ばーばのケベック日記

ケベック在住、ばーばの気まぐれ日記、日常に関する雑文が主です。

ソレイユビッツ

2014年02月28日 | 食べる

例年ならマイナス0度前後の気候が今朝はマイナス25度。天気予報によると3月もこの寒さは続くという。いまのところ、風邪ひくことなく元気でるけど気をゆるめないようにしないと。オレンジ水を毎日飲んでるのでオレンジの出がらしが多くて、マーマレードにしてる。このオレンジの皮をみじん切りにし、たっぷり入れた丸いちっこいドーナツをつくった。名づけてソレイユビッツ。器も金色のガラスに盛ってみた。たまたま用事で立ちよった姪に試食させたら美味しい。ずぼらな性格なので、なんでもおおざっぱ、でないと長続きしないから。マーマレードも、丁寧につくろうとすればオレンジ皮の白い部分を取り除くのだが、一緒に煮詰める。オレンジの甘さも苦さも味わおう。そうだよ、苦さという味もあるんだから。

ソレイユビッツ、白砂糖でなく粉砂糖をまぶす

金色のガラスの器、イタリア製だけど、ひとむかし前大バーゲンで500円で買った、元気が出る器

マーマレード、自家製ジャムを味わうとやめられない、おまけに経済的

 

 


アメリー

2014年02月27日 | 暮らし

アメリーは明るく朗らかで生き生きした10歳の女の子。いつもにこにこしてる。母子家庭だが、ママが大好きで、ママと一緒に作った色とりどりの糸で編んだ腕輪とかビーズ編みとかみせてくれる。それが一週間前、下を向いて何にも言わず車から降りてきた。どうしたのかなと顔をみたらぐしゃぐしゃに泣いてた。ママが新しい恋人とメキシコ旅行に行ったという。置いてけぼりのアメリーは、おばあちゃんマミーのところで一週間過ごす。「たった一週間のお留守じゃない、私なんか3年も会ってないよ」といったところで説得できないよな。しばらく泣きじゃくってから、「アメリーは笑顔がチャーミングだから笑ったほうがいいよ」というと泣き笑い。がんばって笑顔をつくる。素直な子なのね。

翌日、けなげにこう言った「昨日はつらかったけど今日は大丈夫」でも顔はさびしさで翳り、すでにこれまでの無邪気なアメリーじゃない。ママは32歳、新しい恋人ができたって当たり前。彼に夢中になって子供の気持ちにまで頭がまわらないのかもしれない。大好きなママとの楽しい生活に第3者が入り、ママをとられたというか、ママに捨てられた気持ちになったのかもしれない。

今朝、昨夜ママが帰って来たのでルンルンしてるかと思ったアメリーは元気がない。お土産は海で拾った白い石だったという。内心「一週間も娘ほっといて石ころでもないだろうに、可愛らしいお土産買ってくるのが普通だろう、なんてこったい」。帰りの飛行機に乗るときから具合が悪くなり寝込んでるという。「ママはアメリーのお世話がいるね、大事にしてね」というとさびしそうに笑った。むりして笑顔をつくるのがいじらしい。

離婚率が半数を越えるケベック。女性は独立心が強く、またそのように教育される。女手ひとつで家や車を買う女性はざら。この女性の自立心は、男を、家族を養わなければならないという責任から解放したともいえる。夫の同僚が離婚して、そろそろ新しい伴侶をという頃、気立ての良い日本女性を知ってるから紹介しましょうかというと、「キャリアのない女性は問題外」でした。自立した、なりなりのキャリアウーマンでないとNOだと。男の競争社会に女も加わり、さらに競争社会になった。男も女も家庭や子供の気持ちをかえりみる余裕なんてなくなるよな。

この仕事をはじめて、子供の表情が激変するのをみたのは2回目。離婚家庭についての調査報告によると、離婚しても周囲の人達(祖父母や、おじさんおばさん、友達など)がサポートする環境にあると子供への影響はさほどないという。幸いにアメリーには大好きなおばあちゃんマミーがいる。マミーの年齢を聞いたら私より年下。がっくん。

