HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
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ああっ、シュ・ネイさま!

2005年10月18日 | 中華圏映画

 昔の映画を観ていて、当時の女優さんなんかを好きになってしまったことは映画ファンなら一度や二度はあるはずだ。グレース・ケリーとか、マリリン・モンローとかね。本人はさておいて、フィルムには一番輝かしかった状態が真空パックされているので、時代が変わろうともその彼女らが持つ魅力というのは変わらず、絶えず画面から発散している。それで当時を知っている人には甘酸っぱくも懐かしく、知らない人にはとても新鮮に感じるのだ。 私の場合は古い武侠映画を観ていてそのような状態になってしまった。一人お気に入りの女優さんが決まると、他の作品が観たくなりVCDを注文してしまったりと、かなり入れ込んだ思い出がある。そんな武侠映画で見つけたお気に入りの女優さんを紹介しようと思う。  紹介するのは、一番のお気に入りであるシュ・ネイ(雪妮)だ。『別冊太陽 香港映画スター'40s~'90s』(平凡社)よりプロフィールを引用しよう。 

 
  1945年生まれ。主に武侠映画を中心に活躍した。美しい目と口元がきりっとして気丈そうだが、お月様のようにまん丸い顔に愛嬌があり、「甜美人(甘い美人)」や「甜姑娘(甘いお嬢さん)」と呼ばれ親しまれた。初主演作は『碧血金釵』(64)。ほかに『雪花神剣』(64)、義侠アクション『女黒侠木蘭花』(66)、女性版片腕剣士もの『獨臂神尼』(68)など多くの代表作がある。熱心にクンフーを学んだ努力家であり、出演作の多くで美しい立ち回りを披露。可愛くて強い、独特のキャラクターで人気を集めたが、著名な武術指導の唐佳と結婚後は映画界を離れる。  

 
  彼女を最初に見たのは、『天狼寒』(68)という作品だった。ちょっとプライドが高くて、気が強い女剣士の役がシュ・ネイだった。オレンジ色の衣装を身にまとい、長い黒髪を振り乱して悪い男たちを斬り倒すその姿に、私は釘付けになった。元々はラウ・カーリョン(劉 家良)が武術指導をしているというので観てみたのだが、結果的にシュ・ネイに転んでしまった形になってしまった。それから彼女の作品を何本か集めて鑑賞したのだが、彼女の魅力が一番発揮されていたのは夢のように楽しい舞踊的な雰囲気の粤語武侠片の時代で、のちの60年代後半から70年代前半にかけて大ブームとなる、男性中心で、リアリスティックなアクションが売りの新派武侠片ではない。『天狼寒』には新派武侠片の趣があって、シュ・ネイや同時代の女流スター、チャン・ポージュが主演にもかかわらず、目に付くのは男優陣であった。彼女は新派武侠片の流行と共にその活動を結婚(夫となった唐佳は、カーリョンと共にショウ・ブラザース武侠、クンフー映画を支えた人物)という形で終えたのだったのだ。クンフーを習っていたって話なので、もう少し続けていたらその方面でも傑作は生まれたんじゃないかと思えるのだが、ちょと残念かも。



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