水瓶

ファンタジーや日々のこと

It's a Sony展・音楽のつかまえ方

2016-12-04 12:26:41 | 東京の町
ウォークマンといえばソニー。ソニーといえばウォークマン!

・・・ですよな?

昨日は半年に一度、母と姉と一緒に銀座でランチ。
食べ終わったらもう夕方で、銀座からどこかへ出るには中途半端な時間。とはいえこのまま帰るのももったいない、、、
そうだ、有楽町から来る途中で見かけたIt's a Sony展!へ行ってみようじゃありませんか。
正直私一人なら行かなかったと思うけど、森のなかまがこういうの好きだしね。

ちなみに前回の食事会のあとは築地に行ったわけなんですが、そう、半年前は都知事選もまだ。
今のように築地上空に、小池都知事と盛り土がぐるぐると亡霊のごとく取り憑いてはいなかったのです。
あん時行っといてよかったな。。。


このIt's a Sony展、下の階から年代が古い商品で、ぐるぐると上ってゆくほど時代が新しくなるという構成。
このラジオ、森のなかまがかっこいいなあ、よくできてんだよなあとつくづく眺めていました。
昔のラジオってこんな感じで、私の家にあったのは多分ソニーのラジオじゃかったと思うけど、
黒い革カバーかぶってて、なんか「お父さんのラジオ」っぽかったんです。


これ、おもちゃっぽくてかわいいですよね。下にも出てきますが、子ども向けのシリーズだったようです。
ソニーのデザインて硬軟両方良かったんだな。


説明書きによりますと、G型テープレコーダー(1950)。カッコ内は発売年。
日本初のテープレコーダーで、やってみせるとみんな驚くけど売れなかったそうです。
大卒国家公務員初任給4000円の時代に16万円、重さ35キロ。そら売れないわ……… 


発声自動幻燈装置 オートスライド(1952) 。日本語の商品名「幻燈装置」というのが宮沢賢治みたいでいいじゃありませんか。
テープレコーダーの音声と写真を表示させるタイミングを簡単に同期させることができたそうです。
音声は出なかったのでこの装置じゃないと思うけど、硬い紙枠にフィルムを張ったスライドを次々に落として、
スクリーンに映して見せるスライドの機械ってのが昔ありまして、
母の実家の本家筋のおじさんが、農協の団体で初めて海外旅行に行った時の写真を見せてくれたのを憶えてます。

………て書いててなんかすごい昔の人みたいな気がしてきた。。。


TR-610(1958)。スピーカー付き当時世界最小AMポケッタブルラジオ。
うおう、こんなちっこいのがすでに1958年に出てたんですね。


TC-777(1961)。日本初オールトランジスタアンプ内蔵のテープレコーダー。
この頃のテープレコーダー、ほぼガス台大。


左にあるのがTC-100 コンパクトカセットテープレコーダー(1966)。重さ1,75キロ。これ当時としては画期的に軽かったらしい。
右にあるのはカセットテープ C-60(1966)。初のカセットテープ。公務員初任給23300円の時代に60分テープが700円。 
誰が買ってたんでしょう。何を聞いていたんでしょう。

………えーーーと、ちょっとまて。1950年に大卒国家公務員初任給4000円だったのが、1966年には23300円???
たった16年の間に6倍近く給料が上がったってこと?なんじゃそれ。頭おかしくなるぞ。


PS-2000(1966) 。おそらく世界最初のFGサーボ付低速DCモーターによるベルトドライブ機構を採用したターンテーブル「TTS-3000」を木製キャビネットに組み込み、トーンアームを組み合わせてシステムのかたちを整えたレコードプレーヤー

・・・だそうです。説明書きをそのまま打っていますが、何を言っているのかさっぱりわかりません。
うん、とにかくレコードプレーヤーだよ。この丸いとこにレコードのせて針を落として音楽聞くんだよ。
ええ?今どきの若者はレコードも聞いたことないのか。けしからん。ぷんぷん。

レコードを知らないヤングな方に解説いたしますと、レコードにはA面とB面がありまして、
A面が終わるとひっくり返してB面を聞くものなのです。
ユーミンの昔のアルバムとか聞くとよくわかるんですけれど、A面の一曲目とA面終わりの曲、B面最初の曲と最後の曲とか、
なんかそれぞれ、らしさがあったんですよね。
だから今単品でも曲聞くと、あ、これ一曲目(オープニング)っぽいとか、B面4曲目(最後から二番目の曲)っぽいな、とか思います。
思いますよね。古い方。


ラジオCRF-230(1968)。 23バンドを網羅するマルチバンドレシーバー第1号機。プロフェッショナル感覚を訴求した造りになっている。全世界のラジオをカバーする圧倒的な対応力は「ワールドゾーン23」と呼ばれ、数多くのファンに支持された

