外房線土気-大網間の旧線跡を見に行ってきました。
ここは、小さい頃から良く母親に聞かされた鉄道の難所でした。特に戦中・戦後は石炭事情も悪く、20‰ほどの勾配でしたが、長い土気トンネルあたりで列車が立ち往生したり、乗客は汽車の煤で目を傷めたりしたそうです。
JTBの宮脇俊三さん編集の「鉄道廃線跡を歩く」を参照すると、この旧土気トンネルは勾配緩和を狙いに昭和29年トンネルを開削して深い掘割にしたそうです。この掘割が終わり大網へ開ける場所へ行ってみました。土気駅東方、昭和の森公園入り口の手前を左に入った善勝寺というお寺の入口辺りです。堀割り跡はすっかり埋められ、老人ホームが建っていました。堀割りに架かっていた善勝寺橋が平地に残り昔を忍ばせます。本に掲載された昔日の写真をみると、今も残るお寺の山門とこの橋が掘割の相当高いところに写っています。深かったのですね。
山門の先へ進むと、埋め立て土砂の山が途切れ、九十九里平野が眺められる場所に出ました。掘割を出た旧線は、写真の山裾に沿って、さらに築堤で現在の新線に向かって下っていったようです。たぶんここは、当時絶好のC57などSL撮影地だったでしょう。私の疎い記憶では、この深い掘割の記憶があります。外房へ海水浴へ出かける際、満員の気動車急行から車窓を眺め、今とは違い東金よりにあった大網駅に到着しました。そして、勝浦方面へはスイッチバックです。「あれ~?」「良い子にしていないから、帰るんだよ。」「え~!?」親にからかわれた憶えがあります。(笑)
青い海と九十九里平野、山裾に新線のコンクリート橋が見えます。ここは午後が順光です。今日は気温が高く靄ってましたが、寒く視界の良い時に再訪したいと思います。下の写真は現在の新線を走る113系。撮るなら今のうちですね。
2010年1月3日撮影 Nikon D200 AF-S VR Zoom Nikkor ED 70mm-300mm f4.5-5.6G / 1/500 f8 ISO400 WB 晴天 Raw
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