1、教科書採択 中学の数学教科書を小倉金之助著に変えたことです。米国の影響なのか、保険料の計算の仕方、保険加入者が増えることが福祉につながるとか、実利的な教科書が使われていたのです。小倉氏は、統計が計算上正確であっても、何を取ったか、労働者の賃金と表示されていても、資料について吟味しなければ、数学史の観点を入れています。当時は教科主任が採択決定権を持っていました。小学校で算数教科書で暗算先行主義か筆算先行主義かでもめた時がありましたが、担当校長の票決の取り方で1位のものが採決されませんでした。現在は採決権は現場教師にはありません。(各社の教科書があり無償でなく貸与、いつでも利用できたら)
2、自主教材と読書紹介 国分一太郎「かぬひもと」 「100羽のつる」「かきどろぼう」「ぼくのおねいさん」「森は生きている」「白旗の少女」「第5福竜丸」「死の海を行く」「あの日ベトナムに枯葉剤が降った」 「冬芽のがっしょう」「雪はじゃまものか」「動物園探検」「よい歯つよしい歯」「みどりの指」「龍平の未来」「ヒルベルトいう子がいた」「わが指のオーケストラ」「汚点」(井上ひさし)
5年担任時に万引き事件が起きた時、「かぬひもと」を読み感性に訴え、平和学習では、事実を大切にし、なぜ戦争が起きるのかを「みどりの指」を通して考え、公害では、見学に行く前に参考資料の紹介 人権教育は、障碍の事実を知ること 「昆虫」などの教科書の説明文だけでなく図書室の資料を調べて視野を広げる。
ビデオ「失われし時の流れを」「ドキュメント沖縄戦」「みどりのゆび」「水俣」「松本大本営」「大地の絆」「はだしのげん」「ああ野麦峠」「翼をください」「生まれてはみたけれど」「サリドマイド児の自立」「モダンタイムス」「東京大空襲」「橋のない川」 これらのビデオを見るとき事前事後の学習が必要です。「沖縄戦」のビデオを見て「あの俳優はうまいね」とか「大空襲」を見て焼けた死体をエロイととらえる子がいます。
3、校外学習 埼玉古墳 原爆の図記念館 牧場見学 ぶどう園 学童保育 保育園 養老園 お墓調べ、落ち葉ひろい 校区めぐり 市民プール利用 お風呂屋さん入浴 図書館見学等 教室から校外へいくと子供の目は輝く、プール工事で使用できなかった時、権利として市民プールを無料で使用、散歩の共通体験を地図に書き、子供同士の交流の場を作る。
4、子供の自主活動 集団で自主的に遊べる場 文化活動を作る。子供が遊びに来ても4隅でゲーム、少子化でバラバラな子供達、それを解決しようとして 水曜遊び会 親子読書 グループで遊ぶ宿題 誕生会で劇の発表 朗読大会 メンコ大会 コマ回し グループでの勉強会 子供新聞 おむすびつくり 草餅 オセロ 絵あわせ 仲良くなるためにはもめごとが必ずあり、そんな中で子らは育っていきます。誕生会の劇で「こわがりやの2年生」「ふとん海水浴」を選んだり、誕生日プレゼントでは子供の生活が、父子家庭の子は新聞紙の飛行機 母親に教えられた手編みのマフラーを 安売りのカメラを 買ってきた鉛筆、物の価値のぶつかり合いの中で、見えないものを見ようとしていきます。子供新聞では、「なぜ うちのお父さんは、土曜日麻雀で遅い、みんなの家はどうなの」「先生は、教室では○○て呼ぶのに、家に来ると○○君て呼ぶの」とか、自分達で書き印刷する新聞は楽しそうでした。
5、私の授業の仕方 イ、自然のままに楽しんで、人間は機械ではないのだから、教科書通りでなく「生活」を通して学ぶ「薄皮まんじゅう」の教科書では、こねる 蒸す等がわからない子がいるので饅頭屋さんから教えてもらい実地に作りました。小松菜を育て雑煮会 春菊ともち草の区別がつかず学級園のどろぼうと喧嘩 それで、もち草採りから草餅つくり 未熟のかぼちゃをとる失敗からの学びが楽しくもあり身についていくのです。
ロ、子供の声を聴く、「先生 しっかりせいの本を読んでください」「せんせい まら 1ねんせいだから 一緒に遊ぼう」「せんせい 私にはおわりがないの」「せんせい お父さんが教えてくれたの」と子供の声に沢山のことを教えられたのです。終わりがないと訴えた子はゆっくり考える子です。公文で習い事をしている子はさっと終えるので何枚かのプリントを用意していたのです。課題量も子等と納得し終わった子は読書をし教えあったり押し付けでない共同の学習の場つくりになりました。
ハ、サークルでの学び、民間団体に学び、広い視野での学びが教材に生きてきます。
ニ,上からの授業でなく、参加型の授業を心がけました.