ふむふむ。ほほう。


ICR-100(1967) 当時世界初のIC搭載ラジオ。マッチ箱に匹敵するサイズと重量90gの超軽量ボディを実現。操作系を大きく設定し、ストラップの代わりにホルダー型のメダルを付けた。1回14時間の充電により、約6時間の連続使用を可能にした

これちっちゃくてかわいいんですよ!で、ちっちゃいのにまたよっくできてるんですよね。今でも思わず欲しくなっちゃいます。


会場こんな感じで、入場無料のせいもあるのか沢山の人が来ていました。
森のなかまいわく「おっさんばっか!」。お前もな。
いや、若い男性や女性もけっこういたと思うけど、たしかに圧倒的に多かったのはおっさんでした。


(この辺くたびれて来て説明書き撮るの忘れています。)
左手にあるこのごつい物がなんだかわかりますか。トランシーバーというものです。
トランシーバーとは、遠くにいる人と無線みたいなもので話せるものです。昔のスマホです。
昔の子ども向けのドラマかマンガで、正義の味方の主人公たちがこれを使ってやり取りしてた気がする……。
私の子どもの頃にはおもちゃで出てたりして、欲しかったんですよね……高価だったけど。
しょうがないんで、かわりに糸電話で遊んでました。いや、糸電話も考えてみるとすごいよね。よく聞こえて。


ビデオレコーダーって書いてあります。でっかいです。映像を記録する機械ですね。この辺わりと関心薄い。。
しかし機械というものの迫力というか、がありますなあ。




CFS-W80(1984)。ラジカセというやつです。おお、この辺りから急に私にも親しみ深くなってきたぞ。
しかもカセットデッキがダブルですね。ふんふんふんふん!

ソニーというのは高級品のイメージが強く、でも私もラジカセで二つぐらいソニーで買ったかな。。。型落ちして少し安くなったやつ。
で、このラジカセに似たようなのを、ソニーで古くなった時買った記憶があります。
よく使ってたラジカセはAIWA。安くて頑丈AIWA。ていうかなんでそんなにラジカセ買い換えてたんだ。
あれ?でもなんか一年に一回ぐらい買ってたような気がするぞ???まあ、そんだけ音楽力込めて聞いてたんですよね。
そか。この頃から、「お父さんのラジオ」から「若者のラジカセ」にシフトしたっぽいですね。


ZX-7ラジオカセットレコーダー。デジタブルと呼ばれていたそうです。
そうそう、平たい形から、コロコロ四角っぽくなった。スピーカーに奥行きが出ました。


ん?ん?ん?この地味めなのは……ウォークマンて書いてある!



ウォークマンだよ〜〜〜。
ロサンゼルスでウォークマン聞きながらローラースケートするんだよ〜〜〜。

ウォークマンの画期的さはやはり、外でも音楽が聞ける、音楽が持ち運びできる。一人で電車に乗ってる時間が短くなる。
つまりスマホの走りみたいな機能を持っていたんですね。ウォークマンて英語がおかしいとかいうな。
ウォークマンはウォークマンじゃ。おりゃー。

ていうかウォークマンてすんごいいっぱい出てたんですね。
ちょっと全体撮り忘れてしまったけど、ものすごく沢山種類がありました。


テープレコーダーのリール。これが間もなく


カセットテープに変わるわけですね。なじみ深いのがいっぱい……あう、あう。

ウォークマンだけでなく、カセットテープはよく使われていました。
レコードプレーヤーとレコードを持っていても、私はよくテープで聞いていました。
理由はといいますと、LPレコード(アルバム)は一枚3000円。これ今とほとんど値段変わりません。
つまり当時は今よりもレコードが高価なものだった……!!
しかしレコードプレーヤーでレコードを聞くと、溝が傷ついたりすり減ったりする。
だから、くり返し聞くともったいないので、レコードをテープに録音したものを、
ふだんはラジカセなりウォークマンなりで聞いていたのです。

(あと、聞きたいレコードはいっぱいあるけれど、全部は買えないから、
レンタルレコード店(友&愛とか)からレコードを借りてきて、録音して聞くことも多かったです。)
これはー、あー、グレーゾーンなんでしょうけど、私的流用ならOKみたいな感じで大目に見られてたと思います。
デジタルデータと違って、レコードからテープに落とす時点でいくらか音が変化というか劣化するので、
やっぱりレコードで聞くのが一番ではあったんです。)

