アメコミが誕生して以来、数え切れないほどのスーパーヒーローが街の凶悪犯罪や国家の一大事から市民を守ってきました。頭の中で読者が、そしてクリエイターたちが思い浮かべる《正義》を具現化したものであります。
スーパーマンやバットマンといった、メジャー出版社が生み出したヒーロー像は、それがそのまま幾多の新ヒーローの雛型となり結果、多種多様な(コスチュームを着た)スーパーヒーローたちが登場し、コミックス市場で生き残りを賭けるわけです。
今回は、最も多くヒーローたちが現れた1940年代… 第二次大戦時に登場したスーパーヒーローのひとり、【ザ・ウェブ】をご紹介しましょう。
ジョン・レイモンドは犯罪学の講師であり推理作家であるが、ひとたび犯罪が起これば、蜘蛛の巣をイメージしたコスチュームのクライムハンター、ザ・ウェブへと変身する。彼の生徒であるローズ・ウェインと共に、日本の工作員やナチのスパイらを相手に闘いを繰り広げるのです…
《蜘蛛の巣》繋がりという事で、後のスパイダーマンを思い起こさせますが、特に蜘蛛の糸を指から出したりする事はなく、並外れた推理力と格闘術で敵と対峙するバットマンタイプのヒーローなのです。
コミックスは『ジップ・コミックス』なる雑誌にて掲載されていましたが、一年ほどで終了してしまいます。
これまたしぱらくは「忘れられたヒーロー」でしたが、1960年代後半に、キャラクターの権利を持つ出版社から発行されていた雑誌にて復活するのでした。復活後のウェプの活躍もなかなか面白いので、またの機会に紹介したいと思います
初出:『ジップ・コミックス』1942年7月号