HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

超COOL!『グラインドハウス』

2007年08月28日 | その他の映画、テレビ
 普段は最近のアメリカ映画なんぞ見向きもしないのだが、この作品はそういうわけにはいかないだろう。何てったって映画オタク番長IN USAのQ・タランティーノとその舎弟のR・ロドリゲスが往年のエクスプロイテーション・ムービーの雰囲気を模して製作した無駄に豪華なB級映画『グラインドハウス』(07)なのだから。

 ロドリゲス監督作『プラネット・テラー』とタランティーノ監督作『デス・プルーフ』が二本立てで観られるUSAオリジナル公開版が8月25日から1週間の限定公開、そして今週9月1日より『デス・プルーフinグラインドハウス』が一般公開されるというスケジュールが決まっている中、私は一足先にYOU TUBEで観てしまいました。劇場行くお金もない、荒い画でもひどい音でも字幕無しでも構わないという無精な私にはもって来いのメディアですな、こりゃ。

               

 ざっと見の感想を。
 
 『デス・プルーフ』は実際に年少期にグラインドハウス(安物映画ばかりを上映していた場末の映画館)での観賞経験があるタランティーノだけに、当時のBムービーの何ともいえないあの“いかがわしい”雰囲気を感じることが出来る。
 K・ラッセル演じる元スタントマンあがりのデス・プルーフ(耐死仕様)のスポーツカーを使ってティーンの女の子ばかりを狙う殺人鬼とスタントウーマンを含む女の子グループとの対決がすごく痛快で、“追う”立場だったラッセルが突如女の子グループの逆鱗に触れ“追われる”立場になってしまうあの痛快感、ホント最高です。彼女たちに追い詰められて悲鳴を上げそうな顔は一見の価値あり!

 対する『プラネット・テラー』はそういうノスタルジックなアプローチは無いものの(ノイズとかリール抜け等の意図的な演出はあるが)、ゾンビ映画・スプラッター映画に対するロドリゲスの敬愛ぶりはこの手のジャンルがあまり好きではない私でもシカと受け止めることが出来た。
 生体兵器による影響でゾンビだらけになってしまった小都市でのサバイバルと戦闘を描いたこの作品、70年代というよりかはむしろ『バタリアン』とか『死霊のえじき』といったような80年代ホラーブームのころの作品群を思い出してしまうのは私だけでしょうか?むしろこの作品の見所は片脚をゾンビの被害で失いつつも、その片脚にマシンガンを装着し目の前の敵を撃ち殺していく元ダンサーのヒロインだろう。絶対観た人が10人中10人が言うと思うね、“強いおねいさん好き”の私としては。ホント、カッコいい画が撮れる人なんだなぁ、ロドリゲスは。

 
 日本では(というか多くの国では)1本づつの上映だが、やっぱり2作品続けて観るというのが正しい観賞方法ではなかろうか?というのが観賞後の感想。アメリカではこれに付け加えて4本のフェイク映画予告編が付いていたというからちょいと悲しい。まぁ、DVDが出た際には特典映像で収録されるでしょうが。
 この『グラインドハウス』形式で今度は70年代風エセクンフー映画でも作ってくれないかなぁ、ワイヤーとか使わず延々と原っぱで殴りあいして、セリフもワザと英語吹替にしたりしてさ。

               

フィリピン版『X-MEN』?! 『SUPER NOYPI』

2007年08月20日 | フィリピン映画

 盆休みも終わり、当たり前の日常に戻った今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか?私は環境の変化に対応しきれずちょっと戸惑っております。無職生活が長かったからなぁ…

 本日は『ジャジャ・ザトゥーナ』VCD購入時に同時に注文した、フィリピンの若手俳優が『X-MEN』ばりのSci-Fiアクションに挑戦した『SUPER NOYPI』(06)を紹介したい。いや、特に深い意味はないんだけど。

               

 2075年のマニラでは独裁者ディエゴによる恐怖政治により正義のレジスタンスと政府軍との闘争が続いていた。レジスタンスの若き女戦士・リアは父親の製作したタイムマシンでディエゴがスーパーパワーに目覚め、フィリピンを悪の手から守っていたスーパーヒーロー集団が壊滅する時代のポイントとなる2006年に歴史を修正する為旅立つ。

 リアがたどり着いたのはスーパーヒーロー集団を親に持つ青年ロレンツォの家。親たちがヒーローであることを知らない彼はごく平凡に生きていたが、リアが出現したことにより運命が急展開する。この時代のディエゴの放った部下たちが、亡き者とせんがために弟や恋人、そして友人たちを襲撃したのだ。リアは彼らを必死で守ろうとするが個人の力には限界がある。そして最大のピンチを迎えたとき、眠っていた彼らのスーパーパワーが突然開花し、何とかその場を切り抜けることができたのだった。

 リアからすべての事を聞かされたロレンツォたち一行は果たしてディエゴを倒し、彼のアジトに囚われの身となっている両親たちを救うことができるのであろうか…?