昨日はソニー展を見て、当時自分が音楽をどんな風に捉えていたんだろうと考えたんですが、
私にとって音楽は、レコードそのものだったんですよ。
音楽の本体みたいなものは、それを作ったり演奏したミュージシャンやバンド当人たちじゃなく、ライブの生演奏にでもなく、
レコードに宿っていたと。あくまで私にとっては、ですが。
まあちょっと大げさだけど、レコードってのは本体ですからおいそれとは聞けなくて、一方カセットテープに録音したものは、
音楽本体のかりそめというか移し身みたいな感じで、ふだんから聞きやすかったんじゃないかなあと。

しかしやがて、レコードよりも便利になったCDというものが出るんですよ。これも最初はさわるのもおっかなびっくりだったんです。
なんか傷つきやすそうだし。。。でも慣れて来ると、わりとぞんざいに扱うようになってきました。
安っぽく感じられたんですよね。。。軽いしピカピカしてうすっぺらいし。とはいえもう、レコードを聞くことはなくなりました。

で、今度は追い打ちをかけるようにITの波がやって来て、音楽ってのはレコードじゃなくてデータで、
その宿る物を換えて来たにすぎなかった……の???

正直、この辺りから今に至るまで、自分がどう音楽を捉えてるのかよくわかりませんで、
なんか音楽本体が落ち着く所を失って、幽霊みたいにふらふらさまよってて、捕まえられずにいるようなのです。
レコードで音楽を聞いていた十代の頃が、自分が一番熱を入れて聞いていた頃なので、
年齢によるものなのか音楽メディアによるものなのか、はたまた両方の理由からかはわからないんですけど、
やっぱりレコードの時代が、一番音楽に魅力があった気がします。私個人の話だけれど。
この辺の感覚はきっと、デジタルネイティブといわれるこれからの世代の子たちとは大きく違うのかも知れませんね。
んー、まあ、昔は全体に娯楽が少なかったっていうのはあるんですよね。
ていうか何かを楽しむにはそれなりにお金もかかったので、ある程度しぼらないといけなかったってのもあるかなあ。


これは日本をテーマにしたシリーズで、アンディ・ウォーホルの作品だそうです。
このシリーズ途中でウォーホルが亡くなってしまったため、仕上げたのはパートナーの方だそうです。
うーん、さすがかっこいいねえ。そっか、蛍光色でスケルトンなんだな。


ウォークマン時代の展示フロア。ここがダントツに人が多く、熱気もありました。自分もそうでした。


子ども向けのラジカセとかカラオケのシリーズのようです。おもちゃっぽいけどよくできてんだよなあ、これ。


ご存知プレイステーション。たしか一代目と二代目は買ってけっこうやったかなあ。
でも自分的には、この辺からブツそのものへの執着が急速に薄れてった気がする。。。
音楽同様、「本体」と物が、完璧に分離しちゃったせいだろうか。ところが


ブツそのものへの執着が蘇ったのが、このAIBOくんだったんです。
高かったから買わなかったけど、テレビとかでよく報道されてて、欲しいなあと思ったんですよね。
wikiによると2000年から通常生産か。今から16年前かあ。。


このAIBOはマカロンと呼ばれてたんですよね。これもかわいくて欲しかった。


SDR-4XⅡ(2003) エンタテイメントロボット。これは知らなかったけど、AIBOくんの系統にあるんでしょうか。

前に人形の家で見たPALROくんも欲しいと思ったし、ロボットたちはまだ私の中では本体とブツが一体なんだろか。


ソニー製品のガシャポン。全て売り切れ。すごいね……


時計も出してたんですね。これなかなかデザインがいいんですよ。


この辺はブルーレイとか。映像ものは関心薄かったんであまり取り上げてませんが、
もちろんテレビとかもいっぱいありました。トリニトロンカラーテレビとか。


上に近いフロアには東京通信研究所時代の展示品がありました。この木のおひつ、なんと電気炊飯器なんですよ…!

東京通信研究所の記念すべき失敗作第1号。木のおひつにアルミ電極を貼り合わせただけの祖末なもので、水加減や米の種類によって芯があったり、お粥のようになったりでうまく炊けることのほうがまれだった。

電気オンチの私としては、米と水を入れたこのおひつに手を突っ込んだら感電しそうな気がして恐ろしいです。


この車が走ると音が鳴るんだそうです。へえー、こんなのもあったんだ。

そっか、銀座のソニービルが解体するのか。。ていうか昨日までここにソニービルがあるの知らなんだけども。
そういえばソニーといえば、他の電機メーカーに比べて、オシャレでソフトなイメージがあって、
硬派軟派でいうと軟派だったんですよね。感性のやわらかさがウォークマンを生んだのでしょうか。にゃんてな。

機械電機関係にうとい私も見てみれば思わず熱くなってしまったIt's a Sony展
今の展示は来年2月12日までやっているそうです。ヤング&オールド、カモンベイベ。


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