明日の朝アメリーはどんな顔かな。きっとぐんぐん明るさを取り戻すよね。


冬の旅

2014年02月25日 | 音楽

寒さがぶり返しマイナス20度前後の気温が続く。春が来る前にそろそろ聴こうかと、以前買ってあったイアンボストリッジのシューベルト「冬の旅」を聴く。この名曲を私はハンスホッターで聴きこんでおり、何十年経っても彼の声が耳に残っている。深い大地から湧き出るようなバリトン。そのあと、20世紀最大のベルカントと呼ばれるフィッシャーデイスカウを聴いても、いまいちのれないでいた。正直言って、フィッシャーデイスカウを聴きこむまでに聴いてない。

ふと、冬の旅を歌う恋破れた若者は10代後半、もしくは20代前半ではないのかと頭に浮かんだ。どう考えてもハンスホッターの声は中年の恰幅ある端正な紳士の声。これはむしろ、かつての過ぎ去った恋の痛みを思い出し歌ってるよう。

で、ボストリッジのテノール聴きました。彼は、オックスフォード大学の歴史博士号を持つ学者の卵からテノール歌手に転身した変り種。驚いたのは、彼の歌に、愛する女に捨てられた若者が、怒り、嘆き、未練たらしく、時に立ち直り、絶望し、、、といった身をよじるような魂の声が身体化したような表現ののびがある。そうだ声に嘆きののびがあるんだ。

YOU TUBEをみてさらに驚いた。まさしくボストリッジは冬の旅の化身そのものではないか。苦悩のあまり、顔も身体も歪んでる。若さが、もろに失恋の痛手をうけ肉体までなぶる。ボストリッジの感情移入はすごい、役者ぶりもいける。

冬の旅を聴く楽しみは、年齢によって好きな曲が変わる事。今年は「カラス」がなぜか気に入った。毎朝、すこし寒が緩むと空を旋回するのカラスの鳴き声を耳にするからかもしれない。また、YOU TUBEのできは素晴らしい。

CDボストリッジの冬の旅

おなじみのイントロ

http://www.youtube.com/watch?v=DLsaSm5iG9o

今年お気に入りの「カラス」、ボストリッジ自身がカラスになったみたい、映像が抜群

http://www.youtube.com/watch?v=SR5qFMGtzh0&list=PL2FEA1645BA0A5D3B


マンデラ

2014年02月24日 | 映画、ビデオ

アフリカ旅行したことのあるフレデリックからの声がけで、おばちゃん仲間3人で映画「マンデラ」を観てきたばかりです。ネルソンマンデラがかくも偉大な人間だということ知りませんでした。観終わって、私は心がちんけで狭いなと恥ずかしくなりました。感動したセリフをふたつ

白人が黒人を支配する国を望まないし、黒人が白人を支配する国も望まない

25年間の監獄生活は自分の人生を奪った。だが自分は復讐しようとは思わないし、自分を苦しめた相手を許す。この私ができたことだから君達にもできる。武器を捨ててお家に帰りなさい(白人への武力蜂起を煽る過激派を沈静化させ、国民に平和を訴えるため)

フレデリックは獣医学部でアフリカの白人留学生達と勉強したとき、どうしてもそりが合わなかったそうです。彼女達にとって、黒人は映画のなかでも言われてたように人間ではなく野蛮な動物でしかなかった。倭人にとってアイヌが「あいつら人間じゃありません犬ですよ」だったように。

あと、国際世論の力を感じました。マンデラに対して、世論が無反応だったらマンデラ釈放まで行かなかっただろうと。現状への沈黙は受け入れるということなんですね。

おばちゃんたちなので、マンデラの女関係についてぺちゃぺちゃ。

自分も人間的寛容さを育てなければと、胸がちくっとしたので、すぐ忘れるにしてもそのように心がけようと思わせたので10点中9点

以下YOU TUBE

http://www.youtube.com/watch?v=JJ6eQN8o12o

 