               

 どう?なかなか良さげな感じでしょ?ワイヤーやVFXをバンバンに使ったアクションシーンなんかはここ数年のハリウッド映画と遜色ないし、ストーリー自体もそう破綻してないので英語吹替で公開されたらモロハリウッド超大作!な雰囲気だ。それだけ世界の映画界はグローバルスタンダート化されてきたということか。

 しかし、これだけ膨大な予算を掛けて鳴り物入りで公開されたにも拘らず、興行成績は芳しくなかったようである。やっぱりそうでしょう。アメリカンナイズされた自国の映画なんて何だか違和感あるもんね。どこかかしら郷土色がないと安心出来ないんじゃないかと思いますよ。

 それにこれが最大の敗因じゃないかと個人的には思ってるんだけど、予告編が5分以上あって劇中のオイシイ場面は全部見せちゃってるんですよ、これが。フィルムマーケット用ならいざ知らず、これをフィリピンの劇場で流しちゃったら本編観る気失せますよ。

               
                              

どんどん“過去”になっていく… ~追悼 クリス・ベノワ~

2007年08月01日 | ルチャリブレ
 この数ヶ月、プロレスファンにとっては何とも胸を痛める訃報ばかりが相次いでいる。
“流血大王”キラー・トーワ・カマタや“神様”カール・ゴッチ、マイナーな所ではECW初期に活躍していたタッグチーム“ジ・イリミネーターズ”のジョン・クローナス等それぞれ一時代を築いた方々ばかりだ。


 その訃報ラッシュの中でも最も衝撃的だったのがクリス・ベノワの“例の”事件だった。ここでは詳しく書かないが、あの真面目一徹な彼が何故?!とインターネットのニュース欄を見て思ったものだ。

 ついこの間までテレビに映っていた人の訃報は、身内でもないのに悲しくなってしまうという何とも言えない奇妙な感覚に包まれる。知らない人からすれば「関係のない人だから大げさすぎる」と思うかもしれないが、これは私の偽らざる気持ち。他人がとやかく言うんじゃない。たとえ親兄弟であっても。


 クリスはアメリカ・日本でも数え切れないほどの活躍をしたが、ここのコーナーで扱っているルチャリブレの国・メキシコでもその偉大な足跡を残している。

 1990年代前半に彼は、当時ホームリングにしていた新日本プロレスと関係のあった当時メキシコで2番目に大きな団体・UWAのリングに上がっていて、日本と同じく中軽量クラスの外人レスラーのトップであった。それを証拠に彼はUWA認定(当時)のWWF世界ライトヘビー級のチャンピオンにも就いていて、ベルトを賭けて所属ルチャドールのトップであるビジャノⅢやビジャノⅣと対戦しているし、ビジャノⅢに至っては抗争の決着戦としてマスカラ・コントラ・マスカラ(マスク剥ぎマッチ)まで行っているのだから大したものである。
 そしてずいぶん後の話にはなるが、AAAがロスで初のPPVを行う際に“メキシコ対外国人”カードのメンバーに彼が入っていて(パートナーは2コールド・スコーピオ&ティト・サンタナ)、パルカやジェリー・エストラーダ、ブルー・パンテルらと対戦している。この事からして、いかにメキシコでの実績と信頼があったかをうかがい知る事が出来る。


 幸いYOUTUBEにビジャノⅢとのタイトル戦やマスカラ戦がアップされているので、早すぎる死を惜しむと共に、その天才ぶりを再確認しようではないか。

 ただ情報社会のこの世の中、心に留めておきたいような出来事も日に日に“過去”と化していくのは仕方ない事とはいえ、なんか寂しいな…


 ●ビジャノⅢ対ペガサス・キッド(C・ベノワ)―マスカラ・コントラ・マスカラ
                
                               
                ここここ

 ●ビジャノⅢ対ペガサス・キッド―WWFライトヘビー級選手権

               
                ここここ

※早めに観賞しないと、リンク切れの恐れがありますのでご注意ください