業回数がほとんどないのに授業計画からかなり遅れている授業をどうするか,それがこのところの気がかりである。いやー,ほんとどうしよう・・・。
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天使,天に還る。

2015-06-20 23:58:03 | 
今朝,もぐが天国へと旅立った。

昨日,入院先の獣医さんと治療の効果が出始めたことを喜んだばかりだった。

一ヵ月ほど自力で食事を摂らず,すっかり痩せこけていたので,力尽きてしまったのかもしれない。

エコー検査の画像と血液検査の結果,それに皮膚が黄色く染まる黄疸の症状から,胆管に異常があったことは明らかだったが,元凶の特定までには至らなかった。


これまでの経験から,どうも猫は死期を悟ると普段の居場所とは違う妙な物陰などに潜みたがる習性があるようだ。もぐも一ヵ月ほど前からそういった行動を取るようになっていた。そんな姿を見ると,こちらも別れが近いかもしれないと覚悟を決めなくてはならない。

そうやって心の準備はしてきたつもりだが,現実を素直に受け入れている自分と,もぐを失った実感がまだよく湧かないようなぼんやりとした自分がないまぜになっているような心地である。

享年8歳と一ヵ月。世の飼い猫に比べれば半分に過ぎない短い一生だったが,少しでも楽しい思い出を胸に旅立ってくれたろうか。そのことだけが気がかりでならない。
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Dirac と Heaviside.

2015-06-10 23:30:48 | mathematics
Paul A. M. Dirac は十代後半に Bristol で電気工学を学んだ。当時としては珍しく実学志向の工業系の学校だったらしい。ちょうど第1次世界大戦の最中だったことも工学を学ぶ理由の一つであったろう。

電気工学を学ぶ中で Heaviside の演算子法に出会ったらしい。Heaviside の演算子法が当時電気工学の業界でどれほど普及していたのか非常に気になるところであるが,Dirac と Heaviside 関数との間にはっきり接点があったことがわかって一つ疑問が解消した。

Dirac 自身が語ったことを調べればもっと詳しいことがわかるだろう。AIPのサイトで Dirac のインタビュー記事が公開されている。一通り目を通したいところである。Dirac の δ 関数がどういった経緯で導入されたのか,それも非常に興味のあるところだが,それもこのインタビュー記事によって明らかになると期待される。

なお,Heaviside の演算子法と書いたが,微分演算子の逆演算子を考えて微分方程式を解くというアイデア自体は Heaviside よりも古く Laplace などがすでに試みていたそうである。そういった演算子法の歴史も調べてみたいが,Heaviside 関数や delta 関数などの超関数の歴史については Lützen という人が "The Prehistory of the Theory of Distributions" という素晴らしい本を書いているので,それも手に取ってみたいものである。確か超関数の理論の創始者である Schwartz 自身も d'Alembert らの先駆的な仕事について書き記していたのではなかっただろうか。そういった,何らかの理論が作られるきっかけとなった動機のようなものが気になる性質なので,おいおい調べてみようと思う。
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行列の理論の歴史に関する覚書。

2015-06-08 01:22:37 | mathematics
線形代数,とりわけ行列の理論は主に連立1次方程式の解法から生じたと思われるが,ことはそう単純ではないようだ。

まず連立1次方程式と関連して行列式が誕生した。すでに Leibniz が行列式を論じているとのことである。

連立1次方程式だけではなく,代数学の花形である数論において線形代数の様々な性質が気付かれていったようだ。

この他,18世紀には線形微分方程式の一般的な解法を論じた Euler も線形性に着目していたことだろう。

19世紀半ばには Grassmann と Hamilton がベクトルの理論の基礎を築いた。さらには Sylvester や Cayley,そして Pearce 親子の他,Frobenius といった人々が現在の行列論の基礎を築いたようだ。特に Sylvester は matrix という用語や rank の概念を導入したそうである。さらにはフランスやドイツで Hermite などが2次形式を論じており,それが対称行列の固有値問題の萌芽であったろう。彼らよりも少し前の世代である Gauss の寄与も忘れてはならない。

なお,Bourbaki によると Kronecker や Weierstrass が反対称性および多重線形性などの行列式の性質を取り上げたとのことである。

とはいえ,線形代数を教える際には,こうした歴史的な経緯を意識することも大事であろうが,それ以上に「なぜ」「何のために」「どういったことを教えなければならないのか」といった観点が重要であろう。唐突に行列の演算を導入し,さらには中学校で教わった連立1次方程式の解法を再び取り上げ,さらには謎の固有値問題や1次独立性や1次従属性,線形空間の次元などを議論し始める。これらは様々な応用分野で日々利用されている大切な基礎理論であるが,そういったことをうまくからめて,なんとか教わる側のモチベーションを高めることはできないものだろうか。

小学校では数の計算規則を天下り的に教え込むといった方式でも通用するかもしれないが,中学,高校,さらには大学に上がるにつれ,学ぶ側にも「何を何のために学ぶのか」といった目的意識が芽生えるだろうから,そういったニーズにできるだけこたえたいものである。ひょっとするとそんなことを意識していない学生も多いかもしれないが,それならばむしろ逆に学生にそうした意識を持ってもらうような方向へと導きたいものである。
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