スラム化してるような

2014年02月23日 | 暮らし

コンサートの翌日モントリオールぶらつきました。メインストリートでも貸し店舗が増え、街は汚く、歩けば必ず浮浪者に出会う。スラム化してるような印象さえ受けた。ケベックも格差社会が忍び寄ってるという。先日の新聞特集で路上生活者のインタヴューが載っていた。ドラッグ患者や精神病者の浮浪者が増え、昔のように安全でなくなっていると。

時々、こんなに税金が高くなければコンサートにたくさん行けるなと思う(中産階級クラスはお給料のほぼ半分、消費税15パーセント。私が臨時アルバイトで18万の収入を得たときですら6万円税金で持ってかれた)。

税金が、例えば癌で8回の手術をうけた一人暮らしで低所得者友達のシンシアの治療に使われたり、母子家庭のリーヌの子供さんの教育費に使われてるかと思うと、文句言わないでむしろ生活を工夫しようと思う。それに義弟の一人が、高額税金払っても、家族でスキー旅行に行ったり、外国旅行する余裕があるのなら、それで足るを知るをしってもいいのではないかと。退職して外国旅行に明け暮れてるお金持ちの知人もいるが、高税払ってもそれだけの暮らしができるのなら、足るを知ってもいいのではと。

国庫の40パーセントが福祉に使われている。だから今のところ病気してもぼけても国がめんどうみる。各種学校含むセジェップまで学費無料。私は夫にたよって暮らしてる身ゆえ、もしこれが一人でほっぽりだされたら、年齢、能力からいって正直言って生活保護を受ける身。夫は、家族のメンバーが困ったら皆で助け合うだろう、それを国レベルでしてる事さという。人間の能力にはどうしても差がある。

私が働く学校のデイレクターは、ハイパーアクテイヴという一種の活動病だそうで、2つの修士号をもち、さらにカナダ空軍のパイロットでもあり、毎年、健康状態、精神状態、体力状態の試験を受けている。毎朝走ってる。すごいですね、というと、エネルギーが余って活動しないと病気になるそうです。

できる人の世界観が価値基準になったら辛いな。人はいろいろだから。

モントリオール散歩風景。

光の祭典で、アート広場と呼ばれるメインストリートのど真ん中に観覧車を持ち込んでました。

下段は路上の写真展で、インデイアンの村に石油会社が乗り込み、君達金持ちになるよとまるめ込み、石油がなくなると、汚れた川、貧困を残して立ち去ったストーリーが語られていた。これを展示したのはONFという政府機関。

YOU TUBE 光の祭典、貧乏でも楽しむエスプリだけは貪欲でありたい

http://www.youtube.com/watch?v=lLBXMYDRHzU


バーバラヘンドリクス

2014年02月22日 | 音楽

最初にして最後のバーバラヘンドリクスのコンサートに行ってきました。先日、引退するとの記事を読んだばかり。

ドレスは金色、指輪もイヤリングも髪飾りも時計も金とダイヤモンドをあしらったもので燦然と輝いてました。それがとても良く似合い、不思議な事に、ゴージャスさでなくつつましさを感じさせるという装い、素敵でした。一番前の席なので、額のはげ方、ひっつめにした頭髪に対して白髪が占める割合もよくみえました。私のようなまだら白髪とちがって、前方から後方に徐々に白に染まって行くグラデーションタイプというのかな。

ずっと聴きながら、今が引退時だなと思いました。声の質が落ちたとか、下手になったとかじゃないんです。目をつぶって聴けば、それはレコードやCDでおなじみの透明で高らかに天で歌ってるようなソプラノ。若い頃のままの声で、どこに年月が流れたのかなと思いました。が、手馴れた歌い方が、なぜか私にはつまらなかった。何かが消えたようで感動しなかった。

ヘンドリックス66歳か。彼女のような一時代前のソプラノ歌手達が一線を退き、新しいデイーヴァ達が活躍している。いつまでも同じ歌手に固執しないでページをめくり、新しい歌手達を聴いてゆこうと思ったコンサートでした。でも行ってよかったです。一言も言葉発しなくても、ときおり彼女のなにげない仕草が観客の笑いを誘い、人柄の良さを感じさせました。

金色尽くめのバーバラヘンドリックス

コンサートでは歌いませんでしたが、ヘンドリックスとの最初の出会いはフォーレのPIE JESUSでノックアウトされた思い出があります。

http://www.youtube.com/watch?v=dhTwYkUnhM0


ソチオリンピック

2014年02月20日 | メデイア

ソチオリンピック、あんまり盛り上がらない。カナダのメダリストはケベック選手が多く、ラジオで何故ケベックは強いのかというコメントがありました。

1 滑るのが上手いから、これまで独立国民投票で2回滑ってる(独立選挙2回敗北にかけて)

2 ケベックの道路は穴ぼこだらけだから(モーグルスキーにかけて)

夫が、これ聞きながら、ほんとにデイングドング(日本で言うカトチャンケンチャンみたいな感じかな)のオバかな国だよなと笑ってる。

今朝はあたたかった。マイナス2度。それで、カンガルーと呼ばれる目だけ出した被り物をとって、ピンクの口紅塗って春気分で働いた。そしたら5歳の女の子が、私もおばちゃんみたいに口紅塗りたいと言ったの。子供ってほんといろんなこと見てる。私の答えは、あんた10年早いよ。


遺言見直し

2014年02月18日 | 暮らし

ケベックは、遺言が水戸黄門の印籠とおんなじくらいパワーがあり、とても大事。遺言ゆえの悲喜劇は人生ドラマ。というわけで私達も遺言を残しているのですが、年齢と共に、状況と共に書き換えることになりました。3度目の書き換えです。

私が死亡の場合、日本から親族2人を呼び、飛行機、ホテル、通訳代金を払うことになっていたのですが削除。双方にとって面倒くさいと思うようになりました。ぼけて老人ホーム入居の場合、年に一度、医師の報告書を翻訳して日本の家族に送る、これも削除。そのかわり、死後あるいはボケた後読んでもらえるよう切手貼って投函するばかりの手紙を2通用意しておきポスト投函で終わり。

ボケた場合の手紙の例:この手紙が届く頃、私はぼけていると思いますが、病院からも夫の身内からも大事に扱っていただいてるのでご心配なく云々

死ぬにもボケるにもめんどくさいこと一杯。あんたどうすんのみたいな項目が山ほどあります。植物人間になったらどうするか、子供がいないのでボケ老人になった場合、誰が書類を担当し、そのお礼金をいかに払うか(相場があるそうです)等々。

ある女性ジャーナリストが、遺言は優しさの贈り物と言ってました。後に残された人たちにご迷惑をかけないようにと。

こんなんで、外国に住んで知らず知らず心がけてるのは身辺整理をきれいにしておこう。そして遺言書き換えをしっかり読もう。


ラストウインター

2014年02月17日 | 暮らし

今朝はマイナス18度。天気予報で、明日からマイナス2度、3度まで上昇するとのこと。寒いけど日差しも空も春がほんのりで嬉しさがこみあげる。

今年の冬の厳しさは長かった。いつもにこにこ元気はつらつのアメリがぺたんと雪の上に座り込み、夕べ夜更かしして疲れたんでしょというと、8時に寝たよ、じゃ朝ごはんとらなかったんでしょというと、しっかり食べたよ。ふーん、どうしたのかなというと、冬が長過ぎて疲れたのとのお答え。その言い方が大人びた言い草で、きっと母親の口ぶりをまねたんだろうと吹きだしました。

明日からぐっと温度が上がるんだってというとYOPPIIIIと飛び上がりました。もういいかげん温度を上げてよね、こんなに我慢したんだから十分天罰与えたでしょと、お天気の神様に文句言ったら又どかんと寒くなったりして。


ウオール街の狼

2014年02月16日 | 映画、ビデオ

夫が観なくてもわかるよと興味を示さず一人で行ってきました。未知の世界、株売買人の世界に好奇心そそられて。

自伝に基づいたこの映画にホリエモンのこと思い出しました。でも同じ悪するんでもアメリカはスケールがこれまた桁外れ。ホリエモン、六本木ヒルズに月200万円かのマンション借りて話題になったけど、この映画観たら、あのレヴェルでお金持ちだなんて恥ずかしい。

肥大化した人間の野望と欲望がどこまでゆくのかがこの映画の見所。札束の山が逆に単なる紙切れに見えるほどの金、金、金、お決まりのセックス、ドラッグ。狂騒の世界に狂う人間達が、人間の内面なんていらん、金が全てとばかりにドラマは進行する。だから、そこまでマテリアルな世界に徹底してると、あっけらかんとシンプルで、登場人物達に人間的サンパテイーを一切感じさせず、その空虚さが良かった。

デイカプリオの、ヒトラーも演じれるかもと思わせる、空虚で神がかった顔つきが見所だった。

成金的マテリアル生活は、度が過ぎると空虚に感じさせるという映画で、空虚度を評価して10点中8点。

以下YOU TUBE

http://www.youtube.com/watch?v=Slj4-Sv-YNA


さちあれ

2014年02月15日 | 暮らし

日本で言うところの緑のおばさんしてたときの仲間リーヌから電話があった。新しいアパートの契約が成立したとのこと。彼女は母子家庭、40歳で離婚してから女手一人で娘さん育ててる。娘さんは優秀で、公立学校にあるバカロレアインターナショナル(公立で学費無料だが、裕福な家庭でなくても優秀な生徒のための特別プログラムで、アメリカ、ヨーロッパにも通じるインターナショナルなバカロレアを取得できるシステム)に在籍している。

今年は、友達にとって変化の年。

Aちゃんは恋人と別れる決心をした。私は言った、別れは出会いの始まり、直感に従いなさい、きっと、もっと素敵な人と出会うよ。

Bちゃんは、仕事をやめて気分転換にスペインに旅行する。私は言った、直感に従いなさい、きっと、新しい世界が待ってるよ。

時々思う、もしあの仕事を引き受けていたらどうなっていただろうと。世間的にはかっこよかったかもしれない。でも私の直感は、あの世界に入っても幸せじゃないだろう。駆け引きばかり、お互いの腹をさぐりあい損得勘定ばかり。今の私、もし世間で言うところの最低の仕事をしていても幸せ。私はいつも直感で自分の道を選んだ。ある日本人の女性がこう言った。

あなた、大学でて、そんな恥ずかしい仕事して恥ずかしくないの?

それが全然恥ずかしくないのね、むしろ幸せ。

彼女はまたこう言った。

あなたかわいそう、音楽が好きなのにヨーロッパにも旅行できないで。

ところが、かわいそうと思われてる本人は幸せ。

だって、日本にいたらアレクサンドルタローさんと会えなかったから。ケベックで暮らしてて十分幸せ。

不幸になるには簡単、世間の幸福イメージと較べればよい。でも私はハッピーに生きたいの。そして幸福の種を一杯拾いたいの。

そして、思い切って新しいスタートを切った友達を応援する。さちあれと。


まかしとき

2014年02月14日 | 食べる

ヴァレンタインデイーは、夫婦あるいは恋人同士カップルでレストラン食事がパターンだが、ケベックのレストランは高い割に味がいまいち。よし、今年から義父母をよんでお家レストランにしようと提案すると義父母は喜びました。これまで長きにわたって義父母の家に呼ばれてしょっちゅう食事してました。バトンタタッチです。今度は私の番です。おすしも、海苔も、カレーも日本食はあまり受けつけないので何にしようかメニューを考えるのも楽しいです。今回はサーモンにしました。

ぷりぷり血色のいいサーモン。

切り身サーモンをさらに4枚に切り身にし、塩コショウしパセリとエストラゴンを混ぜた小麦粉をまぶしてバターでソテーしました。

スープはかぼちゃとニンジンのポタージュ。

テーブルナップはペルー旅行のおみやげ。

義父母は第二次大戦中、食料配給券をもって並んだ苦しい時代を知っているので、贅沢なごちそうでなくても美味しいと喜んでくださり感謝です。

今夜のメニュー

かぼちゃとニンジンのポタージュ

サーモンの香味ソテー(付け合せは、生姜ごはんとインゲンのくたくた煮)

デザートはオレンジムース(自家製のオレンジあっぷるコンフィチュールと生クリームを添えて)

これからお家レストランだよ、まかしときです。

 

 

 


序文を読んで

2014年02月13日 | 読書

ベネデイクトアンダーソンの「想像の共同体」序文( introduction )で印象的だった箇所は最後のフレーズで、何故イマジネーションに過ぎないお国のために何億という人間が死に向かうのかという問いだった。彼は続ける、このせまっくるしい、せいぜい2世紀の歴史しかない巨大な犠牲を強いるナショナリスムはどこから来るのか。これがアンダーソンを研究に向かわせた。ここんとこ読みながら敵味方とも、愛国心に燃えた両陣営が血で血を洗う様相が頭に浮かぶ。

田中英道の「日本の歴史何がすごいのか」に、天皇のため、お国のために死ぬと神になるんですと若者の愛国心を鼓舞するような事が書いてある。丸山真男をぶったたきたい、僕は戦争に行って英雄として祀られたいと一時話題になった赤木智弘さんのような若者が増えるんだろうな。人間は不幸だと、また自分は不正義をこうむってると感じると破壊的になる。社会のみならず個人でも、閉塞感のあるフラストレーション状態が続くといつか爆発する。私は日本の未来に対してペシミストだ。9条改正も時間の問題とおもう。武器もつくるだろう、武器輸出もするだろう、海外派兵もするだろう、原発も売るだろうと。こうなることは何十年も前から予測されていた事で、むしろシナリオ通りに進んでるって思ってる。

つづいて、印象に残ったことを羅列、

中国やソ連といった、どのような社会主義国もユマニテを拡げることなく、ナショナリスムにむかった。

ナショナリスムは一種の病気である。

ナショナリスムは国という意識を目覚めさせたのではない、存在しないものを作り上げたのだ。

アンダーソンは、ナショナリスムを文化的造物(artefacts culturels)として据え、いつそれが生まれ、どのように変質していったのかを研究課題とした。アンダーソンの研究に、それこそナショナリスムを越えた普遍的な課題に取り組んでるんだなと思いました。

明治期、日本を探検旅行したイザベラバードは、日本人の一般庶民までがナショナリスト(日本が世界で一番と思ってる)だと驚いている。私は単純に日本は世界一が好きなんだなと思う。でも世界一になりたい国は他にもある。中国、アメリカ、みんな覇者になりたい。

 

 

 

 

 


冬の虹

2014年02月12日 | 暮らし

「ほら、みて、虹がかかってる、でもへんよ、虹ってアーチ型なのに、あの虹、垂直にたってる」

子供が指差す東の方角をみると、朝日と並んで太目の虹が垂れ幕を垂らしたかのように垂直に空を染めている。シュールな世界、どうしてなんだろうと子供達が首をかしげる。

「雲と関係あると思うわ」とマガリが言う

「寒いからアーチを描けないのよ」とアメリーが言う

今年の冬は異常寒波が続き、今朝はマイナス20度。氷河時代の祖先のこと想像しながら、彼らもこうした冬の虹をみたんだろうな。

 冬の虹 子等がみつけ 指をさす